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キャバリア・スラップスティック  作者: シベリウスP
暗黒領域・魔王決戦編
154/171

Tournament154 The Death hunting:3(死神を狩ろう!その3)

ジンの居場所を知ったシュバルツユニコーン族は、アルケーとの話し合いを終えたジンたちに攻撃を開始する。ジンたち『騎士団』6名と、3千の敵軍との戦いの火ぶたが切られた。

【前回のあらすじ】


『勇士の軍団』への補給問題により、早期の前進を諦めたジンたち『騎士団』。『ドラゴン・シン』の補給処に退避したジンたちをシュバルツユニコーンの部隊が狙う。

だがその前に、アルケー・クロウがジンを呼び出したのだった。


     ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


「それは本当のことなのでしょうね?」


 『ドラゴン・シン』の最前線集積所から南に5マイル。街道を外れた小高い丘の麓に一時停止していた部隊の中央で、指揮官のシュバルツユニコーンの女性と、白髪で緋色の瞳を持つ、どことなく人を食ったような雰囲気の男性が話をしている。


「ああ、ジンは明日正午、『地獄の河原』の出口にやって来る。そこで俺と話をする予定だ。他には団員が何人か来るだろうが、これだけの軍勢を率いているんだ、問題はないだろう?」


「……そして、あなたが話をした後なら、ジンを好きにしていいと? そこまで約束していただけますよね、アルケー・クロウ殿?」


 指揮官が疑いの目で見るが、アルケーは頓着せず、


「何度も言っているだろう? 俺はジン・クロウたちと話が出来ればそれでいい。そのあとお前たちの攻撃を凌げるかどうかは、ジン・クロウの問題だ」


 そう、めんどくさそうに答えると、


「それよりも、お前たちの王、ランズロウは『地獄の河原』のど真ん中でジン・クロウを迎撃する予定でいるんじゃないのか? 早くこのことを知らせて、急いで陣地を『地獄の河原』の出口に移さないと、ジンたちを取り逃がすぞ?」


 そう指揮官に告げて、虚空に消えた。


「あ、ちょっと!」


 指揮官……シュバルツユニコーンのガラティア・オマーロンは、アルケーが消えた空間を茫然と眺めていたが、


『早くこのことを知らせて、急いで陣地を移さないと、ジンたちを取り逃がすぞ』


 アルケーの言葉を思い出して、急いで部下たちを呼び集めた。


「目標は集積所にいないことが判明しました。今から目標を追って『地獄の河原』の出口まで移動します。急いで準備を!」


 一方、こちらは集積所の北1マイルの所に埋伏したシュバルツユニコーンの別働軍である。指揮官テレット・アンガウルは、南の空に合図の照明弾が上がるのを、今か今かと待っていた。


「おい、まだガラティアからの合図は上がらないか?」


 丘の陰に埋伏して数時間、テレットは何度も見張りの兵士にそう聞いた。


「いえ、まだ南の空には何の変化もありません」


 その答えを聞くたびに、テレットは


(ふむ……あと30分で作戦発動の時間だが……。展開に手間取っているのか、それとも何か不測の事態が起こったのか?)


 そう、疑問や不安が浮かぶのだった。


「……まあ、ガラティアの軍才はランズロウ様も全幅の信頼を置かれているからな。何かあっても心配は要らないだろうが……」


 ……そろそろこちらも準備をしなければならない、そう考えていた時、部下が驚くべきことを知らせて来た。


「テレット様、ガラティア様の使いがそこまで来ています。どうされますか?」


「ガラティアからの使い? どういうことだ、ガラティアの部隊はどこにいる?」


 さすがに異変を感じたか、テレットは立ち上がって天幕を出る。ガラティアが派遣した伝令が、テレットの姿を見てサッと跪いた。


「……お前が伝令か。ガラティアの部隊はどこにいる? もう攻撃発動の合図があってもいい頃だが?」


 テレットが訊くと、伝令はガラティアからの情報を伝えた。


「ジン・クロウが集積所内にいないことが分かりましたので、ガラティア様の部隊は『地獄の河原』の出口に向けて移動中です。テレット様におかれても、至急『地獄の河原』出口へ移動していただきたいとのことでした」


「どういうことだ? ジン・クロウは集積所内にいない? どうしてそんなことが分かったんだ?」


 テレットは矢継ぎ早に訊くが、


「わ、私はただ、ガラティア様からそうお伝えしろと命じられただけですので、詳しいことは分かりかねます」


 当然のこと、伝令はそう答えざるを得ない。


 テレットも、言われてみてそれに気づき、


「ガラティアと話がしたい。部隊は今どこにいる?」


 質問を変えた。伝令は落ち着きを取り戻し、


「はい、今頃はランズロウ様に、現状をご説明申し上げている頃かと。部隊そのものは、副官が指揮を執って『地獄の河原』入り口付近まで戻っていることでしょう」


 そう答えた。



「……ふむ……それは確かにアルケー・クロウだったんだな?」


 『地獄の河原』の中ほど、『テモフモフの遺産』たちが造っていた陣地を修復してジンたち『騎士団』を待ち伏せていたランズロウは、時ならぬガラティアの訪問に驚き、さらに『ジンは物資集積所にはいない。明日には『地獄の河原』出口にやって来る』という報告を聞いて、緋色の瞳を持つ目を細める。


 ランズロウの見るところ、ガラティアは嘘をついているようには見えない。その情報を教えたのがアルケー・クロウであるなら、彼がジン・クロウを呼び出した時間と場所は偽の情報ではない……そこまではすぐに見抜いた。


 だから問題は、『ガラティアが会ったのは、本当にアルケー・クロウか?』というものだけだ。


 ランズロウの問いに、ガラティアは緊張した顔のまま答える。


「あたしはアルケー・クロウの顔を知りませんが、まとった雰囲気や魔力の強さから、間違いないと思います」


「ふむ……それが本物のアルケー・クロウだとして、彼はジン・クロウとどんな話をしようとしているのかだな。

 カザリンはどう思う。アルケー・クロウがジン・クロウと手を結ぶということはありえるだろうか?」


「アルケーは『魔族の祖』、そしてジン・クロウはその血を引く者。同族として手を結ぶ可能性はないとは言い切れません。

 しかし、ジン・クロウの今までの行いを見ていると、アルケーとは対極にあるように思えます。そう言った意味では、何らかの折り合いをつけるために話し合いをしようとしているのでは?」


 カザリンの答えに、ランズロウは何かを考えていたが、


「……とにかく、アルケーがジン・クロウを呼び出したため、あの集積所に居ないのであれば、今すぐ攻撃する必要はない。

 カザリン、テレットにも部隊の移動命令を出せ。そして我らも、すぐに『地獄の河原』に出口に移動するんだ」


「分かりました!」


 カザリンが命令を受けてすぐに自分の前から移動し、ガラティアも自分の部隊を指揮するため陣を離れた後、ランズロウは一人でつぶやいていた。


「ジン・クロウとアルケー・クロウ……この二人のつながりを、『摂理の超越者(エピメイア)』様はどう考えているのだろうな?」



 『地獄の河原』は、『暗黒領域』の中でも過酷な環境にある。

 火山活動の影響で、地面には川のように溶岩が流れ、飛び飛びの大地に街道が作られている。熱や火山性ガスの影響で、生き物はほとんど住んでいない。


 こんな場所に、街道がある方がおかしいのではあるが、白く浮き上がる街道は、これも誰が架けたか判らない橋をいくつも超えて出口へとつながっていた。


 『地獄の河原』を抜けると、気温は途端にぐっと下がる。ガスも瘴気もない平原が少しの間続く。この場所は、人間や魔物にとって住みやすい貴重な空間だった。


「『暗黒領域』にもこんな場所があるなんて、想像もできなかったな。こんな場所なら、いくつか開拓村ができるんじゃないか?」


 僕たち『騎士団』は、アルケー・クロウの指示通り、発動した転移魔法陣を使って空間転移し、『地獄の河原』の向こう側に進出していた。ここに連れて来たメンバーはワインとラムさんだけだ。


 シェリーは、チャチャちゃんと一緒で、負傷した傷がまだ完全には治っていなかったし、ジンジャーさんには大事を取って残ってもらっている。そしてアイリスさん……元『テモフモフの遺産』の一人で、PTD10『ドール』と名乗っていた自律的魔人形エランドールは、ある目的で賢者マーリン様の所に行ってもらっていた。


 よって、別動隊として分離した四人……元精霊王のマロン・デヴァステータ様、奇策縦横のダイ・アクーニン、そしてダイの仲間である魔戦士コア・クトーと魔導士シロヴィン・ボルドー、を除いた全力でアルケーとの会談に臨むことにしていたのである。


「……それにしても、マロン様は遅いな」


 僕は周囲を見回してつぶやく。この会談は、マロン様がアルケーから持ち掛けられたものだ。肝心のマロン様がいなくては、アルケーの本音が聞き出せないかもしれない。


「心配しなくても、マロン様の魔力を感じるから、もうすぐここに姿を現すだろう。

 それよりジン、もしアルケーが手を結ぼうと言ってきた場合、キミはどうするつもりだい?」


 ワインが周囲を警戒しながらそう話しかけてくる。


「アルケーが!? いや、それは絶対にない。5千年前の世界での出来事一つ取っても、奴は僕に恨みや憎しみこそあれ、僕と手を結ぶ理由なんてこれっぽっちもないはずだ」


 僕は、やや怒りを込めてワインの言葉を否定する。5千年前ウェカを、そしてカッツェガルテンの仲間たちを無残に殲滅した奴と手を握るなんて、天地がひっくり返ってもありそうにない。


 ワインは僕の言葉を否定せず、ただ困ったような笑いを浮かべて、


「そうかい。キミの考えをボクは否定しない。キミに要らない先入観を植え付けるのもボクの本意ではないから、その件に関してはこれ以上の言及を控えよう。


 だがジン、あえて言うと、この世に『絶対』はありえないんだ。アルケーだって、自分の目的のためにはキミと手を結ぶことも厭わないかもしれない。


 その時に、相手の意図をどう読み取り、ボクたちのためにどう生かすか、それが必要になってきた段階なんだ。そのことだけを助言しておくよ」


「……分かった。ありがとうワイン」


 僕がそう言ってうなずいた時、ラムさんが、


「ジン様、転移魔法陣です」


 そう告げる。僕たちがラムさんの指さす方を見ると、ちょうど亜空間が口を開けるところだった。そしてそこから、翠の髪と新緑のような瞳をした少女が、金髪碧眼の男女と共に姿を現した。


「ジン様、わたくしの願いを聞き届けていただき、感謝します」


 マロン様は僕を見ると、目を輝かせて駆け寄ってきた。


 そして、不意に悲しい顔をして、


「……この度は、賢者スナイプをはじめ、団に大きな被害が出たこと、わたくしも話を聞いて胸が痛くなりました……」


 声を落として言う。僕はゆっくりと首を横に振って答えた。


「ありがとうございます、心配していただいて。でも、もう心の整理はついています。

 それで、あちらのお二人は?」


 するとマロン様は笑みを浮かべて二人を振り返りながら言った。


「そうそう、紹介が遅れちゃったわね? 二人とも賢者マーリンが差し向けてくれた仲間よ。自己紹介してもらうわね?」


 すると、背の高い男性がお辞儀をして名乗った。赤い革鎧に身を包んだ、精悍な戦士だった。背中には槍を背負っている。


「初めまして、私はアントン・シエイエス。賢者マーリンによって生を受けた人工生命体ホムンクルスです。この度、マーリンからあなたの護衛をしてほしいとの依頼を受けてやって来ました。よろしくお願いいたします」


 続いて、目の覚めるような美しい女性が挨拶をする。こちらも革の胸当てを付け、弓を手挟んでいた。


「初めまして、私はドーラ・シエイエス。兄アントンと同じく、賢者マーリンが生み出したホムンクルスです。兄と共に団長さんをお守りいたしますので、よろしくお願いいたします」


 僕は『ホムンクルス』と聞いて、すぐに賢者スナイプ様を思い出した。

 スナイプ様も、僕に『風の宝玉の欠片』を渡してくれた時、自分が父さんと母さんの素材で造られたホムンクルスだと言っていた……では、ドーラさんがどことなくスナイプ様に似ているのは、そのせいなんだろうか?


 そんなことを考えていたら、マロン様が鋭い声で僕たちに言った。


「アルケーが来たわ。ジン様、わたくしの側においでください」


   ★ ★ ★ ★ ★


 賢者マーリン……その正体はホッカノ大陸を発見した伝説の冒険者、ドン・ペリーである。ただし、ドン・ペリー本人ではない。ペリーは5百年以上前に生きた人間であり、その後の人生を『世界の成り立ちと生命の根源』の研究に費やした。


 その過程でペリーはホムンクルスの研究も始め、生命の根幹ともいえる精神の発生についての研究、『クオリアス理論』の原型を完成させた。


 そして、いよいよ自分の命が終わりに近いことを悟った彼は、4体のホムンクルスを創り上げた。その名はアントン、ブルーノ、カエサル、ドーラである。


 この中で、最もペリーの精神と知識を深く理解したカエサルに、賢者マーリンの名を引き継がせたペリーは、他の3人にはそれぞれに使命を与えて、本拠地であるウンターシャーングリラの村を送り出した。


 その後、カエサル改め賢者マーリンは研究を続け、遂に『クオリアス理論』を完成させた。賢者スナイプやアイザック・テモフモフ博士、その頃はまだフェン・レイと名乗っていた火の精霊王たちが、『クオリアス理論』を学んだのは、彼の許でである。


 そんなマーリンは、今、1体のエランドールに改良を施していた。相手はPTD10『ドール』改めアイリス・ララである。


 彼がアイリスの訪問を受けたのは、2日前のことである。ワインと共にウンターシャーングリラを訪れたアイリスは、皮膚のテクスチャが張られていない身体をマーリンに曝し、


「……私はジン・ライム様をご主人様とするエランドールに生まれ変わりました。どうかご主人様の側でお仕えする身に相応しい姿をお与えください」


 そう頼んできたのだ。


 マーリンは突然の願いに驚いたが、『ドール』が『アイリス』となった経緯をワインから聞いて、


「……よく分かったよ。では、ジン・ライムの騎士団はかなり戦力が落ちた状態なんだね。

『勇士の軍団』が合流するのはいつ頃になるんだい?」


「……ここ1・2週間では難しいかと。それにジンはアルケー・クロウと話をする約束をしています。その場にはマロンさんがいるとは言っても、アルケーが何を考え、どういった行動に出て来るかは分かりません。

 時間があるうちに、戦力を拡大できるならそうしたいと思いまして、突然お邪魔した次第です」


 ワインが言うと、マーリンは立ち上がってアイリスの側により、両方の耳を押さえながら目を覗き込む。アイリスの基本情報を確認しているのだった。


 そして、マーリンはアイリスに告げる。


「君の姿を変えるだけでなく、今後ジン・ライムに必要になって来るだろう支援ができる装置も取り付けておこうか」


 そう言うとマーリンはワインに向き直り、


「依頼の趣旨は理解した。僕が出来る限りのことはしよう。ところでワインくん、エレーナはどうなっている?

 君は僕に、エレーナは『道化』の瘴気によって命を落としたと話してくれたが、僕にはそうは思えない。何か隠していないかい?」


 そう、翠色の瞳で訊く。ワインは首を振って答えた。


「あー、その件について、ボクは何も言える立場ではないことをご理解いただけますか?『賢者スナイプは死んだと思え』というのは、スナイプ様の遺言ですので」


 マーリンは、ワインの葡萄酒色の瞳をじっと見つめていたが、笑って言った。


「……ふむ、時が来ねば何も進まない問題もあるからね?

 分かった、君は早くジン・ライムのところに戻りたまえ。アイリス嬢については、僕が責任持って君たちのところに送り届けよう」



「アルケーが来たわ。ジン様、わたくしの側においでください」


 僕はマロンさんの言葉に従い、彼女の後ろに立つ。僕たちからわずか10ヤードのところに、いつの間にか姿を現したアルケー・クロウが立っていた。


 アルケー・クロウ。『魔族の祖』と言われるこの男は、『運命の背反者(エピメイア)』が、恐らく僕の素材を使って創り上げたホムンクルスだ。だが、その魔力は四神すら遥かに凌ぎ、創造者であるエピメイアに匹敵する。


 彼がなぜ魔族を生み出したのかは、正直理由も動機も不明だ。不完全な摂理を糺し、完全な摂理を生み出すためという者もいる。


 だが、僕が5千年前の世界で精霊覇王エレクラ様から聞いた理由は、少し違っていた。


「……約束どおり来てくれたな。『勇士の軍団』の到着が遅れているようだから、怖気づいて来ないかと心配していた」


 アルケーは白髪をかき上げると、緋色の瞳をマロン様と僕に向けてそう言う。


 マロン様がそれに答えた。


「わたくしは、あなたと少しでも話せる機会があるのなら、それを無駄にしたくはありません。ジン様も、わたくしの思いを汲んでここに来てくれました。


 アルケー、あなたとわたくしは、一度は心を通わせた仲。そのわたくしが、この世界をまったきものにするためには、あなたとジン様、二人が必要だと思っているのです。


 きっとあなたも、そのことには気付いてくれているはずです。どうかジン様と同じ方向を向いて、わたくしとも昔のように思いを共有しましょう!」


 アルケーは薄ら笑いを浮かべながら、冷えた目でマロン様を眺めていたが、マロン様の呼びかけには答えず、僕の方を向いて訊いた。


「ジン・クロウ、お前もマロンと同様、摂理の不完全さは見せかけであると思っているのか? それと、俺と手を結ぶことに何かメリットを見出しているのか?」


 僕は、アルケーの瞳をじっと見つめた。緋色の炎が燃えるアルケーの眼、だが、その炎は静かな熾火のようなものだった。


(……アルケーは、気が遠くなるほど長い間、何かを探し続けているみたいだ。そしてそれはまだ見つかっていない……というより、彼は『何を探せばいいのか』を自問自答してきたみたいだ)


 そう思った僕は、緊張を解いてアルケーに話しかけた。


「摂理の不完全性については、僕はいろんな解釈や考えがあっていいと思う。だって僕たち誰も、本当のことは判らないんだ。

 本当のことが判らないから、僕たちは今を一生懸命に生きるし、今を良くするために努力するんだと思う」


 アルケーの顔が険しくなったが、僕は構わず続ける。


「君と手を結ぶ件についてだが、仮にそうなったら、『魔族の力を結集できる』んじゃないかな? それに、いつか君が僕と敵対する時が来るのだとしても、それは魔王やエピメイアを倒した後のことじゃないかな?」


「ほう、どうしてそう思う? 俺がお前のことを魔王やエピメイアより邪魔だと思うことがないと、どうして言い切れる?」


 アルケーが目を細めて僕に訊いて来る。僕は肩をすくめながら答えた。


「僕は君からは、エピメイアのように新たな摂理の世界を創ろうなんて言う野心や、魔王のように世界への憎しみが感じられない。

 君から感じるのは『完全』への願望と『真理』への欲求だ。そしてそれは、僕自身が追いかけているものでもある」


「……なるほど、マロンがお前を気に入ったのも解るな。あの頃……マロンと共にエピメイアを封じた頃の俺にそっくりだな。そうだろう、マロン?」


「そうです。ジン様はまるで、あなたと対になるために創られた存在みたいです。だからわたくしは、あなたとジン様は争うべきではない、手を結んで同じ方向に進むべきだと、昔から言い続けていたのです」


 マロン様は必死な表情でアルケーに詰め寄る。アルケーはそんなマロン様の姿に気圧されたか、


「……ふん。俺自身はマロンと組もうが、エピメイアと組もうが関係ない。だが、ジン・クロウが言った『魔族の力を結集』には、いささか興味がある。

 それに、『魔族の祖』たる俺を前にして、魔族のジンが堂々としているのも気に入った。さすがはマイティ・クロウの息子だな」


 そう、冷たい口調で言う。ん? でも、口調は冷たいが……


「……顔が少し赤くなっていますよ? アルケー」


 マロン様がニコニコしながらアルケーに言うと、彼はさらに顔を赤くしながら、


「お、お前の見間違いだ。とにかくマロン、お前の考えは解った。ジンとどこまで同じ道を進めるかは分からないが、少なくともお前たちと組むのは、俺が望む場所への近道になりそうだ」


 そう言って腕を組みそっぽを向く。あれ? アルケーって、思ったほど冷血でも、悪人でもないんじゃないか?


「アルケー、あなたの癖は覚えていますよ? 照れた時は思わず腕組みをしちゃうんですよね? 正直に言ってください。私たちと手を組んでくれるって」


 マロン様がアルケーを追撃する。さすが、一度は仲間として摂理の真実を追いかけたお方だ、こういった場合の相手の扱いに慣れている。

 しかし、こうやって見ていると、僕とシェリーのやり取りをワインがどんな気持ちで聞いているのか、少し分かる気がした。


「……ジン、お前と手を組む前に、お前自身の能力を確認しておきたい。実はこの周辺に、お前を狙うシュバルツユニコーン族の部隊が埋伏している。


 俺がお前との話し合いを終え、ここから離れたらすぐに襲ってくるだろう。指揮官は族長のランズロウ・ミステイル、『死神貴公子』と呼ばれている男だ。


 兵力は3千。お前たちでそれを凌げるか、それを見てお前との同盟を結ぶか否かを決めることにする」


 相変わらず冷たい口調だったが、その目はこう言っていた。


『お前とマロンがいれば、凌げるはずだろう?』


 マロン様が横に来て、僕の手を取って笑う。


「わたくしがいますし、仲間たちもいるではありませんか。ここを乗り切れないと、エピメイアには勝てませんよ?」


 そうして、アルケーに頼み込んだ。


「アルケー、いかにわたくしやジン様がいると言っても、6対3千では荷が重いです。作戦を立てる時間が欲しいので、しばらくいなくなるのを待ってもらえませんか?」


 するとアルケーは、ニヤリと笑い、


「ふん、お前たちがどう足掻くかを見るためにここに来ているんだ。そのくらいなら協力してやる。早く後ろにいる奴らをここに呼べ」



「……これで終了だ。少し待っているといい」


 こちらはウンターシャーングリラである。賢者マーリンは、目の前の寝台に横たわったアイリスに声をかけると、研究室ラボを出て行く。そしてすぐに、深紅のメイド服を持ってラボに入ってきた。

 マーリンはメイド服をアイリスに渡すと、


「今までは外板だけだったのでマントだけでも格好が付いたが、テクスチャを張ったから、そのままで外を出歩いたら痴女と勘違いされかねない。それにジン・ライムやワインくんにも目の毒になるだろう。これを着るといい」


 そう言ってラボを出て行く。


 ゆっくりと起き上がったアイリスは、自分が裸体であることを認識して顔を赤くし、すぐにメイド服を着込む。そして、姿見で自分の状態を確認する。そこには、琥珀色の髪と瞳を持った、メイドの姿が映っていた。


「……ご主人様、うちを可愛いと言ってくださるでしょうか?」


 顔を赤くしながらアイリスが言うと、マーリンがドアを開けて入ってきた。


「具合はいかがかな? その姿は気に入ったかい?」


 アイリスはニコニコしながら答える。さすがにそれまでの無機質な顔と違い、人間らしい笑顔はアイリスの感情をさらに引き立てた。


「はい、こんな素敵な姿にしていただき、ありがとうございます!」


 満面の笑顔で言うアイリスに、マーリンは翠の瞳を細め、


「テモフモフにもっと時間があれば、本来君はその姿で世に出るはずだったんだ。それと、君には暗器使いのスキルがインプットされていたが、これからの戦場ではそのスキルだけで生き延びるのは難しい。


 だから、君の妹分であるPTD11『お姉さま』やPTD12『妹ちゃん』から、槍や大剣のスキルも引き継いでおいた。ぜひ活躍して、ジン・ライムを助けてほしい」


 そう言いながら、ガイアが使っていた槍を手渡した。


 アイリスは槍を受け取りながら、


「ありがとうございます。ご主人様は、うちがこの身に代えてもお守りいたします!」


 そう元気よく言う。しかしマーリンが目を閉じて首を横に振り、


「アイリスさん、忠告しておく。ジン・ライムは君のようなエランドールを2体失っている。彼はそれを自分の責任として苦しみ、そして悲しんでいるんだ。


 だから、君は決して『この身に代えても』などと言ってはいけない。それは君のご主人様を悲しませるだけだ」


 そう言うと、アイリスはしゅんとする。


「PTD11もPTD12も、それほどまでにご主人様に大事にされていたんですね?

 分かりました、うちはうちのやり方で、ご主人様を悲しませないよう、ご主人様に可愛がってもらえるように努力します」


「……気負うことはない。それでいいと思うよ?

 さて、君をジン・ライムのところに送ってあげねばならない。今ジン・ライムがどこにいるか分かるかい?」


 マーリンが訊くと、アイリスは目を閉じ、


「魔力探知装置を最大感度にします……」


 そう言ってジンの魔力を探すと、


「分かりました! 今ご主人様は、『地獄の河原』の出口におられます。ワインさんやラムさんも一緒ですが、恐ろしく強い魔力を持つ人物が一緒です」


 そう言う。マーリンは目を細めると首を傾げ、


「ふむ……それなら、わざと少し離れた場所に転移することにしようか」


 そう言いながら、床に転移魔法陣を描き始めた。


   ★ ★ ★ ★ ★


 僕は、マロン様に手招きされて近寄ってきたワインたちに、アルケー・クロウと同盟を結ぶこと、彼がいなくなったら、近くに埋伏しているシュバルツユニコーンの部隊3千が襲い掛かってくることを手短に説明し、迎撃のための作戦を考えた。


「……アルケーとの同盟について思うところはあるが、それはシュバルツユニコーン部隊を追い払ってからにしよう。

 敵の指揮官や部隊の配置は分かっているのかい?」


 ワインが訊くが、僕は首を横に振るしかない。


「族長はランズロウ・ミステイルとかいうらしいが、彼が直接指揮を執っているのかは分からないし、敵の配置も判らない」


 すると、アントンさんが唇を歪ませて言った。


「ふん、『死神貴公子』か。奴の性格から見ると、3千もの部隊が出て来ているのなら、必ずランズロウが指揮を執っているはずだ。


 副将にはテレットという猪武者と、ガラティアという少しばかり知恵が回るはしっこい奴がいるが、危険なのはランズロウの副官をやっているカザリンという女性だ。こいつを捕まえるか、ランズロウを討ち取れば、シュバルツユニコーンの部隊は尻尾を巻いて逃げ帰ると思います」


「アントンさん、シュバルツユニコーン族に詳しいんですか?」


 僕が訊くと、ドーラさんが答える。


「そりゃあ、わたしたちは伊達に何十年も『暗黒領域』を探索していたわけじゃないのよ? 今度だって、マーリンの依頼で『約束の地』の向こう側から帰ってきたんだから」


 なんと、僕たちは図らずも『暗黒領域』の地理に関するエキスパートを団に迎え入れていたのだ!


「アントンさん、ランズロウの人となりはどうですか? 特に個人的武勇や戦略・戦術眼を教えていただけますか?」


 ワインが訊くと、アントンさんは簡潔に答えた。


「勇猛果敢、猪突猛進、感情優先と言ったところだな」


「それを、カザリンが立てた作戦どおりに動かしています。『戦場の霧』に関しては、先鋒のテレットやガラティアの機転で対応しているみたいですね」


 『戦場の霧』とは、戦闘が始まってから起こる不測の事態や、戦闘開始前には見過ごされていて、戦闘開始後に浮上してくる問題点のことだ。これへの対応ができないと、戦闘が行き詰まるか、敗北することになる。


「アントンさんたちの話を聞いていると、シュバルツユニコーンの部隊って、勢いに乗ったら制限なく強いって感じがするな?」


 ラムさんが言うと、ドーラさんがうなずいて、皮肉な笑いと共に言う。


「そうですね。その分、勢いが無くなった時は悲惨でしょうけれど?」


「だから、指揮官であるランズロウを討ち取ればいい、そう言うんですね?」


 僕がそう訊くと、アントンさんは微笑んでうなずいた。思ったよりも優しい笑顔ができる人だった。


「……とすると、まずはカザリンとかいう副官とランズロウを引き離す必要があるな……」


 ワインが周囲を見回してそうつぶやく。彼にはもう、シュバルツユニコーンの部隊がどんな配置を取っているか判っているみたいだった。


「ワイン、私たちはどう動こうか?」


 ラムさんが訊くと、ワインは笑って北側の丘を指さし、


「たぶんあの丘の麓に、敵の部隊がいる。恐らくは先鋒隊だ。ボクたちを圧迫して、『地獄の河原』の一番北に流れる溶岩流に叩き込むつもりで襲ってくるだろう」


 そう言うと、西側を指さし、


「逃げる者は逃げやすい方向に逃げる。ボクたちは10人もいない。先鋒隊1千でも十分にボクたちを補足して叩き潰せる……その心積もりをしているだろう。


 だけど、ボクたちは逃げ出す。その場合、南はNGだ。自ら溶岩流に飛び込むつもりでない限りはね? そこは相手も解っている。だから、ボクたちを西に圧迫するだろう。


 この辺りの地形は、西に向かって下りになっているし、東には街道があるからそっちに逃がしたくはないだろうしね」


 そう言うと、西の方向、数百ヤード辺りを見て、


「あの辺りは、きっと窪地になっている。陽炎が立っていないのがその証拠だ。だから、奴らはあそこに挟み撃ちのための伏兵を置いているはずだ」


 そう言うと、ラムさんが


「じゃ、私たちは北に逃げるのか?」


 そう訊くと、ワインはにっこりと笑って答えた。


「ボクたちが逃げる方向かい? 後ろから追って来る先鋒隊、目の前に現れた伏兵……この状況で、二つの部隊から最も早く離脱できる方向は真北だ。


 そしてその方向に逃げると、最初先鋒隊が現れる丘の反対側の麓になる。つまり、そこにランズロウとカザリンがいる確率が最も高い」


「じゃ、最初から丘の西の麓に突進するのか?」


 ラムさんが訊くと、ワインは肩をすくめて答えた。


「追いかけっこや鬼ごっこに付き合ってあげてもいいが、それではランズロウとカザリンを引き離せないし、そもそも敵陣の中核まで入り込むのは困難だろう?

 だからボクたちは、最初から懐に飛び込めばいい。これでね?」


 そう言いながらワインは転移魔法陣を空中に描く。


「ふむ、ちょっと反則臭いが、生き残れなければ意味はないからな。って、そもそも作戦の意味はあるのか?」


 ラムさんの言葉に、ワインは大げさに驚いて見せる。


「おや、ラムさんともあろう戦士が、今のやり取りに意味がないというのかい?

 もうボクらは、相手のおおよその位置を共有し、その後の展開までシミュレーションしたんだよ?

 そしてそのことで、主将の位置まで推察できた。これのどこに意味がないって?」


「ま、まあ、君の推察が外れてなければの話だがね」


 ラムさんがそう言った時、アルケー・クロウが訊いてきた。


「そろそろ、俺は消えていいかな?」


 マロン様は、ワインがうなずくのを見て、


「構わないわ。どこぞでわたくしたちの実力を存分に観察なさいな」


 そう、アルケーに言う。アルケーはニヤリと笑い、


「ではジン・クロウとマロンの武運を祈っておくか」


 そう言って姿を消した。



「ジン・クロウとの話は終わった。約束どおり奴を好きにしていいぞ」


 ジンたちの許を離れたアルケー・クロウは、ガラティアの部隊に姿を現してそう告げる。ガラティアはアルケーが消えると、すぐに槍を手にして部隊の先頭に出ながら、


「出撃する。ランズロウ様に知らせる火矢を放て!」


 そう命令すると、1千の部隊の先頭に立って突撃を始めた。


「ジン様、丘の東側で火矢が上がりました!」


 ラムさんが知らせてくる。ワインはじっと丘の西側を眺めていたが、そこからも火矢が上がるのを見て、


「おやぁ? 自分の位置をわざわざ明確にするとは、相手さんはずいぶんと舐めた真似をしてくれるもんだね?」


 そう言いながら、転移魔法陣の出口に当たる大陸ベクトルを若干修正する。


「……ま、おかげでランズロウって奴の真ん前に出られるよう、調整ができるわけだけど」


「丘の東側から、敵が攻めて来るようです。距離は5百ヤードほどです」


 ドーラさんも落ち着いて敵を見ているようだ。


「ではジン様、先ほどの軍議のとおり、わたくしたちはここで敵の先鋒としばらく戯れます。その後は、ランズロウを助けに来るテレットの部隊を叩けばよろしかったですね?」


 マロン様がニコニコしながら訊いて来る。ワインによれば、この瞬間、勝ちを確信したそうだ。


「お願いしますよ、マロン様。さてジン、ボクらはランズロウって奴に御挨拶しに行こう。カザリンはボクに任せてくれたまえ」


 ワインがそう言って、真っ先に転移魔法陣に消える。続いてラムさんが


「団長、行きます!」


 そう言って亜空間に足を踏み入れた。


「ではマロン様、無茶はしないでください」


 僕もそう言って、二人を追って転移魔法陣に入った。


「アントン、先鋒はどのくらいまで近寄って来てるかしら?」


 僕たちを見送ったマロンさんは、すぐに魔力を発動してアントンさんに聞く。


「もう3百ヤードほどですね」


 それを聞いたマロン様は、先制攻撃を行った。


「我が精霊たちよ、息吹を感じて空を目指せ。『芽生えの歌』を口ずさみ!」


 マロン様の呪文とともに、その小さな身体が翠の光に包まれる。そしてその光はいくつもの光の種となってガラティア部隊の進撃路へと散り、たちまちそこにつる草を生やし始める。


「何だっ!?」

「つる草だ! 足を取られるぞ!」

「うわっ! 絡みついて来やがった!」


 進路上に突如生え出したつる草は、ガラティア部隊の兵士たちに次々と巻き付いていく。

 兵士たちは、まだつる草に絡まれていない兵士が戦友たちに絡みついたつる草を斬り払い、呪縛から解き放そうとするが、何しろ数が多いうえに生長スピードも速い。あっという間に兵のほとんどは行動の自由を失っていた。


 ガラティア部隊との距離はほぼ2百ヤードにまで詰まっていた。兵士のほとんどがマロン様の魔力の虜になった状況を見たアントンさんとドーラさんは、それぞれの武器を取ってマロン様に告げる。


「マロン様、出ます!」


 マロン様は、鋭い表情で眼前の敵を睨みつけながらうなずき、言った。


「雑魚は捨てておきなさい。敵将ガラティアを生け捕ればそれでいいわ」


「分かりました!」


 アントンさんはそう叫ぶと、槍を振り回しながら突進する。敵のほとんどは動けないと言っても、ガラティアはまだ勝負を投げていない。


「敵はただ一人、包み込んで血祭りに挙げろ!」


 ガラティア自身も槍を執り、2百人ほどの兵を連れて突進してくる。


 しかし、アントンさんとの間が数十ヤードになった時、


 ドシュンッ!

「ぐあっ!?」


 バシュルッ!

「ごっ!?」


 ガラティアの左右で剣を振り上げて突進していた兵士たちが、矢を受けて次々と弾き飛ばされていく。ドーラさんが援護射撃を開始したのだ。


 ドーラさんの矢は一人一人を斃すのではない。数人をまとめて串刺しにして吹き飛ばし、外れた矢も空中で炸裂して付近を進む兵たちを負傷させる。恐るべき弓勢だった。


「まだ別の敵がいる!?」


 ガラティアは、目の前に迫るアントンさん以外にも敵がいることを悟り、


「開けっ! 隊を開けっ!」


 遅まきながら兵たちの間隔を開けてドーラさんの弓に対応しようとしたが、


「やあ、久しぶりだなシュバルツユニコーンの者ども。21年前と同様、族滅の危機に陥りたいか?」


 バシュシュシュッ!


 アントンさんは、自分を包み込んできた兵士たちを一瞥すると、魔力を開放して無造作に槍を振り回す。


「あがっ!」「うおっ!」「ぐへえっ!」


 兵士たちは疾風のようなアントンさんの槍さばきについて来れず、あるいは胸を貫かれ、あるいは首を刎ね飛ばされ、あるいは槍の柄でしたたかに殴られて悶絶するなど、あっという間に包囲網は壊滅した。


「……よう、お前がこの部隊の頭かい? 俺はアントン・シエイエス。賢者マーリンの依頼を受けてジン・ライムの加勢に推参したものだ。


 お前の兵士のほとんどは、元精霊王マロン・デヴァステータ様の魔力に絡め捕られている。おとなしく降参した方が身のためだぞ?」


 アントンさんが遂にガラティアの前面にたどり着き、そう名乗った。


「くっ!」


 ガラティアは槍を執り直してアントンさんと対峙しようとするが、眼前で見せつけられたアントンさんの武勇に臆したか、顔色が真っ青だった。


「ガラティア様っ!」


 ほぼ棒立ちとなったガラティアを守るため、左右に居た兵たちが剣を振りかざしてアントンさんに攻撃を仕掛けるが、


 ドスドスドスッ!


 左右から仕掛けて来た3人を、たった1回槍を回しただけで始末してしまった。


「ひっ……」


 ガラティアは小さく悲鳴を上げる。

 今討たれた3人は、彼女の部隊の中では最も腕が立ち、彼女の護衛を兼ねていた兵士たちである。その3人の同時攻撃を、瞬きするほどの間に返り討ちにしてしまったのだ。


 しかも、3人が3人とも、正確に眉間を貫かれて即死していた。


(み、見えなかった……槍の筋が見えなかった……)


 ガラティアは何とか槍を構えたが、すでに戦意はない。じりじりと詰め寄って来るアントンさんに合わせて、震えながら後退しているだけだ。


 周囲で二人を遠巻きにしている百数十人の兵士たちは、あまりに凄絶なアントンさんの槍の法を見て、誰もが魔法にかかってもいないのに動くことができないでいた。


「……お前が槍を捨て、地面に膝を付けば、可愛い部下たちの命は助かるんだぞ?」


 アントンさんが低く、しかし威圧を込めて言うと、ガラティアは遂に槍を投げ捨て、崩れるように気を失って倒れた。


「お前たちの将は捕えた。おとなしくその場に座って運命を待て。約束だから、命だけは保証する」


 ガラティア捕縛の報を受けたマロン様は、すぐさまドーラさんと共にアントンさんの所に行き、地面に座っている兵士たちやつる草に巻かれている兵士たちに、花のような笑顔で呼び掛けた。


「みんなの命は、『伝説の英雄』ジン・ライムの名のもとに保証するわ。ただし、わたくしたちがランズロウと話を付けるまで、もうちょっとだけ窮屈な思いを我慢してね?

 じゃ、全員眠ってもらおうかしら。いい夢が見られるといいわね」


 そう言って、マロン様はガラティア部隊の全員を魔力の光の中に閉じ込めた。


   ★ ★ ★ ★ ★


「ガラティア部隊、突進を開始しました」


 合図の火矢を見たカザリンは、冷静な声でランズロウに報告する。

 ランズロウは漆黒の鎧をきらめかせ、重々しくうなずいて、


「ジン・クロウは10人内外でアルケー・クロウと話をしていたと言ったな? ガラティアの部隊だけでことは終わるんじゃないか?」


 不満そうな声で言う。


 最初ランズロウは、自身がまず攻め寄せ、逃げるジンたちをテレットの部隊で牽制し、ガラティアの部隊とで挟み撃ちにしてジンを討ち取るつもりだった。相手は『伝説の英雄』である、自身の手で討ち取りたいと思うのは戦士ならば当然であろう。


 しかしカザリンは、ジンの騎士団に『ユニコーン侯国の獅子戦士』ラムと『元精霊王』マロン・デヴァステータがいることをガラティアから聞いて知っていた。


 そのため、万が一を慮ってランズロウとガラティアの部隊の役割を入れ替えた。『最後の鉄槌役』をランズロウがすれば、彼が先鋒だろうが伏兵だろうが変わりはない……そう言って説得したのだった。


 カザリンは、ランズロウの問いに、冷ややかな能面のような顔で答える。


「ランズロウ様、いったん戦が始まれば、何が起こるか分かりません。ましてや敵には元精霊王や『見えない(ステルス・)戦士ウォーリアー』がいます。油断せずに戦況を見守りましょう」


「ふむ……そうだな」


 ランズロウは面白くなさそうな顔でうなずく。カザリンの智謀を信頼している彼は、自身がジンに一番槍を付けられないという不満はあるものの、それでも作戦の方を重視してはいたのだ。


「……あと数分もすれば、ジンたちは逃げ出すだろうな。ガラティアが上手いところ西へと追い立ててくれればいいが」


 ランズロウのつぶやきに、黒曜石のような瞳でガラティア部隊の突進を見つめているカザリンが答える。


「戦巧者のガラティアです。そこは上手くやるでしょう……おや?」


 いぶかしそうな声を上げるカザリンに、ランズロウが物憂げに聞く。


「どうした? ジンたちが思ったよりも早く逃げ出したか?」


「いえ、何かとてつもない魔力の発動を感じましたが、ランズロウ様は何も感じられませんでしたか?」


「いや、我は何も感じなかったぞ。カザリンの勘違いではないか?」


 首を振るランズロウには目を向けず、カザリンはガラティア部隊の方を凝視していたが、


「ガラティア部隊から異質で強力な魔力を感じます。敵に何か備えがあったのかもしれません。テレット部隊に、陣地を出て東進するようご命令を。すぐにガラティア部隊の援護をさせましょう!」


 カザリンが、やや慌てた様子でそう献策すると、ランズロウはびっくりした顔で訊く。


「テレットに埋伏を放棄させるのか? 檻の扉を取り外しては、ジンを捕まえられなくなるぞ?」


「いえ、すでにジン・クロウたちは私たちの作戦を逆用して、私たちの部隊をすりつぶす策を練っているようです。テレットを援軍に送らないと、ガラティア自身が危なくなります」


「我らがここにいることすら知らなかったジン・クロウたちが、お前の作戦を逆用しようがないではないか。カザリンは心配性が過ぎるぞ」


 ランズロウがそう言ってカザリンを宥めたまさにその時、ガラティア部隊から驚くべき報告がもたらせた。


「ランズロウ様、ガラティア部隊の伝令です!」

「よし、ここに通せ!」


 いぶかしそうな顔をしたランズロウと、悪い予感を表情ににじませたカザリンは、酷く動転した様子の伝令を迎えた。


「ほ、報告いたします。ガラティア部隊は突進中、謎の魔法に捕まり兵員の8割が行動不能になっています。現在、ガラティア様ご自身率いる2百が、引き続き強襲を仕掛けておりますが、どうか援軍を派遣してください」


 この報告を聞いて、ランズロウはポカンとしたが、カザリンはさすがに報告の意味と、現在ガラティア部隊で進行している恐るべき事態をすぐに把握した。


「ランズロウ様、ガラティア部隊はマロン・デヴァステータの魔法に苦戦しているようです。すぐにテレット部隊に救援のご命令を!」


 カザリンに声をかけられてハッとしたランズロウは、すぐにうなずき、


「分かった。伝令、テレット部隊に使いして言い送れ。『ガラティア部隊苦戦中。貴隊は直ちに現地を放棄し、ガラティア部隊救援に向かえ』とな。急げ!」



「ふふ、敵の先鋒はマロン様の魔力でくぎ付けだ。あと30分もしないうちに勝負はつくだろう。さて、ボクらもそろそろ準備をしないとだね」


 ワインが開いた亜空間の中で、僕とラムさんはワインの合図を待っている。


「くぼ地の伏兵がマロン様たちの方へ向かったら、敵の本陣に乗り込むよ。大陸ベクトルは合っているはずだが、少し離れた場所に出た場合、ラムさんを先頭にランズロウとかいう敵将がいる本陣に突進するんだ。


 今回は、時間がすべてになる。奇襲の利を生かして、敵が防御を固めないうちにランズロウを捉えられれば、ボクたちの勝ちだ」


 ワインの言葉に、僕もラムさんもうなずく。


「……ジン様、あまり無茶はしないでくださいね?」


 心なしかラムさんの声が震えている。何しろ1千人からの敵がたむろしている陣地に突っ込むのだ。しかも敵の総大将がそこに居る。これは武者震いが止まらない状況なのは確かだ。


 僕はニヤリと笑って見せる。こんな時は、カラ元気でも笑った方がいい。笑顔でいれば、戦の女神さまもご加護を垂れてくれるだろう。


「久しぶりに『ステルス・ウォーリアー』の戦いぶりが見られるね? 君こそ、肩の力を抜いて戦ってくれ。そしてワイン、ラムさん、今日は3人固まって戦おう。

 だが、もし離れ離れになっても、ランズロウだけを狙って進め。そうすれば、敵陣内でまた会えるはずだ」


 僕が言うと、ワインはこちらを向いてウインクをし、


「了解。カザリンとランズロウを引き離すとは言ったものの、この状況では二人が別々の場所にいるとは思えないね。


 ちなみにだが、ランズロウにはジンが当たってくれないか? カザリンはボクとラムさんとで相手をしよう。なるはやで倒して、ジンの加勢に駆け付けるから。


 仮に襲撃が長引いて、兵たちが駆けつけてきたら、雑魚はボクに任せてくれ。その場合、カザリンはラムさんにお願いする」


 なるほど、相対的に弱いと思われるカザリンを一挙に討ち取って、なるべく早く3対1の態勢に持って行こうというワインの深謀だ。


「分かった」「承った」


 僕とラムさんがそううなずいた時、1千ほどの敵軍が西の方から現れて、一散にマロン様たちがいる方角へ走り出したのが見えた。亜空間では、周囲の様子がよく分かるのだ。


「よし、これでランズロウたちの注意は、マロン様たちに多くを割かれる。今がチャンスだ、行くぞ!」


 ワインの掛け声とともに、僕たち三人は一斉に亜空間から飛び出した。


 ワインの転移魔法陣の精確さには、いつも驚かされる。彼が開く亜空間の位置は20メートルとズレはしない。誤差20メートル、これは上級魔法博士レベルの精確さであり、とても二十歳前の若者が出せる精度ではない。


 そしてこの時の亜空間は、ランズロウの幕舎の目と鼻の先に出口が開いた。あと5メートル南にずれたら幕舎の中に飛び込むところだった。


 僕たちはサッと周囲を見回す。目の前には大きな幕舎、それを中心に半径15メートルの円状に柵が設けられ、ざっと2・30人のシュバルツユニコーン族の兵が歩哨として立っている。この天幕の中にランズロウという奴がいるのは確実だった。


 僕は『払暁の神剣』を抜き放つ。すでに風の魔力を集めていた神剣は、僕の魔力開放に合わせて凄まじい衝撃波を放った。


「ドッカーノ村騎士団団長ジン・ライム、『約束の地』までまかり通る! シュバルツユニコーン族のランズロウ・ミステイル、尋常に勝負しろ!」


 ズバアアンッ!


 僕の衝撃波は、歩哨たちを吹き飛ばし、神剣は天幕を斬り裂いた。


「うむ、異質な魔力だと思ったら、貴様がジン・クロウか。たった3人で我が精鋭の陣地に乗り込んできて、我に勝負を挑むとは、飛んで火にいる夏の虫だ。ここを貴様の墓場にしてやる!」


 僕の神剣は、天幕の中にいた数人を斬り裂いたが、漆黒の鎧を着た戦士と、同じく黒い革鎧を身につけた女性が、連れ立って天幕から飛び出て来た。


「我がシュバルツユニコーン族の族長、ランズロウ・ミステイル。汝を魔剣パラグラムの錆にしてくれるわ」


 ゆらりと静かに燃え立つ黒いほむら……ランズロウの魔力開放は、そんな感じがした。さすがに『死神貴公子』と呼ばれるだけの風格と気迫を感じさせる相手だった。


「私は副官のカザリン・マザラン。ランズロウ様を狙う不届き者め、これでも喰らえっ!」

 シュバッ!


 カザリンは弓使いだった。虚空から弓矢を召喚し、矢をつがえながら僕に照準を合わせ放つ……これだけのことをコンマ数秒でやってのけた。その素早さと正確さは、シェリーに匹敵する。


 ジャンッ!

「何っ!?」


 ヒュンッ!

「くっ!」


 だが、僕には『ステルス・ウォーリアー』がいた。ラムさんはカザリンが弓矢を召喚した刹那に動き出し、カザリンの矢を切り落としただけでなく、そのまま彼女に肉薄して長剣の斬撃を放つ。それもただの斬撃ではない。炎と雷の魔力を乗せた斬撃だ。


 カザリンはその攻撃を間一髪でかわしたが、その代わりランズロウと20ヤードも距離が離れた。


「悪いが君は、私やワインと遊んでもらう。私はドッカーノ村騎士団突撃隊長、ユニコーン侯国獅子戦士ラム・レーズン。相手にとって不足はないと思うぞ?」


 ラムさんの緋色の髪は帯電して膨らみ、パシッ、パシッと放電すらしている。額に生えた白い角も、蒼く淡い光を放っていた。


「やれやれ、ラムさんにいい所を取られてしまったが、一応ボクも名乗っておこうか。

 ボクはドッカーノ村騎士団事務総長のワイン・レッド。先に言っておくが、武器を捨て地面に伏せるなら命は助ける。降伏も一つの選択だよ、ボクたちは敗者には優しいからね」


「……それに、彼我の実力の差を認めて降伏した者をあざ笑うようなシュミもない。よく考えるんだな」


 前からは長剣を構えたラム、斜め後ろからは槍を携えたワイン、どちらもすでに魔力を開放し、戦闘態勢は整っていた。


 一方でカザリンの方は、三つの衝撃を受けていた。


 一つは、『本陣に斬り込んでくる』というジンたちの行動をまったく予期していなかったこと。『3百倍の差があれば、ジンたちは逃げ惑うか退却するしか手はない』と観て、逃げる先を抑えて捉えることしか考えていなかったのである。


 二つ目は、自分に二人がかりで来られたこと。カザリンとしては、仮に敵と面と向かって渡り合う場面が出てきたとしても、敵はランズロウを討ち取ることに注力するものと思っていた。


 だが、今の形はランズロウをジンが単身で押さえ、自分を先に二人がかりで討ち取ってから、三人でゆっくりランズロウを料理するつもりだと観た。これは彼女の、敵の隙を見てランズロウを援護しようとの目論見が崩れたことを意味する。


 そして最後は、ジンたちの実力を見誤っていたことである。

 ジンについては『伝説の英雄』であることから、ランズロウ自身も対戦を楽しみにしていたように、規格外の強さを持つ戦士だろうと予想してはいた。


 しかし、まさか複数の魔力エレメントを使いこなし、さらに魔族の魔力まで持つ魔戦士だとは想像すらしていなかった。


(……これは、ランズロウ様も降伏された方がいい。そして私も、このままラム・レーズンやワイン・レッドと戦えば負ける。恐らく、『どれだけ長く生き延びられるか』の戦いになるだろう……)


 カザリンは参謀役を長く勤めて来たために、彼我の戦力分析や今後のビジョンを観るのが得意であった。とっさに『降伏』を考えたカザリンは、ランズロウにも降伏を呼び掛けようとしたが、すでに彼はジンとの戦いに入ってしまっていた。


(無念……では私はできるだけ長くこの二人を引き付けておこう……)


 そう決心したカザリンは、能面のような顔をラムに向けて言い放った。


「カザリン・マザランの辞書に『戦死』はあっても『降伏』はない。『ステルス・ウォーリアー』よ、謹んでお相手仕ろう」


   (死神を狩ろう!4に続く)

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

アルケーとジンは、同盟関係に入りました。どちらも5千年前の遺恨を抱えたままの二人ですが、この共闘はいつまで続くのでしょうか?

それと、3千ものシュバルツユニコーン族の襲撃を受けたジンたちですが、現状有利に戦局を運んでいます。次回は、ジンとランズロウの『格の違い』が明らかになります。お楽しみに!

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

【主な登場人物紹介】

■ドッカーノ村騎士団

♤ジン・ライム 18歳 ドッカーノ村騎士団の団長。典型的『鈍感系思わせぶり主人公』だったが、旅が彼を成長させている。いろんな人から好かれる『伝説の英雄』候補。

♤ワイン・レッド 18歳 ジンの幼馴染みでエルフ族。結構チャラい。水の槍使いで博学多才、智謀に長ける。『PTD7・淑女』と共に『PTD6・ナルシスト』を倒した。

♡シェリー・シュガー 18歳 ジンの幼馴染みでシルフの短剣使い。弓も使って長距離戦も受け持つ。ジン大好きっ子で負けフラグをへし折った『幼馴染ヒロイン』。

♡ラム・レーズン 19歳 ユニコーン族の娘で『伝説の英雄』を探す旅の途中、ジンのいる村に来た。魔力も強いし長剣の名手。シェリーのライバルである『正統派ヒロイン』。『右鳳軍団』に先行し、ジンと合流を果たした。

♡チャチャ・フォーク 14歳 マーターギ村出身の凄腕狙撃手。謎の組織から母を殺され、事件に関わったジンの騎士団に入団する。シェリーが大好きな『百合っ子ヒロイン』。

♡ジンジャー・エイル 21歳 他の騎士団に所属していたが、ジンにほれ込んで移籍してきた不思議な女性。闇魔法の使い手で、『PTD4・幽霊』を倒すも、右腕を失った。

♡メロン・ソーダ 年齢不詳 元は木々の精霊王マロン・デヴァステータだがその地位を剥奪された。『魔族の祖』アルケー・クロウの関係者で、彼を追っている。現在ジンたちとは別に『先遣隊』を率いて行動中。

♤ダイ・アクーニン 28歳 賢者ストックの息子で卓越した知力と魔法を誇る弓使い。魔王を目の敵にし、傭兵隊長だったコア・クトーや錬金術師のシロヴィン・ボルドーとともに先遣隊に加わった。現在、マロンと行動中。

♡アイリス・ララ 『PTD10・ドール』を名乗り、ジンを瀕死に追い込むほど善戦した自律的魔人形エランドール。ジンの魔力マナで再起動し、新たに仲間となった。

■トナーリマーチ騎士団『ドラゴン・シン』

♤オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン 21歳 アルクニー公国随一の騎士団『ドラゴン・シン』のギルドマスター。大商人の御曹司で、頭も切れ双剣の腕も確かだが女好き。

♤ウォッカ・イエスタデイ 21歳 ド・ヴァンのギルド副官。オーガの一族出身である。無口で生真面目。戦闘が三度の飯より好き。オーガの戦士長、スピリタスの息子。現在、『左龍軍団』と共にジンとの合流を目指している。

♡マディラ・トゥデイ 20歳 ド・ヴァンのギルド事務長。金髪碧眼で美男子のような見た目の女の子。生真面目だが考えることはエグい。狙撃魔杖の2丁遣い。

♡ソルティ・ドッグ 21歳 『ドラゴン・シン』の先鋒隊長である弓使い。黒髪と黒い瞳がエキゾチックな感じを醸し出している。調査・探索が得意。

♤テキーラ・トゥモロウ 年齢不詳 謎の組織から身分を隠して『ドラゴン・シン』に入団した謎の男。いつもマントに身を包み、ペストマスクをつけている。現在、ド・ヴァンの許可のもと、『暗黒領域』で単独行動をしている。

♤ブルー・ハワイ 25歳『ドラゴン・シン」の遊撃兼偵察隊長である槍使い。金髪碧眼で観察力と記憶力に優れる。変装に優れ、情報を分析する能力に長ける。

♡メアリー・ブラッドレイ 25歳『ドラゴン・シン』で物資調達を引き受けている槍使い。ド・ヴァンを詐欺ろうとして失敗、許されて彼に心酔し仲間になった。

■退場した仲間たち

♡レイラ・コパック 博識で氷魔法の使い手。スナイプのスカウトで加入した。『PTD5・法律家』を倒すも『PTD3・道化』に止めを刺された。享年17歳。

♡ウォーラ・ララ ジンの魔力マナで再起動した自律的魔人形エランドール。彼に献身的に仕えたが、『PTD2・戦士』との戦いで相討ちとなった。

♡ガイア・ララ 謎の組織の依頼でマッドな博士が造ったエランドールでウォーラの姉。『PTD1・学生』と対峙したが、相討ちとなって果てた。

♡エレーナ・ライム(賢者スナイプ)28歳『賢者会議』の一員だった才媛。ジンに自身が人工生命体ホムンクルスであることを明かし『風の宝玉の欠片』を譲る。『PTD3・道化』を倒すも、『道化』が残した瘴気に侵されてしまった。

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