表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を捨てたあなたたちへ——すべて終わりです。今さら戻れませんが、もう遅いです  作者: snow☆rabbit


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/11

第10話 選んだ結末

終わりは、静かに来る。


——そう思っていた。


でも。


実際は違った。


壊れる音がした。


「嘘よ……」


美咲の声。


床に崩れ落ちる。


震える手。

焦点の合わない目。


「違う……違うの……」


もう、誰も見ていない。


誰も、助けない。



「欲しかったの……」


かすれた声。


「ただ、それだけだったのに……」


笑う。


壊れたみたいに。


「なんで……あの子ばっかり……」


(……まだ言うんだ)


最後まで。



「最初はね」


ぽつりと、続ける。


「憧れてたの」


会場が静まる。


「お姉様みたいに、なりたくて……」


一瞬だけ。


“普通の顔”になる。


でも。


すぐに歪む。


「でも無理だった」


「だから——」


言葉が途切れる。


言わなくても、わかる。



「ええ」


私は、答える。


「無理よ」


一切の迷いなく。


「あなたは、選び方を間違えた」


その一言で。


完全に、折れた。



父が何か言おうとする。


「私は……」


でも。


言葉が出ない。


視線が、揺れる。


逃げ場を探すみたいに。



「もう遅い」


短く言う。


それで終わりだった。



「綾音……」


悠真がこちらを見る。


縋るように。


「俺は……騙されて——」



「違う」


即答する。



「あなたは選んだの」


静かに。


でも、はっきりと。


「信じる人も」


「疑う人も」


「全部」



「自分で選んだ結果よ」


その言葉で。


彼の顔から、色が消えた。



「そんな……」


崩れ落ちる。


でも。


もう遅い。



連れていかれる三人。


誰も止めない。


誰も声をかけない。


さっきまでの“家族”は。


もう、どこにもいない。



静寂が戻る。


私は、ただ立っている。


感情は——不思議なくらい、静かだった。


怒りも。


悲しみも。


すでに、終わっている。



残ったのは。


“結果”だけ。



「終わったな」


隣で、蓮が言う。


「うん」


小さく頷く。



長かった。


でも。


これでいい。



私は、前を向く。


もう、振り返らない。



——これが、あなたたちの選んだ結末。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ