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ミシェル  作者: 華美
心
14/29

レーク

レークの目線です。

  本当に、面白いね。


 レークは今、ミシェルの放とうとしている魔法に目を向ける。洗練されている訳ではない。だが、感情が純粋にこもったそれも甘く見てはいけない。まぁ、それはどうでも良いのだが。


  「あれは自覚はあるのかね?」


 ミシェルは微かに口の端を上げて笑っている。あれは戦いを楽しんでいるところがあるね。うん、こちらとしてもやりがいがある。


  「君を傷つけたくはないが」


 魔法が放たれ、空間が白く染まる。こうなっては彼女にもどうなったかわからないだろうに。まぁ、魔物達はやられたな。私には効かないが。視界に任せなくとも見えるしね。今しかないか、無力化するには。


  「すまないね」


  「なっ」


 手刀を食らわすと、彼女は咄嗟に動くも間に合わず、こちらを見て驚き倒れた。地面につかせる前に私はミシェルを抱える。ふぅむ、しかし力はあっても使い慣れてはない。この先が危うい子だ。


  「さて、計画を始めようか」



 ミシェルをあの部屋にまたも寝かせる。力を使い果たした後だ、すぐには目を覚ますまい。さて、そろそろ届けた手紙があちらに着く頃かな?


  「……返せ」


 おや、あれの声が聞こえる。予想より早いね。行くとするか。正直、自分のものだと言わんばかりのあれは気に食わぬしね?


  「おやおや、お仲間もきたのかね?」


 目の前にある扉を開け放ち、私はニィッと笑う。わざとでは無いつもりだが、楽しんでるのはあるね。


  「まだ残っている子がいる。この子達と遊ぶといい」


 外にいたモンスター達がいたんだよ。流石に数が多くてね?ええっと、確かセラくんにジェズくんだったかな?彼らに任せるんだろうね、番人くんは。


  「ミシェルを返せ」


  「ハハハ、ならば奪い返してみろ。番人くん?」


 彼とは少なからず因縁があるんだよ。まぁ、ここで説明するのもなんだしね?簡単に言えば価値観の違いだね。


  「言われなくとも、次は本気だ」


 番人くん、お怒りの様子だ。嗚呼、そう言えばあの設定を忘れていたよ。


  「一つ言わせてもらおうか、君達に。何故私が君達の前に立ちはだかるのか。それはー彼女がそう望んだからだ」


 デタラメかと思うかね?


  「…本人から聞くまでは信じない」


  「貴方はなんなんですかね!?ミシェルが離れたいって言うんなら私達に言いますし!貴方なんかに言いませんからね!!」


 ふぅむ。興味深い返し方だね?遠回しに、それもありえるような言い方には見える。今の彼女の心を知りたくなってくるね?悪魔だから、とは言わないがね?


  「では、番人くん。君だけ通るといい。3人では無理やり連れてかれてしまうかもしれないし、本人から聞いてくるといいよ」


 モンスターに指示を出し、番人くんを狙わないようにさせる。番人くんは警戒心をあらわにこちらを見ているが、行くだろうね。


  「行け、リュウセイ。ミシェルを助けて来い」


 ほう、仲間が促すか。行く気になったようだね?番人くんはこちらから目を離さずに、結界まで器用に使いながら扉の中へと入っていった。


  「私達ってこの役割多いですよねぇ」


 セラくんが愚痴をこぼしている。まぁ君たちは熊型のモンスター達の餌食にならぬよう頑張りたまえ。私はちょっと離れるからね?


 それと。今では嘘にならぬことも、場合によっては真実に変わらせることもできる。君達が、そして彼女自身が気付かぬ事実さえあるんだしね?


 …それにしてもあの子は起きるのが早いな。

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