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終末の地球を渡る僧侶  作者: 仲居雅人


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第6話 突撃前夜

 突撃当日となるまでの間、建物の中で厳しい訓練に参加した。中には脱走を試みようとした者もいた。しかし大和はそれを許さず、気を引き締めるための見せしめとして公開処刑を行った。


 そつなく訓練をこなしていた私は大和に気に入られた。正直、ここで行われている訓練はただの体力トレーニングだ。こんなやり方では装備不十分な小隊に奇襲を掛けたとしても敵わない。


 本気で装置の起動を阻止し、政治家連中を殲滅する気があるのだろうか。




 そうしてこの団員の存在に疑問を抱き、作戦決行の前夜となった。

 私は建物の屋上から装置のある方角を見ていた。そこだけ、今の時代には似合わない程に明るかったのだ。


「探したぞ、クト…嫌な景色だろう。俺達が身を寄せ合って必死に生き延びてるのに、あいつらは新天地へ逃げ延びようとしている。許せないよなぁ」

「そんな世間話がしたくて私を探していたわけではないでしょう。本題に入ってください」

「気付いてるだろ。ここでの訓練は全くの意味を成さないって」


 意外だ…目的しか見えてない盲目な男かと思ったが、ちゃんと考えていたのか。


「言ってないがあいつらは囮だ。装置の破壊は俺とお前の二人でやる」

「なんとそれは…」

「装置の破壊をするとは言ったが、どうせ臆して動けなくなるやつばかりだろうしな」

「それで?私とあなたで装置を破壊するというのは?」

「破壊には遠隔で操作する爆弾を使用する。きっとあれほどの大きさの装置だ。稼働時にはそれだけ燃料が必要になる。だから稼働に合わせて起爆させ、装置自体も巨大な爆弾として利用するんだ」

「そんな上手く事が運ぶのですか?」

「計算上では可能だ。きっと上手くいく。この世に悪が栄えた時代(ためし)はないからな」


 栄えるか…今の世の中で一体何が栄えるというのか。無理だと分かっているから、政治家達はこの世界を捨てる選択をしたのだ。


 大和は破壊に使う爆破装置を、リモコンと爆弾本体の一式が入ったリュックを渡してきた。


「いいか。この世界の未来は俺とお前が背負ってるんだ。その事を忘れるな」


 未来を思うなら逃げ去る連中を背中から討つよりもやることがあるのでは?

 私としては責任から逃げようとする政治家達を討てればそれで良いのだが。


「明日は早い。夜更かしはほどほどにしておけよ」


 そう言って大和は建物の中へ戻っていった。




 こういう何か大きな事をする日には特有の緊張感が強まる。悪くない緊張感だ。


「やってやるぞ…」


 まだ成功と決まったわけではないし、そもそもその確率も低いが、明日が楽しみだ。

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