表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【BL】ゆりかご・コール〜寝坊遅刻魔の俺、クラスの人気者に見つかりました〜  作者: 虎ノ威きよひ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/17

7話 目覚ましが仕事した

 早く寝たって朝は眠い。


 夜の十一時半くらいに寝たのが早寝なのかはわかんねぇけど。俺にしたら日付を超える前に寝たら早寝なんだよ。


 目覚ましが鳴った時、眠くて眠くてキレたかった。

 キレたかったけどちゃんと起きた。

 これだけで及第点だ。


 そして顔を洗いに洗面所に行った俺は、鏡を見て呟いた。


「目覚まし、ちゃんと仕事したな」


 寝起きの冴えない顔もボサボサの頭もいつも通りだけど、そこだけは違う。

 俺のスマホの目覚ましときたら、いつもは気がついたら止まってるからな。



「......たまにはちゃんと髪するか」


 ふわりと朝日川の爽やかな笑顔が脳裏によぎった俺は、櫛を手に取った。

 朝起きて、髪を整える時間があるなんて久々だなぁ。



「朔弥、おはよう!」

「あ......あー......おはよう」


 教室に入るなり、晴れやかな朝に似合うフレッシュな声が弾けた。

 声の主の朝日川が、わざわざ教室の入り口までやってくる。

 眩しく輝く朝日川を見た俺は、思わず髪に手をやった。


(やばい。髪、自転車から降りてそのままだ)


 せっかくちゃんとしたのに。

 悪あがきで適当に髪を押さえたけど、朝日川は俺の髪型なんて気にしていない。


「遅刻しなかったな。偉いじゃん」


 遅刻しないなんて最低限のことができただけなのに、笑顔で褒められた。

 浄化されかけてる妖怪になったみたいな気分だ。俺は落ち着かなくて、慌てて目を逸らす。

 褒められて悪い気はしないのに、無愛想な声が出てしまう。


「おかげさまで」


 さっさと席に着くものの、朝日川はピッタリとついてきた。当たり前のように俺の前の席に座って、椅子の背もたれを抱いている。


「早く寝ると、早く起きれただろ?」

「眠いのは変わらねぇけどな」

「素っ気なすぎるぞー」


 唇を尖らせた朝日川に、ほっぺたを両方とも掴まれた。痛くない範囲でむにむにと引っ張られる。


 もっと愛想よくできればいいのに、俺はバカだ。

 朝日川なんて、拗ね顔すら愛嬌があるのに。


 自分で自分にガッカリしながら、朝日川の好きにさせることにする。

 そうしているうちに、俺の席の横に立ったヤツがいた。


「アサと斉藤くんって、いつの間につるむようになったの?」


 大きな丸い目を瞬かせているのは、前村だった。

 いつも朝日川の隣にいるイメージがある、小動物系のイケメンだ。


 突如増えた一軍男子に、俺はすぐに答えられない。

 代わりに朝日川がいい笑顔で俺の方に身を乗り出してきた。


「ふっふっふ。前村、いいことに気がついたな。なんと......昨日からです!」


 机を挟んでるのに、無理矢理肩組んでくる。

 お互い変な体勢だ。


 朝日川の無理やりな仲良しアピールに、前村はツッコまない。黒目がちな目を見開いてから、瞬きを繰り返していた。


「へー! 相変わらずアサは距離の詰め方が急だねぇ。ね、肥後」

「今更だろ」


 一軍男子は増殖するらしい。

 声のした方を振り返ると、肥後は音もなく俺の後ろにいた。

 バスケ部員らしい長身とクールな顔立ちの、これまたイケメンだ。


 俺の席なのにどう見ても俺だけ場違い。

 なんかクラスの奴らがこっちをチラチラ見てる気がする。朝日川を筆頭に目立ちすぎるから、三人とも俺から離れて会話してほしい。


 でもそんなこと言うと空気が悪くなる。俺は知ってるんだ。だから仕方なく黙るしかない。

 もちろん俺の気持ちなんて知らない朝日川は、楽しそうに笑ってる。


「朔弥が面白いからさ、つい」

「面白い......? 斉藤くん、実はユアチェーバーだったとか?」

「違います」


 そんなわけねぇだろ。

 俺は思わず食い気味に返事をしてしまった。

 すると前村が机に手をついて、じっと覗き込んでくる。


「クラスメイトなのに敬語なの、面白いかも! 斉藤くん面白いね!」

「な? なんかさー、面白いんだよ!」

「はぁ」


 思わず敬語が出ちゃったなとは思うけど、そんなに面白いか?

お読みいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ