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私を捨てたあなたたちへ——すべて終わりです。今さら戻れませんが、もう遅いです  作者: snow☆rabbit


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第8話 気づいた時には、もう遅い

違和感は、最初からあった。


——でも、誰も気づかなかった。


「この会社……何だ?」


市場がざわつく。


無名の企業。


だが——


外さない。


投資。

買収。

撤退。


すべてが、正確すぎる。



「妙な動きがあるな」


黒崎グループ。


父が資料を見る。


「小さいな」


一蹴する。


「放っておけ」


その判断が——


致命的だった。



「最近、数字が合わない」


幹部の声。


「誤差だ」


父は切り捨てる。


見えていない。


(もう、遅い)



藤堂家。


「何かおかしい……」


悠真が眉をひそめる。


「流れが読めない」


当然だ。


見えないところで、全部動かしている。



「まだ気づかない」


蓮が呟く。


「気づかせないから」


答える。


情報は出さない。

名前も出さない。


ただ。


結果だけを積む。



数ヶ月後。


ニュースが流れる。


“急成長企業”


黒崎を超え。


藤堂を超える。


市場が騒ぐ。


「ありえない……」


父の声が震える。


「こんな会社、聞いたことがない」


(そう)


知らなくていい。



「特定は?」


「できません」


当然。


痕跡は消している。


すべて、意図的に。



美咲が画面を見つめる。


顔色が悪い。


「……嫌な感じがする」


初めての“直感”。


でも。


遅い。



「そろそろだな」


蓮が言う。


「うん」


頷く。


ここから先は——


“終わらせる段階”



「出るか」


少しだけ考える。


積み上げた時間。

耐えた時間。


全部を思い出す。


そして。


「出る」


決める。



名前を出す。


存在を明かす。


真実を暴く。


すべて。



画面の向こうで、父が呟く。


「……誰だ」


小さく。


震える声で。



私は、静かに笑う。


(あなたたちだよ)


そう答える代わりに。


準備を進める。



もう逃げ場はない。


気づいた時には。


すべて終わっている。


——あなたたちは、もう詰んでいる。

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