A級ダンジョン突入
マスター室では優斗と綾乃が話していた。
「最近、大手クランでバッファーの価値が見直されているらしいわよ」
綾乃が雑誌をめくりながら言う。「優斗のおかげで、大手クランの間でバッファーの取り合いが始まっているの」
「それはよかったな。バッファーは冷遇されてたから」
優斗はホッとしたように言う。「バッファーは総じて戦闘力が低いからな。ずっと俺もパーティ組めなくて苦労したんだ」
「よく考えたら、戦闘メンバーのステータスが2倍になるだけでもすごいことなのに、なんでみんな気づかなかったのかしらね」
綾乃が呆れたように言う。
しかし、優斗の表情はすぐに曇った。
「…俺はこれでいいのか?」
「どうしたの?」
「凛たちにとって、俺は逆らえない相手だろ。抱いちゃったら、強くしてやるから身体を差し出せって言ってる男たちと、俺は変わらないんじゃないか?」
優斗は下を向き、自分の拳を見つめた。自分のスキルは、少女たちの服従を強要する力になり得る。それは、静香がかつて遭った男たちと同じではないか。そんな懸念が彼の心を暗くしていた。
綾乃は呆れたようにため息をつき、優斗の頬に手を添えて無理やり顔を上げさせた。
「何バカなこと言ってるのよ」
「え?」
「女の子たちがあなたを求めてるのよ。凛ちゃんだって、今日の朝はすっごく幸せそうだったじゃない。媚びてるんじゃなくて、あなたに甘えて、あなたに愛されたがってるだけよ」
綾乃は優しく微笑み、囁いた。
「そんなあなたが好きよ」
そして、彼女は優斗にキスをした。優斗の不安は、その温もりで溶かされていった。
クランハウスの増築は順調に進んでいた。
大工たちが額の汗を拭いながら作業していると、可愛い女の子たちが冷たい麦茶やおしぼりを持ってやってくる。
「お兄さんたち、お疲れ様です! 麦茶どうぞ!」
「ありがとうな! 元気出るわ!」
大工たちは顔を綻ばせ、やる気を出していく。
また、少女たちは自分たちが住む家が出来ていくのを見て、「すごいすごい!」と目を輝かせて喜んでいた。
「私の部屋はここだよ!」「広いね!」「早く住みたいな!」
そんな無邪気な声が現場に響き、大工たちのハンマーの音も軽やかになっていく。家は急ピッチで、しかし着実にその姿を現していた。
夜が来た。今夜は藍が優斗の部屋に行く番だ。
ドアをノックし、震える手で入室する藍。しかし、凛の言葉と綾乃の励ましのおかげで、昨日の自分よりは強くなれている気がした。
「藍、おいで」
優斗が手を差し伸べる。その笑顔は、いつも通り優しく、藍の緊張を解いてくれた。
「あの、私…強くなりたいです。優斗さんのお役に立ちたいです」
「うん。俺も藍のこと、大切にしたいと思ってる」
優斗は藍を抱き寄せ、凛の時と同じように丁寧に愛撫した。防御魔法に特化した彼女の体は意外にも繊細で、優斗の指先に敏感に反応する。
「ひゃっ…ああっ…優斗さん…」
不安と恐怖は、すぐに甘い感覚に塗り替えられた。優斗は彼女の全てを受け入れ、優しく、しかし確かに繋がった。
**翌朝**
翌朝、藍は温かい布団の中で目覚めた。
隣には優斗の規則正しい寝息がある。彼の腕の中で抱かれた昨夜の記憶が蘇り、藍は体の芯から熱くなるのを感じた。
(私、強くなれたのかな…)
身動きすると、下半身に微かな痛みと、それ以上の満足感が走る。
「おはよう、藍」優斗が目を開け、微笑む。
「おはようございます…優斗さん」
藍は彼にキスを返し、幸せな気分で身支度を整えた。
部屋を出ると、リビングにはクランメンバーが勢揃いしていた。
「おはよう、藍ちゃん!」
「お疲れ様!」
みんなから暖かい祝福を受け、藍は顔を赤らめながらも嬉しそうに頷いた。これで自分も「仲間」の輪に加われたのだと実感した。
今夜は翠が優斗の部屋に行く番だった。翠は藍の満ち足りた顔を見て、自分の番を心待ちにしていた。
翌日翠が、翌々日沙織が、その次の日に美鈴が優斗の部屋を訪れ、同じように優斗に優しく抱かれて幸せを噛み締めた。
全員が優斗と結ばれたことで、A級ダンジョン攻略への準備は整った
A級ダンジョン攻略へ向かう優斗たち10人、ダンジョン入り口にはクランメンバーが勢揃いして見送った
テレビカメラも手を振りながら入っていく優斗たちを捉えている
生放送されていたテレビを見ていた大手クランの者たちは、荷物の少なさに気づいた。
「アイツ、アイテムボックス持ちか!」
優斗を入隊試験で落とした大手クランが絶望と後悔の眼差しでテレビを見ている。
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