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82話 ストアのモテ期  冒険者養成所68日目

 ストアにはモテ期があった、仕事を始めた8歳頃から10歳ぐらいまでがそうだ。


 実はウルルのほぼ全員の適齢期の女性はストア家に嫁ぐことを夢見ている。


 薬師様で病気を治してもらえ、どんな強い魔物がいてもあっという間に倒してしまう、無駄のない体つきと屈託のない笑顔にウルルの女性達は夢をみてしまうのだった。


 しかし適齢期になると決まって家から出ていき帰ってくるときは嫁と一緒という悪夢を見せられるのだった。


 そんなウルル事情だがストア家の子供が家の手伝いで色んな場所に顔を出すようになるのが8歳の頃なのだ、娯楽の少ない田舎というのもあるがほぼすべての女性に可愛がられるのだった、それも半端なく熱烈に抱きしめたり頬をこすりつけたり、色々な事をされるのだがストア家の人は放置するのが習わしになっている、なんでも女性耐性を作る為にいい時期だと言うのである、それ以上になると男として変に意識してしまうからだとか。


 そんな愛情を一身に受け成長するとおばさま達との絶妙な距離感を掴めるようになるのである。


 もちろんストア自身にも魅力はあったのだが。


 そういった生い立ちが関係しているのかはよくわからないが女性にボディータッチされるのはよくあることだった、リタやカトリーヌも知らぬ間に感づいていたのかもしれない。


 今日の魔法の時間が始まるストアはただただ憂鬱だった、ストアは嫁探しをしに来たのではなく旅に出る準備の為にここに来た、ストアは女の子と食事できるだけで幸せだった、毎日家族とばかり食事をしてある意味刺激のない日々だったのだ。


 しかし養成所では同年代の女の子しかも見たこともないくらいかわいい子達と食事をして色んな場所の事や流行の話を聞けて十分満足だった、それなのにストアの想定以上に関係が深くなってしまい、今では魔法の授業と放課後まで女の子に侵食されている、一緒にいるだけはなくお互い触れ合う関係でもある、リックならすべてを受け入れ楽しむ余裕があるのかもしれないがストアは気持ち的に一杯一杯だった、それでも平静さを失わなかったのはウルルで培った耐性と瞑想の修行のおかげなのだろう。


 そして教室に着くと美女軍団が集まってくる、なぜかみんなテンションが高い。

 


「きゃー ストア君が来た」



 ギクリとするストア。



「聞いたわよ ニーナにもしちゃうんだ ストア君のエッチ」


「気にしないで ニーナがただ興奮してるだけだから」とカミラ


「私の密着理論の成果が出る時が来たわ」とカトリーヌ


「もう カトリーヌったら」と頬を染めながら言うソフィー


「しょうがないわね ストア君に私の初めてをあげる」とダコタ


「私も自分の殻を破りたい」とペギー


「あはははは」と少し壊れたリリー



 そして少しご機嫌斜めなブロッサム。



「みんな それでいいの?」とストア


「ダンスでも密着してるでしょ」とカトリーヌ


「ペギーだってもっと大胆になりたいって言ってるんだから」とダコタ



 ダコタもペギーも自分を変えようとしているのかもしれない、俺も恥ずかしがらずに受けて立つのがいいんだろう、それに今日みたいな日はないからいい思い出として記憶しようとストアは思った。



「俺 リリー カミラ ブロッサムが教える側であとはいつものようにローテーションで行こう」


「わかったわ」



 今日の練習は賑やかな感じになった女子同士も後ろから抱くやり方でしていてキャキャと言いながら練習しているからだ。



「やっぱりカミラの大きい」


「カトリーヌも痩せて見えるのに結構あるのね」



 などと男子軍団が聞いたら涙を流して喜びそうな事が聞こえてくるがストアはペギーの気持ちをほぐすのに優しく声を掛けていた。



「最初は練習にはならないと思うけどしばらくすると慣れるよ だから慣れることに集中しよう」と後ろからささやくストア。


「ええ わかってるわ」


「それじゃ 集中出来たら言ってね」



 と腹を決めたストアはペギーをエスコートすることを心掛けた、そうダンスと同じでエスコートするんだ。


 最初はギクッと反応していたがしばらくすると落ちついてきた。



「落ち着くと包まれてる感じがして安心するんだね」


「本当なら信頼している男性ならベストだと思うけど」


「ストア君も信頼してるよ」


「ありがとう うれしいよ」



 ペギーが後ろから抱きしめる時は


 

「ストア君って大きかったんだね そんな風に見えないのに」


「よく言われるけど身長も低くないけどね」



 そんな感じで魔法の練習の邪魔になる感情を消すようにして密着の効果で魔法を覚えてもらおうとストアは頑張った。


 しかしニーナやダコタはそれをぶち壊すようなことを言うのだった。



「どう ニーナのおっぱい気持ちいい」


「ハウッ ストア君にあたってる」とダコタ



 結局時間がかかるのではないかと心配していたが3周目にカトリーヌが成功して、その後にソフィーが成功した。



「そろそろ成功させよう」と耳元で囁くストア


「うん 頑張る」とソフィー



 傍から見ればもう立派な女たらしだ。



「命の源よ 痛みをせき止め 痛みを柔らげ給え ペインレスヒール」と唱えるソフィー



 ストアの左手の痛みは消えていった。



「成功だよ ソフィー」



 振りむこうとするとストアの顔が間近にあって慌てて元に戻すソフィー



「ありがとう ストア君のおかげだよ」


「ソフィーが頑張ったから2抜けだね」


 二人は微笑むのだった。



 3番目に成功したのがペギーだった。


 5周目になるとペギーの固さはどこにもなかった。



「今度はイケそう?」とストア


「ストア君で決めたい」とペギー



 そして言葉通りに成功させたペギー。



「ありがとう ストア君」


「真面目に取り組んだ成果だよ」


「そんな」


「だって残りは騒がしい二人だからね」



 ストアは苦笑い、ペギーはクスクス笑うのだった。


 そしてストアはニーナとダコタに言った。



「もう時間がないからリリーと俺とのサンドイッチ方式に切り替えよう」

 

「ええ」と「不満の声を上げる二人


「魔法に集中してないよね」とストア


「ダコタと私でサンドイッチする」とニーナ


「もう この子ったら」とカミラ


「ストア君の言った通りにした方がいいわね」とカトリーヌ



 カミラとカトリーヌの気迫にニーナは黙ってしまった。



「ダコタ 今回で決めよう」とストア


「わかったわ 最後まで残るのは嫌だし」



 授業の終わりまでダコタとニーナは頑張りなんとかペインレスヒールの発動に成功した二人、さっきまでのテンションの高さはどこえやら、ヘトヘトになっていた。



 ストアは表面上は平静を装っていたがすごく疲れていた、まるでリセットを使った時の疲労感のようだった、ある意味大人になれたと感じたストアであった。



 こうして白魔法の初級をみんなクリアして授業は終わったのだった。

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