若いリビドー
十五歳の若いリビドーは、美少女五人相手に無双していた。
その日の内に五人全員と済ませた俺は、自分の体力に驚きつつも布団に倒れ込んだ。
「綾斗すごいわね…本当に初めてだったの?」」
皐月が隣で髪を整えながら呆れたように言う。
「さすが優斗様の息子だわ…」琴音が床にへたり込んでいる。
「次は私が先にイカせると思ってたのに…」瑞葉が少し残念そうだ。
「綾斗意外とタフだね…」萌香が目を丸くする。
「正直自分でも驚いてる…」
全員のステータスを確認すると、なんと全員が5.5倍になっていた。
「5.5倍…0.5多いわね」萌香が首を傾げる。「この0.5はなんなの?」
「人数が増えた分上昇率が上がるんだ」俺が説明する。「俺のスキルはかけている人数が多いほど倍率が上がる。5人になったから0.5アップしたんだと思う」
皐月が素早く計算し始めた。
「ちょっと待って…1人増えるごとに0.1アップ…もし綾斗が100人とセックスして連れていったらステータス15倍になった100人のパーティが出来るってことじゃない!」
皐月の声がだんだん大きくなる。
「それってすごいの?」琴音が聞く。
「すごいなんてもんじゃないわよ!」皐月が興奮して叫ぶ。「多分今出現したSS級ダンジョンだって余裕で攻略できるわよ!」
「15倍…」悠花が目を見開く。「それって優斗様たちを超えるってこと?」
「理論上はね。でもさすがに100人は戦闘指揮も取れないし現実的じゃないだろう」俺が冷静に言う。「10人で6倍かそのあたりが妥当な所じゃないか」
「6倍でも十分凄いわよ」瑞葉が頷く。
「今は5.5倍で六人。まずはこれでどこまでいけるか試してみないと」皐月が冷静さを取り戻す。
「明日はC級ダンジョンでレベル上げをしよう」俺が提案すると全員が同意した。
その夜は狭いアパートに六人雑魚寝で、足と足が絡み合うような状態だった。でも不思議と嫌じゃなかった。むしろ温かくて安心する夜だった。
翌朝、六人はC級ダンジョン『氷結洞窟』の前に立った。
「全員準備いいか?」
「「おー!」」
「よし。《百花繚乱》」
5人に手をかざすと金色の光が包み込む。5.5倍に強化された5人の体から溢れる力は今までとは比べ物にならない。
「ここからは綾斗と私たちのステータスの差を気にしながら行きましょう」皐月が言った。
萌香が頷く。「綾斗ママたちが言っていたことだね」
「ママたち?」琴音が首を傾げる。
皐月が琴音たちに説明を始めた。
「綾斗のスキルは私たち女性しか強化できないの。つまり強化されてるのは私たちだけで綾斗自身は普通のステータスなのよ」
「そうなの?」瑞葉が驚く。
「だからダンジョンの中での移動速度もペースも綾斗に合わせないといけないの。私たちにとっては楽なスピードでも綾斗にとってはずっとマラソンしてる状態になるから」
悠花がハッとして俺を見た。
「それじゃあ綾斗、すごく大変じゃない?」
「大丈夫だよまだ無理はしてないから」俺が笑う。
皐月が俺に向き直った。「キツくなったらすぐに言うんだよ」
「わかったよお母さん」
「誰がお母さんよ!」皐月が吹き出す。
全員が笑いながらダンジョンに入った。
氷結洞窟は名前の通り氷に覆われた洞窟だ。足元が滑りやすく慎重に進む必要がある。
「きゃっ!」悠花が滑って転びそうになる。
「大丈夫か悠花」俺が手を支える。
「うん大丈夫…ありがとう綾斗」悠花が顔を赤くする。昨日の夜のことが蘇っているのだろうか。
最初のモンスターは氷のゴーレムだった。物理攻撃が通りにくい厄介な敵だ。
「私がやる!」琴音が薙刀を構える。「強化されてるからいけるはず!」
琴音の薙刀が閃く。5.5倍に強化された一撃は氷の装甲を砕きゴーレムを両断した。
「やった!」
「次来るぞ! 三体だ!」
氷の狼が三体同時に飛び出してくる。
「瑞葉が前に! 萌香と琴音が左右! 悠花は魔法で牽制!」
「了解!」三人が同時に動く。
瑞葉が正面から一匹受け止め、萌香と琴音が左右から挟み撃ちにする。悠花のファイアボールが氷の狼の弱点を正確に焼き尽くした。
「すごい…連携が上手くなってる」皐月が感心する。
「皐月も出番あるよ。瑞葉にヒールお願い!」
「任せて!」
皐月の回復魔法が瑞葉の傷を瞬時に癒す。六人の連携は完璧だった。
C級モンスターも六人にかかれば余裕で倒せた。進むにつれてレベルも上がり全員がLV8になる。
「LV8か…」琴音がカードを確認する。「結構上がったね」
「でもまだまだだ。神級ダンジョンを攻略するにはもっと必要だ」俺が言うと全員が頷く。
「明日はボス討伐の踏破依頼を受けてみよう」俺が提案する。
「ボス楽しみだね!」萌香が張り切る。
「で、その次はB級だ。B級からはダンジョンの中での宿泊もある」俺が言うと全員の表情が変わる。
「宿泊…」悠花が少し緊張した顔をする。
「大丈夫。父さんからキャンピングカーを貰ったから。アイテムボックスに入ってる」
「キャンピングカー!?」琴音が目を輝かせる。
「シャワーもトイレもついてるぞ。父さんが使ってた自慢の城だ」
「ダンジョンの中でキャンピングカーって…やっぱりチートね」皐月が呆れる。
「でもそれだけじゃない。アイテムボックスに料理やキャンプ道具も準備しないとな」俺が言うと萌香が手を挙げた。
「私料理できるよ!」
「私も少しは…」悠花も控えめに手を挙げる。
「私は…炊き込みご飯なら」瑞葉がポツリと言う。
「私はチンして温められるわ」琴音が堂々と宣言する。
「それは料理じゃないわよ」皐月がツッコミを入れる。
「じゃあ明日はボス討伐して、その後B級の準備をしよう」俺がまとめる。
「「了解!」」
五人の声が重なる。クラン百花繚乱は着実に前に進んでいた。
ダンジョンの外に出ると夕暮れの空が広がっていた。俺は父さんと母さんたちが今SS級ダンジョンで戦っていることを思い出す。
「父さんたち無事かな…」
「大丈夫だよ」萌香が俺の背中を叩く。「あんなに強い人たちが負けるわけないよ」
「そうだね。信じよう」
俺たちは夕暮れの中をアパートへと歩き出した。明日はボス戦だ。そしてその次はB級。一歩ずつでも確実に近づいている。父さんたちに追いつくその日まで。




