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私を捨てたあなたたちへ——すべて終わりです。今さら戻れませんが、もう遅いです  作者: snow☆rabbit


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第7話 ゼロからの支配

何もないなら、作ればいい。


——それは、理屈じゃなく確信だった。


小さなオフィス。


机が一つ。椅子が二つ。

窓は狭く、景色も良くない。


でも。


(十分)


「まずは?」


蓮を見る。


「市場を見ろ」


短い答え。


「“歪み”を探せ。

 正しくない場所は、必ず利益になる」


(歪み)


端末を開く。

数字を追う。


企業の動き。

資金の流れ。

需要と供給。


(ここ……)


小さな違和感。


評価が低すぎる企業。

でも——


内部の成長率。

開発の進み方。

人材の配置。


(伸びる)


理由は、はっきりしている。


「ここに入れる」


「早いな」


蓮が言う。


「外さない」


迷いはなかった。



数日後。


数字が、跳ねた。


「……来た」


小さな上昇。

でも、確実な“当たり”。


「初手でこれは上出来だ」


「まだ小さい」


満足はしない。



次。


また次。


見る。

考える。

決める。


精度が上がっていく。


「判断が速いな」


「無駄が見えるから」


切り捨てる。

残す。


その繰り返し。



夜。


一人で資料を見る。


黒崎グループ。


父の会社。


(弱い)


かつては強かった。


でも今は違う。


判断が遅い。

人材の配置が甘い。

無駄な投資。


(崩れる)



藤堂家。


婚約者の家。


(守りに入ってる)


新規投資が鈍い。

リスクを取らない。


(終わる)


未来が見える。



「どうする」


蓮が聞く。


「まだ出ない」


「積む」


確実に。


“圧倒的な差”を作るまで。



日々、数字が積み上がる。


小さな会社が。


静かに。


確実に。


力を持ち始める。



ふと、思い出す。


母の言葉。


『結果で示しなさい』


(見てて)


心の中で呟く。


今度は、奪われない。


奪う側になる。



窓の外。


街の灯り。


あの家も、この街のどこかにある。


でも。


もう、関係ない。



「準備は整う」


小さく言う。


その声は、もう震えていなかった。


——今度は、私が支配する。

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