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人間には向いていない  作者: 咲紫きなこ
三人なら
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20ページ

 今日も真希と黒木は校則違反で生徒指導室に呼ばれていた。

 だが、今日は今まで見たことのない人が【風紀】と書かれた腕章をして目の前に立っていた。


「では、ここに呼ばれた方の名前を読み上げますわ。柚木真希さん、黒木恵愛さん。お二人とも常連だそうですね」


 シャンパンゴールドの長髪に釣り上がった青い目が印象的な美人は、二人にそう声をかけた。


「お前誰だ? 初めて見るんだけど」

「君、入学式の日に会ったよね」

「は? くろき知り合いかよ」

「はい。あや……黒木さんには、入学式の日にお会いしていますわ」

「確か君は……華蓮」

「覚えていてくださり光栄ですわ。私は青葉崎華蓮(あおばさきかれん)。三年A組で風紀委員長をしておりますわ」

「風紀委員長⁉︎ なんで今まで姿を表さなかったんだ? そうか、わかったぜ、まさか、ラスボス⁉︎」

「私は理由がありまして昨日まで休学しておりましたの。今日から復学してますの」

「やっぱりラスボスか、よしくろき、あたし達の力を合わせてこのラスボスを倒すぞ!」

「何訳のわからない事を言っている」


 真希は勝手にテンションを上げていたが、黒木は呼び出された事が面倒だと肩を落とした。

 青葉崎はまず真希にピアスとネックレスを外せと話した。


「ダメだ! このクロスのネックレスを外したら、あたしの真の力が暴走しちまう!」

「意味のわからない事言わないでください。早く外して下さい」


 渋々ネックレスとピアスを外した真希。

 次は黒木だ。

 青葉崎は黒木を目の前にして何やら視線を泳がせるが、必要以上に近寄り、黒木に指輪とブレスレットを外せと話した。


「かわいい君よ、わかっておくれ。僕に似合っているのだから外す必要なんてないだろう?」

「確かに似合っておりますが、学校には必要ありません。外して下さい。あと貴女は女子生徒なので、その格好もやめてくださ――」

「おい待てラスボス、くろきに近寄りすぎだ」

「そ、そ、そんな事ありませんわ!」


 急いで黒木から離れると、青葉崎は顔を真っ赤にして真希の方を見た。黒木は特には気にしていなかった様だが、真希は気になった。

 だが、青葉崎ははっとして直ぐにまた黒木の方を向いた。


「わかりましたわ! そんな事言って、うやむやにしようとしているのですね? ダメです。外して下さい」

「ちっ、上手くいかなかったなまき」

「別にうやむやにしようとした訳じゃねぇけど、まぁいいや。あたしだけとられるのもずるいし、くろきも外せ」


 黒木もブレスレットと指輪を外した。

 そして二人共第二ボタンを開けていたが、それも閉めろと言われボタンを閉め、ワイシャツの裾もスカートとズボンの中にしまえと言われしまった。

 まるで結居蘭の様な出立だと真希は笑った。

 青葉崎は横にいた風紀委員の先生に挨拶をすると、教室から出て行った。

 風紀委員の先生も後に続いて出て行った。

 先生と青葉崎がいなくなった瞬間にズボンから裾を出し、第二ボタンまで開ける黒木を見て、真希はまた笑った。


「戻すの早いなおい」

「だってこんなのかっこ悪いじゃないか

「これから毎日怒られんのかなあいつに」

「華蓮は素敵だけど、口うるさいね。これからは挨拶だけして逃げよう」

「それいいな」


 そんな事を言いながら、真希と黒木は生徒指導室を後にした。

読んでくださりありがとうございます。

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次回もお楽しみに。

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