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71話 ストア 白魔法の授業で舞踏会の話をする 冒険者養成所 63日目

 今日も女だらけの白魔法の教室へ行くストア、教室が目に入ると女性特有の匂いに包まれた。


 教室に入ると美女軍団がストアをみつけ集まってくる。



「やぁ みんな おはよう」


「おはよう ストア君」とみんな



 ストアはいつ舞踏会の事を話すべきか考えていた、最初に話すと魔法の授業にならなくなるのではないか、しかし終わりに言っても遅いかもしれない、それに全員に光魔法と白魔法の初級をクリアさせる最短の方法も考えていたのだった。


 そんなことを考えているうちに教官のいつもの話が始まり、いつもの場所へ行く美女軍団とストア。



「ストア君 何か悩みでもあるの?」とソフィー


「悩みというか考えをまとめていたんだよ」


「そう それならいいんだけど」



 いつもの場所に着くとストアはみんなに呼び掛けた。



「ごめん みんな話を聞いてくれるかな?」



 一斉にこちらを見る美女軍団。



「魔法の練習方法なんだけど、俺とブロッサムとリリーが交互に変わっていく方法を試してみたいんだ」


「なにそれ」とニーナ


「カトリーヌと俺 ダコタとブロッサム ソフィーにリリー 次はダコタと俺 ソフィーにブロッサム カトリーヌにリリーという感じ」


「ええ どうして1対1じゃダメなの?」とソフィー


「できればみんなに初級の光魔法と白魔法を覚えて欲しいからなんだ」


「うまくいくかわからないわね」とカトリーヌ


「うん わからない だけど1対1で教えていたら 次の魔法に行けなくなるからね」


「ウフフ まだ魔法を覚えるつもりなのね」とカミラ


「とにかく試してもいいんじゃない」とペギー


「そういうことなら協力します」とリリー


「私 ブロッサムと部屋で練習してるけど成功率高くないんだけどね」とダコタ


「場の雰囲気もあるからね それじゃ 今日はヒールを覚えよう」



 そう言うとダコタ・ソフィー・カトリーヌが並んでリリー・ストア・ブロッサムで2列に並んだ。



「まず 俺のイメージでは光で優しく包み込むような感じなんだよ リリーはどんな感じ」


「そうね 光を傷によせていく感じなの」


「ブロッサムはどんな感じ」


「う~ん ぱ~~~んシュって感じ」


「みんな 感じがつかみやすいイメージでイメージして」



 ダコタ・ソフィー・カトリーヌがそれぞれイメージを固める為に目を閉じて、しばらくすると目がやる気モードになっていた。



 ストアはソフィーと組み、葉に手を近づけて、ソフィーはいつものようにストアに手を合わせる。そして呪文を唱えるストア。



「命の源よ我が光に導かれ傷を癒さん ヒール」



 白い光が溢れ出てるが他の二人よりゆっくり切れ目が無くなっていく。



「どう イメージは固まった?」


「うん 自分なりにできてる」


「じゃあ 頑張って」



 ソフィーは目を閉じてイメージを固まる、そして目を開いて葉に手を近づけた、その手に手を合わせるストア、そして呪文を唱えた。



「命の源よ我が光に導かれ傷を癒さん ヒール」



 ソフィーは発動しなかった。



「はじめたばかりだから頑張っていこう」


「次のストア君の番でできるように頑張る」



 他の二人も発動しなかったようだ。


 そしてカトリーヌと変わるストア。



「水じゃないから すぐできるようになるよ」


「水系以外は自分一人で覚えたしね」とカトリーヌ


「それじゃ イメージ固めてね」



 そう言うと手を葉に近づける、カトリーヌはストアに手を合わせてきた、そして呪文を唱えるストア、さっきと同じように白く輝くとゆっくり切れ目が無くなっていった。


 ストアは葉の位置を変えてカトリーヌに訪ねる。



「イメージできてる」


「大丈夫よ」


 そう言うとカトリーヌは手を葉に近づける、ストアもカトリーヌの手を合わせると呪文を唱えるカトリーヌ、いい感じだと思ったけれど発動はしなかった。



「いい感じだと思ったんだけどね」


「まだ始めたばかりだし気にしてないわ」



 やはり他の二人もまだ発動はしてないようだった。


 そしてダコタと変わるストア。



「リラックスして柔らかくイメージしよう」


「やっとストア君とだね」


「俺とすればできると信じていればできるよ」


「できるはず 今までそうだった」


「イメージできてる」


「うん 大丈夫」



 確認すると手を葉に近づけるストア、それに手を合わせるダコタと呪文を唱えるストア、白く光り葉の切れ目が無くなっていく、ストアも同じ魔法を繰り返す事よって発動が楽になっている感じがしてる。



「どう いけそう?」


「うん やってみる」



 そう言うと手を葉に近づけるダコタ、ストアも手を合わせてヒールのイメージをする、そしてダコタは呪文を唱えたがやはり発動しなかった。



「う~ん残念」


「まだまだ最初だし頑張ろう」


「今日中には発動させてみせる」


「その元気があれば絶対できるよ」



 そしてまた最初に戻りソフィーとの組み合わせだ。



「できそう?」


「ストア君で決めたい」



 そうは言ったものの発動しなかった。


 成果は3週目のブロッサム・カトリーヌ組で出た、葉は綺麗に元通りにならなかったが光が出たのだ。


 そしてカトリーヌはストアの番で完全に葉の切れ目を元通りにしたのだった。



「おめでとう カトリーヌ」


「ありがとう ストア君 今までで最短ね」


「そうだね 前はほとんど授業時間使ったからね」


「忘れないように続けて固めよう」


「そうね これで私も天使の仲間入りだわ」



 そして5周目にソフィーが発動して6周目にダコタも発動した、三人はヘトヘトになっていた。


 しかし三人は成果があったので顔は明るい、そろそろ授業も終わりかけだし、ストアはここで舞踏会の話をするしかないと思い、みんなに言った。



「実は昨日 陛下から招待状が届いて週末に舞踏会に俺とリックが呼ばれたんだ」


「ええっ」と驚く一堂


「それで舞踏会に行く女性の同伴者が必要なんだよ」


「キャーキャー」聞いたこともない奇声が女性達から飛び出す。


「リックが言うには踊れる人がいれば、養成所の女神達から選びたいって言ってたんだ」



 女性陣はうれしさと悲しさを同居させたような複雑な顔をしている。



「それって正式な踊りよね」とニーナ


「陛下主催の舞踏会だからね」


「私は踊れるわ」とカトリーヌ


「カトリーヌは踊れるの?」


「規模は小さいけれどベロニーニで貴族が主催する舞踏会に二回ほど出席したことがあるの」


「じゃあ カトリーヌにお願いしたい もう一人いないのかな?」



 誰も声を発するものがいない。



「ソフィーとは踊りの練習をしたことがあるの」とカトリーヌ


「私 舞踏会に出たことないし 男性と踊ったこともないから自信ないよ」


「週末までには時間がないし少しでも経験があれば 助けて欲しい」



 カトリーヌに背中を撫でられて、うつむいていた顔をあげるソフィー



「うん 頑張ってみる」


「ありがとう ソフィー」


「ああん 私も行きたかったな」とダコタ


「私も本当は行きたいわ」とカミラ


「リック君と舞踏会で踊るなんて」とニーナ


「経験できればよかったんだけど」とペギー


「どんな雰囲気なのかしら」とリリー


「それから授業が終わったらすぐに着かえて門の前に集まって欲しい、採寸を図るために必要なんだって」


「ええ 私 ヘトヘトよ」とカトリーヌ


「そうそう」とソフィー


「今日じゃなかったら次の手を打つってリックが言ってたんだ」


「しょうがないわね」とカトリーヌ



 こうしていいタイミングで舞踏会の話をできたストアはホッとした気分になったのだった。

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