307の咲き誇る美しい花
1週間は長いようで短かった。
その間、俺たちは準備に追われた。楓さんが加入希望者を一旦止めてくれたおかげで、俺は百花繚乱のメンバーを固めることに集中できた。今回の参加は300人。それに俺たち百花繚乱の8人を加えた総勢308人だ。
「参加希望者はもっと居たんだけどね」
楓さんが苦笑いしながら説明してくれた。
「食糧の確保と寝る場所の問題があるから、クジで300人に絞らせてもらったわ」
「そんなに?」
「あなたの指揮を見たからね。みんな信頼しているのよ」
俺はその言葉の重みを噛みしめた。300人の命が俺の指揮にかかっている。
準備の合間に、俺は瀬里奈を自分の部屋に呼んだ。
「瀬里奈、5倍にしなくても今回300人が行くから30倍のステータスにはなるぞ」
俺がそう伝えると、瀬里奈は腕を組んで仁王立ちした。
「梨々香もやったんだから大丈夫よ。だ、抱かせてあげるから早くしなさいよ」
「いや、無理しなくても…」
「誰が無理してるのよ! 」
瀬里奈は強気に言い放ったが、俺が近寄るとビクッと肩を震わせた。
「怖いんじゃないか?」
俺が優しく聞くと瀬里奈は顔を赤くして俯いた。
「当たり前でしょ…初めてなんだから…」
でもその視線は俺の股間をガン見していた。
「そんなに見るなよ。恥ずかしいだろ」
「見てないわよっ!」
瀬里奈は顔を背けるがチラチラと股間を見ている。日向母さんに似て本当に素直じゃない。俺は瀬里奈を優しくベッドに座らせて、ゆっくりと服を脱がせた。抵抗はしなかった。ただ震えていた。
「綺麗だな」
「うるさい…早くしてよ…」
「焦らなくていい。時間をかけるから」
俺は瀬里奈の緊張をほぐすために前戯に時間をかけた。首筋にキスを落とし、肩から胸へと唇を這わせる。瀬里奈の息が荒くなっていく。
「んっ…あっ…」
「気持ちいいか?」
「…悪くないわ」
「素直じゃないな」
「だって…恥ずかしいんだもん…」
瀬里奈の目が潤んでいた。強がっているけど本当は怖いのだ。俺はゆっくりと彼女の中に指を滑らせた。瀬里奈の体がビクンと跳ねる。
「痛いか?」
「痛く…ない…」
「なら良かった」
十分にほぐしてから、俺はゆっくりと瀬里奈を貫いた。
「ああっ!」
瀬里奈の爪が俺の背中に食い込む。痛みは一瞬だった。すぐに瀬里奈の体から力が抜けて、甘い吐息が漏れ始めた。
「綾斗…綾斗…」
「ここにいるよ」
「もっと…もっと…綾斗、好き!」
「ああ」
俺たちは一つになった。終わった後布団で並んで寝ていると、瀬里奈が無言で俺に抱きついてきた。
「…ありがとう」
小さな声だった。顔は見えない。でもその温もりが全てを語っていた。無言のデレだ。日向母さんもこんな感じなんだろうか。
「おやすみ瀬里奈」
「…おやすみ」
これでメンバーは全員35.7倍になるはずだ。俺とのステータス差が凄いことになる。俺、大丈夫かな。でも父さんもやっていたんだ。俺も頑張らないとな。
翌日、クランハウスで梨々香と瀬里奈の歓迎パーティを開いた。
「おめでとう二人とも!」
萌香がクラッカーを鳴らす。
「これからよろしくね!」琴音がジュースを注ぐ。
「うん…ありがとう…」梨々香が照れくさそうに笑う。
「私が入ったからにはこのクランは日本一になるのよ」瀬里奈が胸を張る。
「大きく出たわね」皐月が呆れる。
「うるさいわね!」
和やかなパーティの最中、皐月が俺に相談した。
「綾斗、土地を探したの」
「土地?」
「今回かなりの報酬が入るから、大きなクランハウスを建てましょう」
「クランハウスを建てるのか?」
「ええ。人数も増えたし、大きな家もいいでしょ?」
「いいねそれ!」萌香が聞きつけて飛びついてきた。
「絶対にお風呂は大きくしてね!」琴音が続く。
「露天風呂も欲しいな」瑞葉が目を輝かせる。
「庭も欲しいわね」悠花が微笑む。
「みんなで住める家…」梨々香が夢見るような顔をする。
「私の部屋は南向きにしてよ」瀬里奈が当然のように言う。
「よし、帰ってきたら計画を立てよう」俺が言うと全員が歓声を上げた。
「「楽しみだねー!」」
俺たちは新しい家の話で盛り上がった。まだ見ぬ未来の話だ。でもその未来は必ず来ると信じている。
それから祝福の絆のクランハウスで、300人全員の裸を見た。全員を32倍に強化するためだ。百人を超えると一人一人に時間をかけられないが、俺はできるだけ真剣に一人一人を見つめた。彼女たちの覚悟に応えるために。
「綾斗君ありがとう」
「これで私たちも戦えるわ」
「優斗様を迎えに行くのよ」
300人の女性たちが次々と服を脱ぎ、俺の前を通り過ぎていく。その光景は圧巻だった。でも俺は目を逸らさなかった。これが俺の仕事だ。全員を強くして生きて帰す。
弁当や固形の栄養食をアイテムボックスに入れていく作業も続けた。300人分の1ヶ月の食料。気が遠くなる量だ。でも俺のアイテムボックスはまだまだ容量がある。
「まだ入る?」
「入るよ」
「すごいわね…」
楓さんが感心している。俺は黙々と作業を続けた。
そして1週間が過ぎた。俺たちは再び若洲ダンジョンの入り口に立っている。308人の大軍団だ。
「よし行くぞ!」
俺の掛け声と共に308人がダンジョンに入っていく。前回と同じ洞窟。でも今回は人数が3倍だ。負ける気がしない。
「《百花繚乱》!」
308人全員に手をかざす。金色の光が洞窟を埋め尽くす。307人のステータスが跳ね上がる。
「すごい…力が溢れてくる…」
「これが32.7倍…」
「体が軽い! まるで羽毛みたいだ!」
全員が自分の体を確かめている。俺は前を見据えた。
「進むぞ。前回の大広間を目指す。でも今回は数で負けない。俺の指示で全員が動けば必ず勝てる」
「「おお!」」
307人の声が洞窟に響き渡った。前回は107人だった。今回は308人。3倍以上の戦力だ。父さんたちが待つ扉まで必ずたどり着く。
「行くぞ!」
俺は先頭に立って歩き出した。萌香が左に琴音が右に、瑞葉が前に悠花と瀬里奈が後方に、皐月と梨々香が俺のすぐ後ろにいる。
308人が一丸となって進む。もう迷わない。父さんたちを迎えに行く。そのためだけに俺たちはここにいる。
「父さん、母さん。今度こそ迎えに行くからな」
俺は心の中でそう呟いて、洞窟の奥へと歩を進めた。
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