ここはどこ
う、ううん......
私はどこにいるの?
気が付くとベッドに寝かされていた。
ふかふかで気持ちいベッドだ。
少し開けた瞼の隙間から光が差し込んできた。まぶしい......
私は再び目を閉じながら意識を失う前のことを少しずつ思い出してた。そういえば私は、死のうとしたところに人間に見つかって……
私は死んだのだろうか、それともまだ生きている?
考えてみると体がとても楽だった。
少し前のどうしようもない空腹感やのどの渇きからくる体のだるさがまったくと言っていいほどない。
大きく深呼吸をした。
この状況から考えてみるに、きっと私は死んだのだろう。
ここはきっといわゆる天国といわれる場所......
私は安堵する気持ちで少し泣きそうになった。
あのつらかった日々は終わったんだ。
これからはなんの苦しみもないんだ。
そうしているうちに横から声が聞こえた。
「目覚めたか」
案内役のような人だろうか。
「はぁい」
私はすべてから解放された気分のままそう言って目を開け、体を起こした。
でもそれは、ここは天国ではないということ思い知らされる行為だった。
そこにいたのは明らかに天国案内人では、なかったから。
あの男がいた。
「大丈夫か。お前、俺の前でぶっ倒れたろ。」
「ひ、ひえぇ!」
思わずベッドに座ったまま後ずさりした。
「おいおい、そんな驚くなよ。」
男は少し苦笑しながら何かの小瓶をポケットから出し、前に差し出した。
「これはお前が持ってたキノコから作った薬だ。俺はしがない薬術師。これでお前を救った。感謝するんだな。」
「で、でも、私が持っていたのは毒キノコじゃ......」
「ああ、そうだな。でも俺にかかればこれを最強の回復薬にできる。」
男はニヤリと笑った。
私はポカーンとして男を見つめた。
「なんで、こんな私を......」
「なぁに言ってんだ。目の前で倒れたやつがいたら助けるのが普通だろ?」
「でも私は.......その」
薬術師と名乗るその男は、うん?と目を見開いてこちらを見つめてきた。
「いえ.......何でもないです。」
どうやら私の正体に気づいていないようだった。
それならば隠し通すほかない。
正体がばれてしまえば、親切な彼であっても私を通報するだろう。
彼は私の正体が人間の女の子ではなくて、狐獣人だと知ったら失望するだろうか。薬まで作って助けたやつが獣人だったなんて。
そんなことはあってはならない。そのためには早くこの場を立ち去らねば。
「あの!ありがとうございました。お礼は後日させていただきますので。私は急いでいるので、これで失礼します。」
私はもう元気ですと言わんばかりにお辞儀をしてそう言い、ベッドから出ようとした。
男はふっと笑った。
「お前、どこに急いでるんだよ。」
「え?」
「どうせ行く当てもないんだろ。それとも、家族か友達に生き残りがいんのか?」
「な、何の話ですか......」
男はもう一度ふっと笑い私を試すような顔でこういった。
「お前、獣人だろ」
「は、え!?」
「ふ、やっぱりそうだったか。」
「な、何で知って……」
わたしは驚きのあまりその場を立ち去ろうとした足を止めてしまった。
「そんなことはどうでもいい。.......それより、俺の家に住めよ。」
「はい!?」
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