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ダンジョンがある世界で女性のステータスを大幅に上げるバフスキルを獲得したら、ハーレムみたいなクランが出来上がって最強のクランになりました  作者: ミコジ
クラン祝福の絆

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A級ダンジョン探索1日目

A級ダンジョン『神亡き絶界』の入り口は、巨大な顎のように口を開けていた。そこから溢れ出すのは、腐敗したような濃密な瘴気だ。空は铅色に曇り、冷たい風が肌を刺す。

優斗の顔の横に取り付けられたカメラが過酷な環境を録画していく。


「いよいよね」

綾乃が刀の柄に手をかけ、静かに言った。


「みんな、準備はいいか?」

優斗が仲間を見渡す。灯、日向、綾乃、静香、凛、藍、翠、沙織、美鈴。全員が力強く頷く。彼女たちの瞳には、《祝福の絆》による7倍もの強化を得た自信と覚悟が宿っていた。


「《祝福の絆》!」

優斗がスキルを発動すると、黄金の光が9人を包み込む。全員のステータスが跳ね上がり、体内から力が湧き上がってくるのがわかる。


「行くぞ!」

優斗の号令とともに、10人は闇の中へと足を踏み入れた。


ダンジョンの内部は、予想以上に過酷だった。

最初のエリアは「腐敗の湿地帯」。足元はヘドロで、一歩踏み出すごとに靴が沈み込む。空気中には微細な毒の粒子が漂っており、普通なら数分で肺を焼かれて即死だろう。


「ガスマスクあってよかったわ」日向が顔を覆う防護マスク越しに言う。

「《ポイズン・ディスペル》!」美鈴が浄化魔法を唱え、周囲の毒素を中和していく。


不意に、ヘドロが沸き立った。

現れたのは物理無効のスライム「アビス・イーター」。剣も矢もすり抜けてしまう厄介なモンスターだ。

「私に任せて!」

凛が前に出る。彼女の剣は魔力を纏った魔法剣だ。

「はあああっ!」

一閃。魔力の刃がスライムの核を正確に捉え、両断する。

「ナイスよ、凛!」綾乃が続けざまに現れたもう一体を、同じく魔力を込めた刀で切り裂いた。


「前方に反応あり! ワイバーンの群れです!」翠が遠見のスキルで叫ぶ。

「日向さん! お願いします!」沙織が罠を設置しながら指示を出す。

「任せなさい!《メテオストライク》!」

日向が放った流星の雨が、ワイバーンの群れを一瞬で塵に変えた。7倍に強化された魔法は、もはや天災レベルの破壊力だ。


順調に進む一行だが、やがて壁に行く手を阻まれた。

「行き止まり? いや、違うわ」綾乃が壁に手を触れる。「地形が変わっていくわ…」

目の前の岩肌がまるで生き物のように蠢き、新たな通路が形成されていく。これがA級ダンジョンの特徴、地形変動だ。

「沙織、新しいマッピングをお願い」

「はい! こっちです!」

沙織の的確な誘導のおかげで、一行は迷うことなく進路を見出した。


数時間が経過し、一行は比較的平坦な広場に到着した。

「ここで一息つこう」優斗が言う。

「あー、疲れたー」凛が大げさにへたり込む。


「さあ、飯にするぞ」

優斗がアイテムボックスに手を入れると、巨大なキャンピングカーが出現した。

「すごい…毎回思うけど、ほんとチートね」静香が呆れる。


キャンピングカーの中では、灯と美鈴が手早く食卓をセットした。

「温かいスープとサンドイッチです!」

「おおー! ありがとう!」

少女たちは湯気の立つスープを啜り、笑顔を見せる。外は猛毒の死地だが、中は平和そのものだ。


「それにしても」沙織がスープを飲みながら言う。「A級ダンジョンって言っても、私たち7倍強化されてるから余裕じゃない?」

「油断は禁物よ」綾乃が釘を刺す。「まだ1日目だもの。奥地に行けばもっと酷いことになるわ」

「ええ」静香も頷く。「私たちはタンクとして、絶対にみんなを守るわ」


優斗は仲間たちの顔を見渡し、安堵した。7倍強化された彼女たちは確かに強い。だが、このダンジョンには未知の危険が満ちている。それでも、このメンバーなら乗り越えられると信じられた。

1日目の攻略は終了した。明日はさらに奥地へと進む。だが今は、温かい食事と仲間との語らいに身を委ねるのだった。外では未だ瘴気が漂い、遠くでモンスターの唸り声が聞こえる。しかしキャンピングカーの中は暖かく、安全な安息の地だった。


キャンピングカーの窓からは、铅色の瘴気が漂う暗闇が見える。だが、車内は暖房が効いており、柔らかな灯光に包まれていた。


「ねえ、みんな気にならない? ダンジョンってなんなのかしら」

食後の温かいハーブティーを啜りながら、日向がポツリと言った。

「異世界の迷宮だとか、神の試練だとか言われてるけどさ…あんまり現実味ないじゃない?」


「私も気になってたのよ」

綾乃がカップを置き、真剣な眼差しで口を開いた。

「以前、ダンジョンを学術的に調べている研究者の講演を聞いたことがあるの」


「学術的? ダンジョンがどうやってできたとか?」優斗が興味深そうに身を乗り出す。


「ええ。その人はね、こう言っていたわ。ダンジョンに出現するモンスターは、あまりにも地球人が考えた想像上の生物と酷似しすぎているって」


「想像上の生物?」凛が首を傾げる。


「そう。オーク、ゴブリン、ドラゴン、スライム……それらはすべて、かつてファンタジー小説やゲームの中で描かれていた生き物よ。なぜ実在するはずのない彼らが、この世界に突如として現れたのか」


静香がハッとして言った。

「確かに…私たちが戦ってるモンスターって、どれもどこかで見たことあるようなデザインばかりよね」


「研究者はね、こう仮説を立てたの」

綾乃は少し声を潜めた。

「5年前のあの大地震と大津波…あれを境にダンジョンが出現したわよね。あの時、地球の次元に亀裂が生じて、パラレルワールドの地球と繋がってしまったんじゃないかって」


「パラレルワールド?」灯が目を丸くする。


「ええ。私たちの世界とは違う物理法則、違う進化の過程を辿ったもう一つの地球。そこには魔法があり、ドラゴンが空を飛び、エルフやドワーフが暮らしていた。大災害はその異世界との扉を開いてしまった。そしてダンジョンとは、二つの世界が重なり合った境界領域なのだと」


車内が静まり返った。外の闇が、ただの洞穴ではなく異世界への入り口に思えてくる。


「もし本当にパラレルワールドだとしたら…」沙織が震える声で言った。「私たち、今まるで異世界旅行をしてるみたいね」


「ロマンチックよね」翠が苦笑する。「死と隣り合わせの異世界旅行だけど」


「でも」優斗が言った。「それなら俺たちのアイテムボックスやスキルも、あっちの世界の法則が流れ込んできたおかげなのかもしれないな」


「そうね」綾乃が頷く。「真実は誰にもわからない。でも、もし私たちが異世界の住人と戦っているのだとしたら、彼らにとっても私たちは侵略者なのかもしれないわね」


その言葉に、皆は改めてダンジョンの深淵を感じずにはいられなかった。

「さあ、お喋りはここまでにして、寝ましょう」綾乃が立ち上がる。「明日はもっと奥地へ進むのよ。体力を温存しなくちゃ」


「はーい」

少女たちがそれぞれのベッドへと向かう中、優斗は窓の外の闇を見つめながら、異世界という言葉を反芻していた。この先に待つのは、想像もつかないような光景なのかもしれない。だが、この仲間たちとなら、どんな真実も受け止められる。そう確信しながら、彼も眠りについた。

読んでいただきありがとうございました

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