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今日も真希と黒木は校則違反で生徒指導室に呼ばれていた。
だが、今日は今まで見たことのない人が【風紀】と書かれた腕章をして目の前に立っていた。
「では、ここに呼ばれた方の名前を読み上げますわ。柚木真希さん、黒木恵愛さん。お二人とも常連だそうですね」
シャンパンゴールドの長髪に釣り上がった青い目が印象的な美人は、二人にそう声をかけた。
「お前誰だ? 初めて見るんだけど」
「君、入学式の日に会ったよね」
「は? くろき知り合いかよ」
「はい。あや……黒木さんには、入学式の日にお会いしていますわ」
「確か君は……華蓮」
「覚えていてくださり光栄ですわ。私は青葉崎華蓮。三年A組で風紀委員長をしておりますわ」
「風紀委員長⁉︎ なんで今まで姿を表さなかったんだ? そうか、わかったぜ、まさか、ラスボス⁉︎」
「私は理由がありまして昨日まで休学しておりましたの。今日から復学してますの」
「やっぱりラスボスか、よしくろき、あたし達の力を合わせてこのラスボスを倒すぞ!」
「何訳のわからない事を言っている」
真希は勝手にテンションを上げていたが、黒木は呼び出された事が面倒だと肩を落とした。
青葉崎はまず真希にピアスとネックレスを外せと話した。
「ダメだ! このクロスのネックレスを外したら、あたしの真の力が暴走しちまう!」
「意味のわからない事言わないでください。早く外して下さい」
渋々ネックレスとピアスを外した真希。
次は黒木だ。
青葉崎は黒木を目の前にして何やら視線を泳がせるが、必要以上に近寄り、黒木に指輪とブレスレットを外せと話した。
「かわいい君よ、わかっておくれ。僕に似合っているのだから外す必要なんてないだろう?」
「確かに似合っておりますが、学校には必要ありません。外して下さい。あと貴女は女子生徒なので、その格好もやめてくださ――」
「おい待てラスボス、くろきに近寄りすぎだ」
「そ、そ、そんな事ありませんわ!」
急いで黒木から離れると、青葉崎は顔を真っ赤にして真希の方を見た。黒木は特には気にしていなかった様だが、真希は気になった。
だが、青葉崎ははっとして直ぐにまた黒木の方を向いた。
「わかりましたわ! そんな事言って、うやむやにしようとしているのですね? ダメです。外して下さい」
「ちっ、上手くいかなかったなまき」
「別にうやむやにしようとした訳じゃねぇけど、まぁいいや。あたしだけとられるのもずるいし、くろきも外せ」
黒木もブレスレットと指輪を外した。
そして二人共第二ボタンを開けていたが、それも閉めろと言われボタンを閉め、ワイシャツの裾もスカートとズボンの中にしまえと言われしまった。
まるで結居蘭の様な出立だと真希は笑った。
青葉崎は横にいた風紀委員の先生に挨拶をすると、教室から出て行った。
風紀委員の先生も後に続いて出て行った。
先生と青葉崎がいなくなった瞬間にズボンから裾を出し、第二ボタンまで開ける黒木を見て、真希はまた笑った。
「戻すの早いなおい」
「だってこんなのかっこ悪いじゃないか
「これから毎日怒られんのかなあいつに」
「華蓮は素敵だけど、口うるさいね。これからは挨拶だけして逃げよう」
「それいいな」
そんな事を言いながら、真希と黒木は生徒指導室を後にした。
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