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81話 ダンスの練習4日目  冒険者養成所67日目

 昨日の晩もリックと仲良くダンスの練習をするストア、そこでクリストファーが絶叫する。



「できたぞ ストア 剣が光っている」



 確かに剣は光っていた、ただし体も光っていた。



「眩しいよ クリストファー 剣だけに魔力を集めてよ」


「それができるなら してるだろうが」



 クリストファーはより大きくとかより量を出すとか、そういう使い方は得意であり水魔法ではそれは最大の長所であったが身体強化ではただの魔力の無駄遣いになってしまう、男同士のダンスを見ながらの夜の訓練はしばらく続きそうである。



 ストアとリックはカトリーヌが来るまでに稽古に励む、特にストアの素振りは尋常ではなかった。



「すごい音出すな」


「ストレスでも溜まってんじゃないのか」


「何言ってんだ いつもあんなにかわいい子に囲まれてるのに」


「最近特にリリーちゃんと仲がいいしな」


「俺もリリーちゃんと踊りたい」



 そんな話を聞いていてもクリストファーの頭の中はリックと仲良く踊るストアのイメージが浮かび、嫉妬心が浮かぶことはなかった。



「お前らも週末までに舞踏会で披露できるくらいダンスの練習をして来いよ」


「いやーそれは」


「だろ 必死こいてやってんだ ウダウダ言わずに練習しろや」


「わかりました」



 そしてカトリーヌ達が来る頃までには真面目に稽古に励む男子軍団になっているのである。



「まずは休憩まで踊ってから、次にペアごとに踊ってチェックしていくっていう感じでどうかな?」


「それでいいんじゃない」とカトリーヌ



 ストアとソフィーは黙ってうなづいた。


 そしてストア達は3曲分を踊って後退して3曲を踊った、ストアにとってはまずまずできたと思っていた。


 汗を拭いて休憩していると歓声が上がる、今日も美女軍団の登場だ、最近は前以上に稽古に励むようになった子分達、しかも傷ついている方がおいしいと感じる、愛の女神の力は偉大だった。



「調子はどうなの?」とカミラ


「舞踏会で恥はかかないぐらいにはなったかな?」


「すごいわね 短期間なのに」


「ストアもおソフィーも頑張ってるからね」


「舞踏会が終わったら私達に本格的に教えてくれない?」


「おねが~~い」とニーナ



 ペギーとダコタはリックを一生懸命見つめている。



「わかったよ 稽古の時間を1時間早めにあがって、その時間に教えるよ」


「きゃー うれしい」と美女軍団がリックに全員抱き着いた。



 男子軍団は羨ましそうにリックを見つめていた、そして心の中で呟いた馬鹿野郎モテすぎなんだよと。


 一方、ストア達はいつものブロッサムとリリーが集まっていた、魔法の時間にいつもと違う大胆な行動をしたリリーは少し恥ずかしかったがいつもの変わらない笑顔で迎えてくれるストアに安心もした。


 ブロッサムはいつものように手を取ってダンスをねだるのかと思ったのだがいきなり正面からストアに抱き着いたのだった、抱き着いたと言っても電信柱に抱き着いている感じなのだが本人はそうは思っていなかった、そして勝ち誇ったかのようにストアとリリーをみつめるといつもの日常がそこにあった。


 しばらくストアに抱き着いてグリグリしたがストアに頭を撫でられたブロッサムは抱き着くのをやめてしばらくの間むくれるのだった。



「リック達 盛り上がってるね」


「また約束させられたのかも」


「やっぱり そうかな」と二人でクスクス笑うのだった。



 ブロッサムは残りの休憩時間ストアを独占した、しかし顔はむくれていた、何故むくれているのかわからないストアはブロッサムの言いなりになるしかなかった。



「じゃ 休憩時間は終わりだから」とカトリーヌの場所まで行くリック、ブロッサムをなんとか剥がしてストアも続いた。


「ストアとカトリーヌで踊ってみようか?」



 こうしてまた練習は再開された。


 ソフィーはストアを眺めていた、あくせくしてたのが昨日が嘘のようにソフィーには見えた、踊りと剣術は似てるのかな?それとも魔法みたいに覚えるのがはやいのかな?などと考えていたら、最近はいつもストア君の事を考えるようになってきた自分を発見し自分で笑った、男の人とこんなに長く一緒にいたことがなかったし、もちろん踊ったり手を合わせたりスキンシップもしたことがなかった。


 街の学校ではカトリーヌ目当ての男の子が寄って来るがキザな男は苦手だった。


 それなのに養成所に来るとカトリーヌと私の好みのコンビが声を掛けてきたのだった。


 ナチュラルな天然パーマに童顔で、でも背筋がピンと伸びていて、話をしないと田舎者とは気づかない不思議な感覚、いつも天然ボケで場を和ましてくれた。


 そうお父さんにも会った、素敵だったストア君が大きくなったらあんなふうになるのかな?と思った、余裕があっていつも笑っていた。

  

 養成所が終わっても会いたい、会いたいと思わせたい、ソフィーの淡かった気持ちはどんどん膨らむばかり。


 そしてストアと踊るソフィー、ステップの事も忘れてずっと踊っていたい気分だった。


 リリーはソフィーをみつめていた、ブロッサムもソフィーをみつめていた、不器用な女子達は気持ちの整理もつけられないまま残りの養成所生活をしていく、ブロッサムは意味が違うのではあるが。



「ストア ソフィー 上手になったよ 短期間でこれだけできれば十分だ」



 照れるストアとソフィー。



「明日は舞踏会形式でやっていこう、次の日は授業が終わったら馬車が迎えに来るから。それに乗っていこう」


「馬車に乗るの?」


「王宮に行くのに歩く人なんかいないからね」


「お姫様になった気分」とソフィー


「いいなぁ」とダコタ


「私も王宮に連れてって」とニーナ


「無理いわないの」とカミラ



 こうしてダンスの練習は終わった、もちろん今日も頑張って傷つけあった男子軍団は喜んでヒールの練習台になったのだった。


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