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狐な私と生きるには~嫌われもの狐獣人の私を彼はなぜか手放さないので死に損ないました~  作者: 翠兎すみか。


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3/8

出会い

はじめまして!翠兎すみか。です。

初投稿です。よろしくお願いします。


 私は、がれきのそばで、火災に負けず、強く残っていた赤と黄色い斑点のついたきのこを摘み取った。このきのこは一口でも口にすると、獣人、人間さへも死に至らしめる猛毒きのこだ。


「なんだか、私を死なせるように、あなたは残ったのかもね……」


 近くのほとんど灰になった木にもたれかかり、摘み取ったキノコを見上げて、ぽつりとそんなことを言ってみた。

 

 涙は出なかった。


 これでいいんだとすら思った。

 

 人間として生きていくのは、少し無理があったなーー

 

 空腹で頭がもうろうとする中、自分が人間に憧れを持っていたことを思い出した。

そして、この数日の出来事を思い出していた。

                 ーーーーーーーーーーー

 私は人間社会で生きることを決意した。


森はすべて焼けこげてしまい、食べ物もろくにある状態ではなく、このまま獣人として森で暮らすことは難しかったからだ。


 私はほかの獣人に比べると、人間界に詳しかった。

 

 よく村を抜け出して街に繰り出していたから、人間のふりをして、仕事をして、人間として生きていくなんて簡単だと思っていた。


 そう、簡単だと()()()()()


「君、身分証明書持ってる?」


「み、ミブン……ショウメ、イショ......?」


 私は人間の小物売り店にいた。

いつも遠くから中のアクセサリーなどの商品を見ていたところだ。

私がまず人間として働くために思いついたのはここだった。


 私がぽかんとしていると、白髪で優しそうな中年の男は困ったように言った。


「ほら、学生証とか......」


「ごめんなさい。持ってないです。」


「君、それでは働けないよ。仕事をそんなに甘く見てもらったら困る。……それに、君、どこから来たの。」


 私はドキッとした。獣人であることがばれてしまったのだろうか。


「いや、その……」


「やっぱり家出かい。両親が心配するよ。早く帰りなさい。そうじゃないと私は警察に連絡しないといけないんだよ。わかるだろ?」


 全然わからなかった。


「はい……すみませんっ」


 そう言う他なく、逃げるようにその場を去った。


 警察に連絡ーー

 警察とは人々の安全を守る集団だと森にいたときに聞いたことがある。

でもそれと同時に、獣人を排除する組織の一つでもある。


 私の存在がばれてしまえでもすれば、私はーー

私は頭を横に振って嫌な想像を振り払った。


 こうして数日働ける場所を探したけれど、どこも同じような反応で、私を受け入れてくれる場所はなかった。

 しかし、たった一つだけ、私を受け入れる場所が見つかった。

 

 町歩いていたとき、誘われるがまま入ってしまった店だった。


 正直いい雰囲気ではなかったけれど、ここで働かなければ飢え死にしてしまう。


 そこでの仕事は、ちょっと大胆な服を着て、来てくれたお客さんの話を聞く仕事だった。


 でも、ろくに人間界の言葉を知らない私には到底こなせる仕事ではなかった。


 それにこの店に来る客はみんなねっとりした目線をこちらに向けてくる男ばかりで、気持ち悪さがこみあげてくるようだった。


話が通じず、愛想もない私はまもなくクビになった。

               

               ーーーーーーーーーーーー

 来世がもしあるとするならば、人間として生まれたいーー

 

 私はゆっくりキノコを口にしようとした。


 その時だった。


「きみ!それ、食べたら危ないぞ!!」


 はっとして、前を見ると、若い人間の男が目の前にいた。

        

 殺される……!!


 咄嗟に逃げようとしたけれど、ろくに食べ物を食べていないからでは到底走ることもできず、そのままバタンと倒れて意識を失ってしまったのだ。




読んでいただきありがとうございました!

毎週水、金更新予定です。

少しでも面白かった、続きを読んでみたい!と思った方は評価★★★★★&ブクマよろしくお願いします!

続きを書く励みになります☻

それではおやすみすみ~


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