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第17話:乱れる交渉

 カロカレッジの目的が「玉」と呼ばれる体質を持つグロリア高校5年生、アクアだと判明。


 「UN」はとある目的を果たすために堂々と入港し、王国兵との交渉に臨む。

 僕は船の先端に立った。波で揺れて少しバランスが悪い。


「王国兵の皆々様!『UN』の総代であるこの僕エラーから、お聞きしたいことがあります!」


 そう煽ると、王国兵たちからざわめきが上がった。


「貴様ら…!学生たちを監禁して何が目的だ!」


 兵長らしき男が怒って兵士の集団から飛び出す。


 僕は制服を無理やり着せたカロカレッジの幹部(鎧の男)の首を掴んでぶら下げる。


「おっと、僕は交渉しに来たんですよ?話くらい聞いてもらっても良いじゃないですか。まあそちらがそのような態度なら、こっちはこの船を一撃で沈めるまでですが…。」


 僕がマナを籠めて右拳を振り上げる。船に叩きつけるフリをする瞬間、女の声が響いた。


「ならばエラー、まずは用件を聞こうじゃないか。」


 僕はその女を見る。聖女服を動きやすいように、そして偉い人しか付けられない勲章。それを見てキュロのくれた情報を思い出す。


「もしやあなたは、王国最高戦力にして教会総聖女長マーレアさんですか?!これは面白い人選だ。」


 マーレアのコートが風になびいている。


(すごい風格だ。マナを解放していないはずなのにこの威圧感、真正面から戦ったら危ないかな。)


「じゃあ聞いてもらいましょうか!僕らが王国に聞きたいのは…」


 全員が固唾を飲む。


「カロカレッジと王国政府の関係、そして裏で行われる奴隷取引について、教えていただきた…」


 僕が言い終わる前に、マーレアの右脚が僕の側頭部に迫る。左腕で受けるが、凄まじい衝撃で船から蹴落とされる。


「エラー!」「エラーさん!」


 2人の声が聞こえた。心配されてるな。


 僕は海に向かってマナを放出し、巨大な水飛沫を立てながら水を駆けて陸に上がった。周りの兵士たちや船の学生たちは驚いている。


「水上を走ったぞ!どういうことだ…。」


 陸に上がってまずは鼻血を拭う。


 僕はローブを、陸にまた降りて僕の前に向かい合ったマーレアはマントを脱ぎ捨ててお互い構える。


「暴力的だね。そんなに地雷踏んだかな?」


「何を聞かれようと、お前たちのような賊の疑問を解決する必要など無い。」


 ヴィズが船の上から飛び降りてくる。


「エラーさん!俺が足止めを…」


「いや大丈夫。言っただろ?こんな恐ろしいメイジの相手が務まるのは僕だけだよ。ヴィズは雑兵が入ってこないように睨んでてよ。」


 マーレアはマナを解放し、異常な量のマナが彼女の全身から立ち上る。


「部下への連絡は済んだか?」


「うん、帰りが暗くなると学生たちが危ないし、そろそろ始めようか。」


 僕とマーレアは全力の突きをぶつけ合い、その衝撃で周囲の物や地面がゴリゴリと削れていく。


 お互い衝撃が飽和して、吹き飛ぶ。


 マーレアが吹き飛んだ先の倉庫の壁から立ち上がると、土煙の中から飛び出したエラーの右脚の蹴りが側頭部に炸裂して蹴飛ばす。


 マーレアが蹴飛ばされた先で鼻血を拭う。僕はそんな彼女を見て言う。


「お返し!」


ー切って落ちる火蓋、最強対決開戦!ー

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