第16話:準備完了
エラー率いる「UN」の3人はあっという間に船内を制圧。
エラーたちは次の段階に乗り出す。
僕は半殺しにした幹部2人を甲板に座らせた。鎧の男は屈辱的な顔をしている。
「おい、貴様らは何を企んでる…。それ程の強さを持っていながら、なぜ隠れて動いている?」
僕は幹部の質問を無視する。
「名前なに?まだ聞いてない。サヨナラする前に教えてよ。」
彼は血管を額に浮かべながら
「サガスだ…。おい、私が『玉』の情報を話せば、お前らの目標を聞けるのか?」
オーウェン(ウィンクル)は不思議な顔になる。
「あら?もしかして私たちの活動に興味あるの?入れてあげないわよ?奴隷作って金稼ぐような奴等に。」
ヴィズがマストの頂上から飛び降りて来る。
「王都の港が見えてきた。そろそろ準備したほうが良さそうだ。」
彼はいつも通り、無愛想に僕に状況を報告してくれる。出会って3年間、どんどん感情を外に出さなくなった。まあ身内では愛想良いから良いんだけどね。外で楽しく話せないのはちょっと残念かもしれない。
「じゃあいい加減吐けよ、サガス。『玉』って何だ?何を探してる?」
サガスは目を伏せながら口を開く。
「『玉』。ドルス社長が奴隷で実験をしているんだが、その実験材料に最適とされる体質、マナ?を持っている人間のことだ。」
オーウェンは剣をハンカチで拭いている。
「その『玉』がこの学年にいたってこと?」
「その予定だったが、生憎、欠席か何かで居なかったみたいだ。情報収集を怠った…。」
僕は船が港に入りそうだったので、最後に質問する。
「その学生の名前は?」
「えっと、アクアさんかな。」
後ろからさっき助けた学生のルナリアが声をかけてくる。念のために腕は縛ってるけど、足はそのままだし、適当だ。
「私たち一応人質なのに、こんなに自由で良いの?マナも封印されてないし…。」
オーウェンは笑う。
「大丈夫よ、あなた達を本当の意味で人質にするつもりは無いわ。待っていればいいのよ。」
「僕らの狙いは他にあるから安心していいよ。殺しも傷付けもしない。」
僕はオーウェンに続いて立ち上がり、船先に向かう。
船先に立つと、船着き場には王国の兵士やメイジ(マナとスキルを扱う職)たちが集まっている。
「あらら、バレてるね。」
ヴィズに語りかけると、彼は制帽を深く被る。
「俺が間引きましょうか?1分あれば…」
「大丈夫。気配的に強いメイジが来てる。そいつを実力で黙らせた上で、僕らの要求を通す。キュロの思い描いたのとはちょっと違っちゃうけど、そういう作戦で行こう。レディ?」
オーウェンが横から出てきて、腰の剣に手をかける。
「じゃあ雑魚を掃けるのと、人質の奪還阻止は私たちでするわ!」
僕はカロカレッジの下っ端から奪ったローブを被り、仮面を再び付ける。
「じゃあ行こうか。今日、僕たち『UN』の活動は大進展を迎えるんだよ。」
ー真の作戦へ。いざ向かうー




