第18話:抑圧された闘争
エラーはカロカレッジの情報を得るため生徒を盾に交渉に臨むが、交渉決裂により王国の最高戦力、マーレアと対決することに。
お互い重たい一撃を一撃づつ浴びせ、勝負は続く。
僕はマーレアとゼロ距離でひたすら殴り合う。腕を抑えられ、右のパンチで右脇腹を抉られた。
僕は反撃でマーレアの腹に膝蹴りを入れてお互い距離を離す。お互い傷を治癒しながら構え直す。
「人質取ってるんだけどなぁ。学生なんて捨て駒?」
「安心しろ、私には優秀な部下がいる。彼女に任せれば全員無傷で終わる。」
「結構余裕ありそ…」
僕はマーレアから一瞬目を離して船の方向へマナ探知を巡らせたが、その瞬間に拳が眼前に迫り、頬をかすりながらギリギリで回避する。
(危な…!さっきから一瞬視線を切ると詰められる。隙と見たら一瞬で殺しに来るあたりが最高戦力って感じだ。)
マーレアは自分の拳を見る。
(さっきからよく避ける、並の相手なら既に5回は頭を潰せているはずだ。その上、何故治せる?『天使の秘術』は聖女、または直接習った者にしか習得できない技術だ。中でも『ヒーリング』は高難度、何かタネがあるな、スキルか?)
僕はマナを右手に凝固して構える。
「君の部下は優秀かもしれないけど、僕の仲間だって優秀だ。僕相手に手こずってたらあっちが危ないよ?」
マーレアは漲るマナを一度落ち着かせた。
「そうだな、このまま街への被害を考えてコンパクトに殴り合うのでは埒が明かない。なら使うまで…!」
マーレアの全身から凄まじい勢いで眩い炎が燃え盛る。熱で周りの建物が溶け始める。
僕は汗をかく。
「暑苦しいスキルだね…。」
(調査済みだけど、目の当たりにすると恐ろしい。受け方を間違えれば一瞬で灰にされる…。)
「僕もスキル解禁しようかな。練習以外で使うのは初めてだけど、君には使ってあげるよ。」
僕が右脚で地面を強く踏むと、漆黒が右脚を中心に広がっていく。
「『闇…』」
「この戦場の皆様!こちらをご覧ください!あと少しでも私が手を動かせば、私の愛剣がこの少女の首を貫きますよ。」
スキルを発動しようとした瞬間、オーウェンの声が響く。オーウェンが額から血を流しながら細剣をルナリスの首に当てて塔の上に立っている。
向こうから聞こえてきた騒がしい戦いの音が静まり、僕ら2人も流石にスキルを解いた。マーレアが目を見開いている。
「ルナ!」
マーレアが飛び上がろうとするのを僕が蹴りで止める。
「話最後まで聞こうよ!」
(集中力を失った!キュロの調査では確かルナリスはマーレアの姪。ウィンクルもいい感じに外道になったなぁ。)
しみじみしていると、オーウェンが兵士たちの方向を向く。
「そこに隠れているのでしょう?大臣!教えてくださいよ、カロカレッジとの関わりを!」
ヴィズがオーウェンを狙っていた弓矢を握り潰す。
「邪魔をするな…。」
大臣は蒼白になっている。
(ルナリスを人質に、最高戦力マーレアの行動を封じる。予定とは違って直接対面にはなっちゃったけど、ある意味こっちの方が効果的か…。さあ大臣はどうする?)
ー動く状況、決断は大臣にー




