第14話:学徒監禁③
親友のパレーを医務室に連れて行くという名目で、一時的に監禁から離れたグロリア高校5年生のルナリス。
途中の廊下で、侵入していた殺し屋エラーに出会い、仲間を呼ぶためのチョークを託される。
私はルナリス。いきなり出会った白髮の男の人にチョークを渡されて、メモ通りの魔法陣を地べたに書いてほしいと頼まれた。
酔って気分を悪くした親友のパレーと医務室に入ると、医務室の先生が迎えた。元々見張りだった死体が壁にもたれかかっている。
「ルナリスさん、パレーさん!どうしてここまで…。もしかしてさっきの…」
「白髮の仮面の人ですか?!」
私は声を張り上げたパレーの口を塞いだ。
「大きい声だと助けてもらったのに、気づかれちゃうよ!」
私は先生に向き直って、声を潜めて聞く。
「ここにも、あの白髮の男が来たんですか?」
「窓を開けるように指示されて、見張りにバレないように開けたら彼が飛び込んできて、まばたき一度の間に見張りを殺して医務室を出ていったのよ。」
私は彼のことを思い出した。
(この部屋は静かにさえすれば安全になった。でも、指示通りにチョークを使っていいの?彼だって明らかに普通じゃない人。でも、このままじゃ状況は変わらない。)
私は事情を説明して、医務室のベッドや椅子を端にどけてスペースを作った。
「ええっと、人間が1人立って収まる大きさの円を書いたあと、中に収まるように五芒星を書く…。まるで悪魔の儀式ね。」
私が揺れる船の中で、少し歪みながらも2つ書ききると、皆が拘束されている客室の方が騒がしくなった。その後悲鳴が聞こえ、私は先生の制止を振り切って、走り出した。走っている途中でマナが回復したのを感じた。
客室のドアを勢いよく開けると、彼が相手の首領と見られる鎧の男の首を掴んで持ち上げていた。周りには見張りたちの死体が4つ転がっていた。彼は血まみれになった素顔をこちらに向ける。
「あ、さっきの。ねえお願いあるんだけど。魔法陣書けたら、この2つの瓶それぞれに置いてきてくれない?そうすればお仕事おしまいだから。」
私は投げられた2つの瓶を抱える。心配そうな顔をしているのがバレたのか、彼は笑う。
「大丈夫、最初に斬られたらしい先生以外は無事だよ。そっちをお願いするよ。他の見張りも僕らが抑える。」
私は走って戻り、2つの瓶を中心に置く。追いかけてきた見張りが医務室まで入ってきて、私の後ろで剣を振り上げる。
「貴様、何を…!」
「ルナ!」
パレーが私を庇って覆いかぶさるが、聞こえた音は肉を絶たれる音ではなく、金属音だけ。
後ろを見ると、黒い軍服のようなコートを着た褐色肌で金髪の大男が、見張りの剣を右腕で止めている。
右腕が銀色に変色していて、スキルを使っているのだろうか。そんな予想をしていると、もう1人、身長の高い青い髪の女が細剣で見張りの胴を両断する。
その女は私たち2人の頭を撫でる。
「お手伝い感謝するわ。あとは任せて。」
2人の男女は医務室を出ていった。呆然とした私たちが残される。
ー到着した殺徒2人は、事態の収束へー




