第7話 衝突
遂にこの時が来た。
大和がリーダーを務める突撃団体は異世界へ渡ることができる装置を目指して進軍していた。
馬鹿なのかそれとも策があるのか、リーダーである大和はその先頭でスピーカーを片手に叫んでいた。
「世界が滅茶苦茶になったのは誰のせいだ?地球人全員?んなわけあるか!元はと言えば望むに望んだ末に奪う事が手段でなく目的に変わった政治家達のせいだ!俺達が討ち取るのはそいつらの子孫だ!根絶やしにしろ!地獄の底で対面させてやるんだ!」
中身のない話だが政治家が悪いという点には同意する。戦争を始めた260年前の政治家達がしっかりしていればこんな時代は来なかったのだ。
大和の次の言葉を待っていると、大きな音と共に悲鳴があがった。
「撃ってきたぞ!」
警告もなく射撃。当然と言えば当然だが、政治家達の邪魔をする私達を問答無用で撃ち殺すつもりらしい。
「突撃しろ!」
撃たれると思わなかった者はまさかと戸惑い、反対に撃たれると分かっていた者は怒号をあげて走り出した。
敵は豊富な武器を揃えているが、こちらには自家製のピストル程度。それも数がなく、足元の瓦礫を投擲したり、なんと野蛮な戦い方だろうか。
「大和はどこだ…」
乱戦になる事は予想していた。大和と合流して行動を共にしたいが、彼はどこだ?まさかこの土壇場で逃げ出したのではないだろうな。
「クト!こっちだ!」
見つけた。最前線でピストルを持って戦っていた。馬鹿なのか彼は。もしもお前が死んでしまったら私は一人で装置に向かうのだぞ。
「こいつを任せるぞ。ついて来い!」
手に持ったピストルを羨むように見ていた女に銃を持たせると、大和は廃墟の脇道へ走り出した。
脇道は私達だけかと思いきや、衝突直後に我が身が惜しくなった者が隠れていた。
「この爆弾で装置を壊せるのですか?」
「ただ爆発させるだけじゃ精々傷付ける程度だ。だけど俺の計算じゃ、稼働中の装置にこの爆弾程度の衝撃さえ与えれば、暴走させて破壊できる!」
「計算って、そんなに頭いいんですか!?」
「俺はあんな威勢だけの連中を纏められるんだぞ。時代さえ違っていればもっと早くに天下を取っていた!」
銃声が遠ざかっていく。彼らには悪いが、いや悪気を感じるような連中でもないか。私達のために身体を張ってもらわなければ。
私達は走るに走った。襲撃は予想されていたのか、予定にないルートにも兵士が配置されていた。その警備を掻い潜り、私達はとうとう装置の前まで辿り着くのだった。




