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そろそろ一年が終わろうとしていた。
いまは十二月三十一日、三人は神社に集まり初詣をする為に駅前に集まった。
時刻は二十三時五十分。そろそろ年が明ける。
コンビのベンチに座り、結居蘭は温かい紅茶を、黒木は温かいお茶を飲んでいた。
すると二人の元に真希がやって来た。
「お待たせフレンド」
「寒いねー」
「ああ、寒い。こんな寒空の下待たせて、お前ってやつはほんとに配慮が足りないな」
「悪かったよ遅れて」
「じゃあ、いこうか」
そして三人は最寄りの神社まで歩いていった。
神社に着く前に年が明けたのでみんなであけましておめでとうと言い合った。
階段を登り、鳥居をくぐると人が沢山居て列をなしていた。
お参りするところから結構離れたところに最後尾があり、三人は並ぶ事にした。
結居蘭はポケットからカイロを取り出し顔や手に当てた。
「あたしにも貸して」
「はい」
真希も同じく顔や手に当てた。
「くろきさんも使う?」
「貸してもらっていいかな」
黒木は手だけに当ててしばらく結居蘭に返さなかった。結居蘭と黒木は寒がりだ。真希は暑がりだ。
列の動きはいいのでもう列の真ん中辺りまで進んだ。
結居蘭は携帯を取り出し、母と父にメールを送った。【あけましておめでとう】と。
真希も姉と母と父に【あけましておめでとう】とメールを送った。
黒木は特には誰にも送らなかった。
「くろきさんってあんまり携帯見ないよね」
「ああ、連絡用だからそんなに見たりはしないな。――あ、メールが来てる」
「誰から?」
「兄からとめぐみから」
黒木には二人の兄が居る。その一人である紫織はよく頻繁に連絡したり、黒木に会いに来ることも多く、土曜日にはよくテニスをする程に仲が良い。
もう一人である麗斗は黒木とはあまり遊んだり話したりしない。麗斗とは仲良く無いのだ。
そんな話しをしているうちに列はだいぶ進みやっと賽銭箱が見えて来た。
三人は財布を出し五円を探す。
「この日の為に用意しといた」
「ねぇわ」
「僕ニ枚あるから一枚やるよ」
そして三人の番がやって来た。二礼二拍手一礼をしてお願いをした。
結居蘭はこれからも三人一緒にいられます様にと。
真希は三人で沢山遊びたいと。
黒木は三人でいられます様にと。
願いが終わってからおみくじや開運お守りが売っているところに行き、三人ともおみくじと開運お守りを買った。
そして端の方に行き、みんなでおみくじを開けた。
「末吉だ」
「あたし凶だーちくしょう」
「僕大吉だ」
「はぁああ⁉︎ ずるいなこの野郎」
「そんな事言ってたら一生大吉なんて来ないぞ」
「えっじゃあやめる」
三人は近くにあったおみくじかけにおみくじを結んだ。
「終わったなーどうする? 帰る?」
「初日の出も見たいね」
「僕眠くなって来たよ」
「じゃあ帰るか?」
「でも僕も見たいから、見れる時間になるまで僕の家来なよ」
「賛成ー」
「寒いから早く行こう」
そうして三人は黒木の家に向かった。
黒木の家につくと三人は黒木の部屋で初日の出を待機する事になった。
「なんか、一年あっという間だったねー」
「それな。気づいたら年末になってて年明けてんのな」
「僕達が一緒に居ると楽しいから、その分時間も早く感じるんだよ」
「そうだね」
先程下から持って来た温かいお茶を結居蘭が少し飲んだ。
三人が友達になってから一年はまだ経っていないが、ずっとこうして来た様な気がしていた。
最初は結居蘭と黒木が友達になれない等問題はあったものの今はこうして親友になった。
アラームをセットして三人は初日の出まで眠る事にした。
六時四十五分にアラームが鳴り、三人は起きた。
「さっき二時だったのにもう六時か早いな」
「そろそろでしょ、下降りよう」
「うん」
三人は下の階へと降りると黒木の家の庭に出た。
オレンジ色の空が少しづつ広がっていく。そしてやっと今お日様が姿を現した。
「綺麗だねー」
「おう!」
「綺麗だ」
「毎年、こうして三人で見れたらいいね」
「これから毎年初詣にも行こうぜ! 三人で」
「うん、そうだね。三人でまた初詣に行って、また初日の出を見よう」
三人は顔を見合わせて笑い合った。
***
今日は四月一日、新しい学年に新しいクラスが始まる。
朝、桜が満開の下で結居蘭は二人を待っていた。
すると直ぐに黒い高そうな車が来て中から恵と黒木が降りてくる。
すると同時に周りにいたミツバチ達が黄色い声をあげた。
「きゃー! 黒木様!」
「おはようございます黒木様!」
「おはようミツバチちゃん達、今日もかわいいね」
ミツバチ達にウィンクをすると黒木は結居蘭の方へと向かって来た。
「おはようゆいらちゃん」
「おはようくろきさん。今日もすごいね」
「うふふ、今日もミツバチちゃん達はかわいいよ。――まきはまだか」
「そろそろくると思うけど」
そして学校の外へと視線を向けると、茶髪で眼帯をした女がこちらに向かって走ってくる。真希だ。
「おはようフレンド!」
「おはようゆずき」
「おはようまき」
「今日から三年生だな」
「クラス一緒だといいね」
そう言って真希はクラス分け表の方へと走って行ったので、結居蘭と黒木も一緒に走って行った。
三年ではどんな事が待ち受けているのだろうか。
終
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本編はここでおわりになります。
次回は番外編です、お楽しみに。




