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ダンジョンがある世界で女性のステータスを大幅に上げるバフスキルを獲得したら、ハーレムみたいなクランが出来上がって最強のクランになりました  作者: ミコジ
綾斗、探索者デビュー

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始まりの絆

「今日はガツンと稼いでやるわよ! レベル上げレベル上げ!」


萌香が朝から剣を振り回している。初心者ダンジョン『霊樹の迷宮』の入り口前だというのにこのテンションだ。


「萌香落ち着いて。まだE級なんだから」

「分かってるって! でもさあ、レベル1から2になるだけでもステータス結構変わるのよ? 期待しちゃわない?」


皐月が呆れたようにため息をつく。


「期待するのはいいけど無茶はしないことね。死んだら元も子もないわ」

「はいはいお母さん」

「誰がお母さんよ」


三人でダンジョンに入る。今日で2日目。前回と同じルートだが敵の配置は微妙に変わっている。スライムやゴブリンの群れを相手にしながら奥へと進んでいった。


「ねえ綾斗、《百花繚乱》かけてくれる? やっぱり強化されてた方が安心だし」

「うん。行くよ。《百花繚乱》」


二人に手をかざすと金色の光が包み込む。萌香が嬉しそうに拳を握った。


「んーっやっぱいい! 力が湧いてくる!」

「確かに…感覚が鋭くなる気がする」

皐月も冷静に効果を分析している。


順調に進んでいた時だった。


「きゃっ!」


萌香が突然悲鳴を上げた。見ると木の枝に服の裾が引っかかっている。


「何これ離れない!」


萌香が無理に引っ張るとビリッという音が響いた。


「あっ」


服が破れ中身が露わになる。胸元の布地が完全に裂けてぽろりと白い肌がこぼれ出た。


「きゃあああ!?」


萌香が慌てて胸を隠す。だが一瞬遅かった。俺は確かに見てしまった。


その瞬間だった。


萌香の身体から今までとは明らかに違う強い光が溢れ出した。


「なっ…これ何!?」


萌香自身も驚いている。光が収まった後俺たちは萌香の探索者カードのステータスを確認した。


「萌香…ステータスが跳ね上がってる。1.5倍から2倍になってる」


俺は呆然と呟いた。


「2倍? 嘘でしょ?」


萌香が自分の身体を見下ろす。さっきまでの倍近い力が漲っているのが感覚としてわかるらしい。


「これって…綾斗が見たから?」

皐月が冷静な声で言った。

「あたしのおっぱい見て興奮したからスキルの効果が上がったってこと?」


俺は顔を真っ赤にして首を横に振った。


「違う! そんな意図はなくて! ただ偶然見えちゃっただけで!」

「嘘つき。顔赤いわよ」


皐月が冷ややかな目で見つめる。


「でも面白いわね。あんたのスキルってこんなことで効果が変わるのね」


俺は観念して説明した。


「父さんのスキル『祝福の絆』もそうだったんだ。女の子と仲良くなればなるほどステータスの上昇率が上がる。どうやら俺の『百花繚乱』も同じ仕組みらしい」


萌香はまだ胸を隠したまま顔を赤くしていた。


「じゃあ…あたしが綾斗と仲良くなればなるほど強くなれるってこと?」

「そういうことになるかな…」


俺はアイテムボックスから予備の服を取り出した。


「これ着て。予備持ってきててよかった」

「ありがとう…助かった」


萌香が物陰で着替えている間、綾斗が言った。


「もう一つ、スキルをかけてる人数が増えれば増えるほど上昇率が上がっていくんだ」


皐月はため息をついた。


「あんた、ハーレムを作るためにあるようなスキルね。どこのエロゲーよ」


その言葉に俺は思わず吹き出した。


「あはは! 父さんも言われてたよ。どこのエロゲーだよって」


萌香が着替え終わって戻ってきた。


「何笑ってるの?」

「いや何でもない」

「教えてよー」

「後で話すよ」


俺たちは再び歩き出した。戦闘は順調だった。萌香のステータスが上がったおかげで敵を倒すスピードが格段に速くなっている。


「すごい萌香! 動きが全然違う!」

「でしょ? この剣軽い軽い!」


ゴブリンの群れも瞬殺だ。皐月の出番はまだない。


「ねえ皐月ちゃんも試してみたら?」

萌香が突然言った。

「何を?」

「綾斗に見られるやつ」


皐月の顔が一瞬で真っ赤になった。


「ばっ馬鹿言わないで!」

「えーだって強くなれるんでしょ?」

「強くなりたいけどそんな方法で!」

「恥ずかしがり屋ねー」


二人が言い合っている間にボス部屋に到着した。


「よしボス戦だ。気合入れて行こう」


コボルトリーダーとの戦闘もあっけなく終わった。萌香の剣が一度閃いただけで倒れたのだ。


「終わった…」

「強すぎないこれ?」

萌香が呆然としている。


その日の探索を終えて三人はダンジョンの外に出た。夕暮れの光が柔らかく差し込んでいる。


「今日の探索で全員レベル2になったな」

「うん。順調ね」皐月が頷く。


俺は二人に向き直った。


「クランどうする? 父さんの『祝福の絆』に入るのもいいし俺たちで新しいクランを作ってもいい」


皐月は即答した。


「新しく作りましょう」

「えっ即決?」萌香が驚く。

「だってそうでしょう? 大所帯の所に入っても窮屈そうだし何よりあんたの父親はS級探索者よ。その息子ってだけで腫れ物扱いされるのは嫌じゃない?」


確かにその通りだった。


「俺もそう思ってた。父さんたちがいるとやりにくいしね」

「でしょ? 自分の力で這い上がりたいなら独立するのが一番」


萌香も納得したように頷いた。


「そうだね。私も祝福の絆の人たちみたいに強くなりたいけど同じ場所にいたら比較されちゃうしね」

「三人で一から始めよう」


俺は手を差し出した。二人の手が重なる。


「名前はどうする?」萌香が聞く。

「名前か…」


俺は少し考えた。父さんのクランは『祝福の絆』だった。絆を大事にする名前だった。


「まだ決められないな。三人でもっと話し合おう」

「そうね。焦ることはないわ」


皐月が静かに言った。


「それよりまずは拠点ね。クランハウスがないと落ち着かないし装備の管理も大変だし」

「お金かかるね」萌香が眉を寄せる。

「早く稼いでクランハウスを買うのが目標ね」

皐月の目が真剣だった。


俺は頷いた。


「そうだな。目標を持って頑張ろう」


三人は夕焼けの中を歩き出した。


俺たちの物語はまだ始まったばかりだ。でもこの小さな一歩がいつか大きなものになると信じている。


父さんと母さんたちが歩いた道を俺たちは違う形で進んでいく。でも根本は同じだ。


仲間を信じて自分を信じて前に進む。


それが探索者の生き方だと教えてくれたのは他ならぬ父さんだから。


新しいクランの名前はまだない。


でもこの絆にはもう名前がある気がする。


始まりの絆。


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