レーク
レークの目線です。
本当に、面白いね。
レークは今、ミシェルの放とうとしている魔法に目を向ける。洗練されている訳ではない。だが、感情が純粋にこもったそれも甘く見てはいけない。まぁ、それはどうでも良いのだが。
「あれは自覚はあるのかね?」
ミシェルは微かに口の端を上げて笑っている。あれは戦いを楽しんでいるところがあるね。うん、こちらとしてもやりがいがある。
「君を傷つけたくはないが」
魔法が放たれ、空間が白く染まる。こうなっては彼女にもどうなったかわからないだろうに。まぁ、魔物達はやられたな。私には効かないが。視界に任せなくとも見えるしね。今しかないか、無力化するには。
「すまないね」
「なっ」
手刀を食らわすと、彼女は咄嗟に動くも間に合わず、こちらを見て驚き倒れた。地面につかせる前に私はミシェルを抱える。ふぅむ、しかし力はあっても使い慣れてはない。この先が危うい子だ。
「さて、計画を始めようか」
ミシェルをあの部屋にまたも寝かせる。力を使い果たした後だ、すぐには目を覚ますまい。さて、そろそろ届けた手紙があちらに着く頃かな?
「……返せ」
おや、あれの声が聞こえる。予想より早いね。行くとするか。正直、自分のものだと言わんばかりのあれは気に食わぬしね?
「おやおや、お仲間もきたのかね?」
目の前にある扉を開け放ち、私はニィッと笑う。わざとでは無いつもりだが、楽しんでるのはあるね。
「まだ残っている子がいる。この子達と遊ぶといい」
外にいたモンスター達がいたんだよ。流石に数が多くてね?ええっと、確かセラくんにジェズくんだったかな?彼らに任せるんだろうね、番人くんは。
「ミシェルを返せ」
「ハハハ、ならば奪い返してみろ。番人くん?」
彼とは少なからず因縁があるんだよ。まぁ、ここで説明するのもなんだしね?簡単に言えば価値観の違いだね。
「言われなくとも、次は本気だ」
番人くん、お怒りの様子だ。嗚呼、そう言えばあの設定を忘れていたよ。
「一つ言わせてもらおうか、君達に。何故私が君達の前に立ちはだかるのか。それはー彼女がそう望んだからだ」
デタラメかと思うかね?
「…本人から聞くまでは信じない」
「貴方はなんなんですかね!?ミシェルが離れたいって言うんなら私達に言いますし!貴方なんかに言いませんからね!!」
ふぅむ。興味深い返し方だね?遠回しに、それもありえるような言い方には見える。今の彼女の心を知りたくなってくるね?悪魔だから、とは言わないがね?
「では、番人くん。君だけ通るといい。3人では無理やり連れてかれてしまうかもしれないし、本人から聞いてくるといいよ」
モンスターに指示を出し、番人くんを狙わないようにさせる。番人くんは警戒心をあらわにこちらを見ているが、行くだろうね。
「行け、リュウセイ。ミシェルを助けて来い」
ほう、仲間が促すか。行く気になったようだね?番人くんはこちらから目を離さずに、結界まで器用に使いながら扉の中へと入っていった。
「私達ってこの役割多いですよねぇ」
セラくんが愚痴をこぼしている。まぁ君たちは熊型のモンスター達の餌食にならぬよう頑張りたまえ。私はちょっと離れるからね?
それと。今では嘘にならぬことも、場合によっては真実に変わらせることもできる。君達が、そして彼女自身が気付かぬ事実さえあるんだしね?
…それにしてもあの子は起きるのが早いな。




