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ダンジョンがある世界で女性のステータスを大幅に上げるバフスキルを獲得したら、ハーレムみたいなクランが出来上がって最強のクランになりました  作者: ミコジ
S級ダンジョン

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レベル1

すぐに優斗は協会長に折り返しの電話を入れた。

「協会長! その水晶を、すぐに取り寄せてください! 人類の命運がかかっているんです!」

ただならぬ優斗の気迫に押され、協会長は翌朝までに取り寄せておくと約束した。


電話を終えた優斗は、カグヤにA級ダンジョンのボス戦の録画映像を見せることにした。これから協力するにあたり、こちらの世界の現状を知ってもらう必要があると思ったからだ。

モニターの中で、かつて人だったボスと綾乃たちが激闘を繰り広げる。

カグヤは真剣な表情で映像を見つめ、ボスが映った瞬間に声を上げた。

「あっ、これレヴナントだ」

「レヴナント?」

「うん。死んでもなお動き続ける亡者のこと。駆け出し冒険者がこいつを倒せるようになったら、中級を名乗っていいぐらいの強さだよ」


映像の中では、綾乃たち7倍強化チームが必死に戦い、傷ついていた。

「でも…こいつを倒せたってことは、あなたたち強いんだね。え、ちょっと待って! レベル解放してないのに、レヴナントを倒せる人間がいるの!?」

カグヤが目を丸くして驚く。

優斗は少し迷ったが、真実を全て話すのは時期尚早と判断した。

「彼女たちは…特別なんだ」

そう言って濁しておくことにした。《祝福の絆》の詳細は、まだカグヤに完全な信頼を置いていない以上、伏せておくべき情報だった。


優斗は、カグヤの世界のダンジョンについて説明を求めた。

「私の世界ではね、ダンジョンは勝手に出現するものなの」

話を聞くと、カグヤの世界のダンジョンは、生まれた時から存在する地形の一部のようなものらしい。放置すると魔力が溜まり過ぎて、モンスターがあふれ出て大惨事になる。だから冒険者ギルドが厳しく管理し、計画的に攻略しているのだという。

「ボスを何回か連続で倒すとダンジョンは消滅するの。でも、ダンジョンから採れる資源で世界が回っているから、よっぽどの脅威じゃない限り消滅させないようにしてるんだって」

「じゃあ、許可なくダンジョンに入るのは御法度なのか?」

「うん。冒険者ギルドから正式な依頼を受けたダンジョンしか攻略しちゃダメなの」

カグヤはそこで言葉を切り、「私がダンジョンについて知ってるのはこれくらいかな」と話を終えた。


翌朝になった。空は高く澄み渡り、運命の日を予感させるような天気だった。

優斗たちは探索者協会に赴き、ついに研究施設から届けられた水晶の前に立った。透明な結晶の中に、淡い光が揺らめいている。

「まずは俺がやってみる」

優斗が一歩前に出る。緊張した面持ちで手を水晶にかざし、心を込めて願った。

「建御雷神様…どうか、レベルを解放してください…」


しかし、何も起きなかった。水晶は沈黙を保ったままだ。

「やっぱりダメか…」美月が落胆の声を漏らす。

優斗も諦めかけたその時、カグヤがハッとして言った。

「待って。私、祠の前でお願いしたんだ。もしかしたら、ダンジョンの入り口じゃないとダメなんじゃないかな?」


その言葉に全員が顔を見合わせた。「それだ!」という歓声が上がる。

優斗たちはすぐに水晶を持ち出し、かつて初期に出現したダンジョンの入り口へと急行した。そこには古びた祠が静かに佇んでいた。水晶を元の場所である祠の内部へと丁寧に据えて。


「今度こそ…」

優斗は再び手を伸ばし、水晶の滑らかな表面に指先を触れた。

「建御雷神様、どうか私に、レベルを解放してください!」

次の瞬間、優斗の体が内側から溢れ出す純白の光に包まれた。暖かくも力強い光が、彼の存在そのものを根本から書き換えていく感覚。

光が収まった時、その場にいた全員が息を呑んだ。

優斗の存在感が、明らかに“上がっていた”のだ。身体能力が上がると同時に、内面から溢れ出る生命力が雰囲気を変えたのだろう。

「ステータスを測ってみよう!」

急いで測定器を使うと、ステータスボードの一番上に見慣れない文字が浮かび上がっていた。

【Lv.1】

「レベルだ…!」

数値も、前と比べて約1.5倍に跳ね上がっている。


「よし! 次はみんなも!」

綾乃が力強く呼びかける。

「私もやるわ」

綾乃を筆頭に、灯、日向、静香、凛、藍、沙織、翠、美鈴、巴、美月、雪乃が次々と水晶に手を触れ、建御雷神に願う。

祠の中は幾度もの眩い光に包まれ、12人全員の体が輝いた。

「すごい…私もLv.1になってる!」灯が歓喜の声をあげる。

「これがレベル…! 力が漲ってくるわ!」凛が自分の両手を握りしめる。


しかし、巴がポツリと零した。

「でもよ、俺たちめちゃくちゃモンスター倒してきたよな? この前のS級ダンジョンでだって、アリの大群とかさ」

「あっ…」美月が絶望の表情で口を押さえる。「過去の討伐は、カウントされない…ってことか?」

全員が頭を抱えた。これからレベル1から地道に上げていかなければならないのかと思うと、果てしない道のりに思えた。


優斗が小さく笑う。

「まぁでも、0から1になったんだ。これからいくらでも強くなれる。可能性が開けたってことだよ、時代が変わろうとしているんだ」

綾乃も優しく微笑む。

「そうね。今は過渡期。あなたたちはその先駆者になるのよ」


優斗はすぐに協会長に連絡を取り、カグヤから聞いた異世界のダンジョン知識を全て共有した。


「つまり、ダンジョンはボスを連続で倒せば消滅する。そして、資源のために残すダンジョンを冒険者ギルドのように管理し、人工密集地の近くに出現したダンジョンは脅威になる前にすぐに消す…そういうことですね」

電話の向こうで協会長が大きく頷く気配がした。


「凄まじい情報だ。これなら人々を避難させる必要もなく、計画的にダンジョンを運用できる。だが、これからは今までより難易度の高いダンジョンが現れるはずだ。カグヤ君の言う中級や上級に当たるものがな」

「はい。だからこそ、探索者のレベル解放を急いでください。でないと、俺たち以外は太刀打ちできません」

「わかった。直ちに全国の初期ダンジョンの入り口を一般開放し、レベル解放の儀式を推進する。君たちの情報が人類を救うだろう」


通話を終えた優斗は、すぐに「祝福の絆」のクランメンバー全員を初期ダンジョンの入り口へと呼び寄せた。

次々と集まったメンバーたちに、レベル解放の方法とその効果を説明する。

「嘘でしょ、そんな…」

「私たちももっと強くなれるの?」

驚きと期待に目を輝かせる仲間たちに、優斗はうなずいた。

「さあ、皆も建御雷神様に願って」

一人また一人と水晶に触れ、光に包まれていく。

全員のレベル解放が終わった頃には、その場は熱気に包まれていた。


「ねえ優斗、早くダンジョン行こうよ!」

「私、レベル上げてみたいわ!」

「巴さんと競争したいです!」

すでにレベルを上げてみたくてウズウズしているメンバーたちの様子に、優斗は思わず笑った。

「ははは、落ち着けって。でも、確かに実戦あるのみだな。よし、行くか!」

「おおーっ!」

全員の活気ある歓声が響き渡る。


その日、「祝福の絆」の全員で、近隣の下級ダンジョンを次々と攻略していった。

優斗を中心に《祝福の絆》を発動させ、倍率を掛けた圧倒的戦力で蹂躙する。

ダンジョンに入り、モンスターを狩り、ボスを倒し、即座に次のダンジョンへ移動する。

かつては脅威だった下級ダンジョンが、次々と消滅していった。


「レベル上がった! Lv.2になったよ!」

「私も!」

「ステータス伸びてる!」

次々と上がっていくレベルと、目に見えて強くなっていく自分たちの力に、メンバーたちは子供のようにはしゃいで喜んでいた。


しかし、その様子を見ながら優斗は声を荒げた。

「おい、みんな! レベルが上がったからって、絶対に無理はするなよ!」

その声に、ハシャいでいたメンバーたちがピタリと足を止める。


「無理はダメだ。レベルが上がって調子に乗って深層に潛ったり、変な敵に挑んだりすれば、死ぬ時は一瞬だ。レベル上げたいからって命を張りすぎるな。俺がいない場所で無茶したら、怒るからな」

優斗の真剣な眼差しに、みんなはハッとして、それから嬉しそうに微笑んだ。

「はい、マスター」

「わかってるわよ」

「優斗さんと一緒にいきたいですからね」

仲間の声に安心した優斗は、再び前を向いた。

「さあ、次はあそこのダンジョンだ。一気に片付けるぞ!」

「おーうっ!」

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