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ダンジョンがある世界で女性のステータスを大幅に上げるバフスキルを獲得したら、ハーレムみたいなクランが出来上がって最強のクランになりました  作者: ミコジ
異世界の上級ダンジョン

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グリフォン戦

「カグヤ、グリフォンと戦ったことはあるか?」

キャンピングカーの中で地図を広げながら、優斗は尋ねた。

カグヤは首を横に振る。

「ないわ。空中を飛ぶ敵は厄介だから、ダンジョンで見かけたら避けて通ってた」

「そうか」優斗は顎に手を当て、みんなに向き直った。「みんな、グリフォンのイメージはどうだ?」


「ワシの頭で飛ぶことができる…空中からの攻撃がメインになるわね」日向が即答する。

「ライオンの体で鋭い爪がある。近づかれても油断できないわ」美月が刀の手入れをしながら補足した。

「風の魔法を使いそうだし…何より知能が高そうなイメージがあるわ」静香が不安げに呟く。魔獣の中でもグリフォンは高位に位置する。ただの獣ではないという直感があった。


「飛ばれたら厄介だな…」優斗は眉を寄せた。「地上なら静香と千尋の盾で止めて、いつも通り前衛で削れる。だが、飛ばれたら日向と雪乃の魔法、そして翠の弓が頼りになる」

「私と雪乃の魔法で落とすわよ!」日向が拳を握る。

「私も全力で狙います!」翠も覚悟を決めた表情で頷いた。

「基本はそれでいこう。明日に備えて、今日はゆっくり休むぞ」

優斗の言葉に、全員が頷き、それぞれの布団に入った。緊張感はあるものの、これまでの連携に自信もあった。


翌朝、キャンピングカーには温かい朝食の香りが充満していた。

皆で食卓を囲み、無言で食事を口に運ぶ。スープの温かさが胃に染み渡り、決戦に向けて気合が入っていくのを感じた。


「行くぞ!」

重々しい黒鉄の扉を開けると、腐敗臭のような強烈な瘴気が吹き出してきた。

最奥の広間には、沙織の言った通り、二体の黒いグリフォンが鎮座していた。闇色の毛並みに、血のように赤い瞳。まさに災厄の化身のような姿だ。


「来たわ!」カグヤが双剣を抜き放ち、地を蹴る。

静香と千尋が盾を構えて前進し、凛、巴、美月が続く。

初めは接近戦に付き合っていたグリフォンだった。鋭い爪が盾を弾き、嘴が唸りを上げて襲いかかる。その衝撃は重く、静香と千尋の腕が痺れるほどだったが、二人は必死に耐え抜き、前衛が確実に傷を負わせていく。

「このまま行ける!」そう思った瞬間だった。


二体のグリフォンは顔を見合わせたかのように同時に翼を広げ、強烈なダウンバーストで床石を砕きながら空へと舞い上がった。

「しまった! 空へ!」優斗が叫ぶ。


上空から黒い影が急降下してくる。嘴からは灼熱の火球が吐き出され、巨大な翼が振るわれるたびに鋭い空気の刃が飛んでくる。

「日向! 雪乃! 翠!」

優斗の指示で即座に攻撃が放たれる。

「エクスプロージョン!」

「絶対零度!」

「これでどうだ!」

爆炎と氷槍、そして翠の矢が空の王を襲う。しかし、グリフォンは空中で身を捻り、翼から発生させた風の壁で全ての攻撃を逸らした。魔法も矢も、空を切る音だけを残して虚しく消え去る。


「当たらない!?」日向が信じられないといった表情で叫ぶ。

グリフォンの知能は高かった。彼らは瞬時に戦況を見抜き、「指揮官」が誰であるかを見抜いていたのだ。最も危険なカグヤではなく、全体を統率する優斗へと標的を定めた。


二体の黒い影が同時に優斗へと殺到する。

「優斗さん!」

藍が咄嗟に優斗の前に立ちふさがり、必死に防御魔法を展開する。青白い障壁が火球と風の刃を受け止めるが、二体同時の猛攻は凄まじかった。

ドォォン! ギギギッ!

障壁に亀裂が入るたびに藍は血を吐きそうになりながら踏ん張るが、圧倒的な質量と魔力に押され、彼女と優斗は前衛の守りから段々と引き剥がされていく。


「くそっ! 下がれ藍! 優斗!」カグヤが叫び戻ろうとするが、火球と風の刃が壁となり近づけない。


藍の限界が来た。

障壁が砕け散った瞬間、風の刃の一つが藍の肩をかすめ、その背後にいる優斗の脇腹を深々と切り裂いた。


「ぐわぁぁぁぁっ!!」

優斗の絶叫が広間に響き渡った。

鮮血が床に滴り落ちる。

「優斗!!」

「優斗さん!!」

仲間たちの悲鳴にも似た叫び声が重なる。


グリフォンたちの口元が歪んだように見えた。次の致命的な一撃を放とうと、再び高度を取る。

その鳴き声は、明らかに彼らを嘲笑っていた。


前衛と後衛が分断され、逃げることも守ることもできない絶体絶命の状況だった。

「優斗さん!」美鈴が悲鳴のような声を上げ、必死に回復魔法を優斗に注ぎ込む。傷口は塞がっていくが、グリフォンは容赦なく追撃を仕掛けてくる。

「日向!雪乃!灯もだ! ライトニングで奴らを落とせ!」

愛する人を傷つけられた怒りに、三人の魔法使いは我を忘れて魔法を放っていた。だが、感情に任せた攻撃は的確さを欠き、風の魔法に容易く弾かれる。


「みんな落ち着いて対処しよう! 大丈夫だ!」

血を吐き出しながらも優斗が指揮を叫ぶ。その声は仲間たちを鼓舞したが、同時にグリフォンへの「ここが急所だ」という合図になってしまった。

再び黒い嵐が優斗に殺到する。

「ぐああっ!」

脇腹に深い爪痕が刻まれ、鮮血が迸る。


「優斗!!」

「優斗さん!!!」

日向と灯の目から理性が吹き飛んだ。怒りが頂点に達し、膨れ上がった魔力が暴走寸前で渦巻く。

二人は顔を見合わせ、強く頷いた。次の瞬間、彼女たちは躊躇なく服を脱ぎ捨てた。


「優斗!」「優斗さん!こっちを見て!!」

全裸で立つ二人の少女の叫び声に、優斗は目を見開いた。

「な、なにをして——!?」

驚愕して二人を見た瞬間、日向と灯の身体から凄まじい魔力が噴き出した。


「行くよ灯ちゃん!」

「うん、日向ちゃん!」

二人は手を握り合い、空の王たちを睨みつけた。


「紅蓮の深淵より生まれし灼熱よ!我が魔力を百の焔へと分かち、敵を焼き尽くせ!百炎、一斉解放!」

「暁を照らす始まりの光よ!闇を裂き、希望を紡ぎ、無限の輝きを我が手に!百光弾、一斉解放!」

「「私たちのダーリンを傷つけるなーーーー!!」」


裸の少女二人が手を繋ぎ、天に向かって絶叫する。

日向の背後に百個の紅蓮の火球が展開し、灯の背後に百個の眩い光球が出現した。合計二百発の極限の魔力弾が、一斉に空のグリフォンへと殺到する!


グリフォンは慌てて翼を翻し飛んでかわそうとするが、火球と光球は誘導弾のように目標を追跡する。逃げ場などなかった。

「いけぇーーーー!」

二人の叫びと共に、爆炎と閃光がグリフォン二体を直撃した。

ギャァァァァ! という悲鳴が響き、黒い巨体が地面へと墜落してくる。


「みんなお願いっ!」

日向の叫びに呼応し、前衛たちが一斉に動いた。

「もらったぁ!」カグヤの双剣が首を刎ねる。

「終わりだよ!」巴のハルバードが翼を断ち割る。

静香と千尋が動けないように押さえ込み、凛と美月が急所に刀を突き立てた。


数秒後、グリフォンはピクリとも動かなくなり、黒い灰となって崩れ去った。

沈黙が広間を包む。

「優斗!」

みんなが血相を変えて優斗の元へ駆け寄る。美鈴が泣きそうな顔で回復魔法をかけ直す。


しかし、優斗は苦痛に顔を歪めながらも、それとは違う理由で顔を真っ赤にしていた。彼は視線を床に固定し、泳がせている。

「ち、違うんだ…」

「え? 優斗さん、どこかまだ痛むんですか?」灯が心配して覗き込む。

「そ、そうじゃなくて…灯と日向が…丸見えだから…」

その言葉に、日向は「ひゃあああっ!?」と悲鳴を上げ、慌てて落ちている自分の服を掴み、身を隠した。灯も真っ赤になって蹲る。


その騒々しい光景を見て、カグヤや静香たちは呆気にとられ、やがてプッと吹き出した。

「ははっ…妻は強いな」

優斗は苦笑しながらも、心から安堵していた。


戦闘終了後、優斗はキャンピングカーを出し、傷の治療と念のための休息を取った。

傷は美鈴の魔法と薬ですっかり癒えた。

その後、14人はまた3日かけてダンジョンの外へと引き返した。


外の世界へ出た瞬間、眩しい太陽の光が彼らを包み込んだ。

「終わった…本当に終わったんだわ」沙織が涙ぐむ。

「攻略完了だ!」

優斗が高らかに宣言すると、「おおおぉぉぉ!」と14人の歓声が秩父の山々に響き渡った。

固く抱き合い、泣き笑いする仲間たち。秩父ダンジョン攻略という偉業は、こうして彼らの絆によって成し遂げられたのだった。

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