くもりのち雨
「あいたたたっ・・・」
蓮が起き上がる時に痛そうな声を上げた。
「おはよう、蓮ちゃん。どうしたの?」
隣で由実がひじもちをつきながら言った。
「背中が痛くて・・・いたたっ」
「久しぶりだったから筋肉痛になったんじゃないの?運動不足でしょー」
「もーうるさいなぁ。由実のせいだよ」
蓮は立ち上がって服を着ながら言った。
「あんなに激しい蓮ちゃん初めて見ちゃった」
由実がニヤニヤしながら言うと、連はおでこにでこピンをした。
「いたっ!またでこピン!いつか私の脳細胞死んじゃうからね」
「はいはい。あ、ゴミ出しといてね」
「えーーっ、金曜は蓮ちゃんの当番でしょ?」
「私は今日大学行かなきゃいけないの」
蓮は髪の毛を縛って冷蔵庫を開けた。
「サークルの集まりだけだから、3時くらいには帰ってくるね」
「サークルって、写真サークル?」
「そっ」
蓮がタッパを取り出して言った。
すると由実が顔を膨らましていた。
「写真サークルってさ、雄飛さんがいるよね。あの背が高くてイケメンの」
「いるけど・・それがどうかした?」
「どうかしたって・・・まさか、雄飛さんとデートじゃないよね?」
由実が言うと蓮がため息をついて苦笑いをした。
「もーっ、由実ったらまだそれ気にしてるの?」
由実はすねた様子でそっぽを向いた。
写真サークルの中に1人、石田雄飛君という
成績優秀で大学でもイケメンと言われている男子がいる。
雄飛君は実は同じ小学校で・・・
私の初恋の人でもあった。
その話をしてから大学がたまたま一緒だった事を由実に話した時
由実はとても不機嫌だった。
私がまだ雄飛君のことが好きなんじゃないかって。
「だって蓮ちゃん、その人のこと好きだったんでしょ?」
「ずっと前のことだよ。雄飛君にはもう可愛い彼女だっているし・・」
蓮はタッパを布に包んで鞄に入れた。
「それに私には由実がいるんだから」
由実はそれを聞くとため息をついて幾分、納得したような様子だった。
「じゃあ、ゴミ出しよろしくね。あ、あと雨降るみたいだから洗濯物もお願い」
「分かった。ねぇ、蓮ちゃん」
「なに?」
由実が時計を指差して言った。
「あの時計、昨日から20分遅れてるよ」
「え!?もう、そういう事早く言ってよ!電車が!!」
蓮は慌てて靴を履いて玄関を飛び出した。
「じゃぁよろしく!!」
「あ、蓮ちゃーん!傘忘れたよー!・・・行っちゃった・・」
由実が傘を持って叫ぶも、蓮は驚く程の速さで去って行った。
「あわてんぼうだなぁ」
由実は部屋に戻ってゴミ袋をチラッと見てからベッドに倒れた。
「もう少ししてからでいいよね」
そう呟くと由実は再び寝てしまった。




