表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/170

72話 4人でハンデル商会へ 冒険者養成所 63日目

 ストアは授業が終わり部屋に戻るとリックが帰って来た。



「あっ リック カトリーヌとソフィーが踊れるって言ってたから、用意して門まで行こう」


「本当かい 踊れる子がいてよかったよ」


「でもカトリーヌは舞踏会の経験があるけれどソフィーはカトリーヌに教わってただけなんだ」


「経験者が一人いれば手本を見せることもできるから大丈夫だよ」



 すべてが未経験なのはストアだけであった、得意なものは得意だが弓では成果がでなかったストアは心配だった。



「今日はどういう服装で行くの?」


「普段着でいいんじゃないか」


「わかったよ」



 二人は着替えて門で待っているとカトリーヌとソフィーがやってきた、やっぱりバッチリお出かけスタイルだった。



「すまないね カトリーヌ ソフィー」


「そうよ ストア君に魔法の時間にしごかれてヘトヘトだったのに」


「ストア いくら女の子が可愛いからって いじめちゃいけないよ」


「もう カトリーヌもリック君もストア君をいじめないで」とソフィー


「クスクス でも 疲れてるのは本当よ」


「ストア 魔法の時間はお手柔らかに頼むよ」


「あ~あ 俺が一番大変なのに」


「ブブブ」とやっぱり笑う三人だった。



 そして出発しようとしていた時に女の子の声が聞こえてきた。



「ちょっと 待って」



 振り向くとカミラ・ニーナ・リリー。ペギー・ダコタそしてブロッサムまでやってきた。



「どーしたんだい 君達」とリック


「私達もついて行っていいかな」とニーナ


「ドレスを着てる姿を見たくなって」とカミラ


「気分だけでも味わいたいの」とダコタ


「しっかり見ておきたいわ」とペギー


「私もやっぱり憬れみたいなものがあるの」とリリー

 

「どうするの リック」


「う~ん 行って帰るだけだよ どこにも寄らないけど それでもいいかい」


「やったー」と喜ぶ6人



 ストアとリックは話し合って前がストア、後ろはリックで移動することに決めた、リックが前だと目立つので後ろの方がいいと判断したのだった。


 いつものように美女軍団はガイガイワヤワヤしながら歩き、ハンデル商会まで着いた、人通りが多くなると美少女揃いなので注目を集めていたがストアとリックは護衛兵のように真顔で通した。


 店の前まで行くとリックが先頭になり裏口から店に入った。


 従業員が一斉にリック達を見る、中には目が輝いている従業員もいた。


 

「お待ちしてました しかしお二人と聞いてましたが」とモリッツ支店長


「みんな来たいというから連れてきたんだよ」


「そうでしたか 何はともあれ こちらへおいでください」


「ありがとう」



 そういうとリック達はモリッツ支店長の誘導で2階の部屋に通された、そこにはハンガーラックにたくさんのドレスと女性がいた。



「サイズがわからなかったので10着ほど借りてきました、手直しした時は買取の約束もしていますので手直しが必要なら彼女に申し付け下さい」


「ありがとう 自分では時間もコネもなかったし助かったよ」


「いえいえ リック様が頼まれごとをするのは稀ですから私もお役に立ててうれしいのです」


「そう言ってもらえると助かるよ」


「では 私は失礼します 何かあれば店長室か従業員に申し付け下さい」


「どちらにしろ後で会おう」



 そういうとモリッツ支店長は出ていった、その時にストアと美女軍団も礼をした。


 ドアが閉まった途端にドレスに群がる美女軍団が騒々しいけれど笑顔が眩しいのも事実だった。


 騒いでる美女軍団から離れポツンとしている仕立て屋の女性にリックは声をかけた。



「僕はリック 貴方のお名前は?」とリック


「ヘルマと申します リック様」


「ヘルマさん 騒がしくてすいません」


「いえいえ 若い子がドレスを見て喜ぶのはしょうがないことです」


「おーい みんな」



 一斉に振り向く美女軍団




「こちらは手直してくれるヘルマさん」



 ヘルマさんに一堂礼をする、そして礼を返すヘルマさん。



「カトリーヌ ソフィー こっちに来てくれ」



 リックの横に並ぶ二人。



「彼女達に合うサイズを測って合う服を着させて手直しが必要な場所があったら直して欲しんだ」


「わかっております リック様」


「それじゃ 頼みます」



 メジャーを持ちカトリーヌとソフィーに近づくヘルマ、その時にカトリーヌが言った。



「そろそろ 外で待っててほしいんだけど それとも着替えてる姿でも観る」


「後が怖いので退散するよ いくぞストア」


「この前の部屋で待つの?」とストア


「ああ そうだな 応接間で待ってるよ」



 うなづく美女軍団、リック達は一階の応接間で待つことになった。


 ドアを開けると何故か従業員が屯している、そしてリックの姿を見ると直立になる。


 リックはそれを見てクスリと笑い、従業員たちに声をかけた。



「君達 ここにいるのなら彼女たちが出てきたら応接間にいるから知らせてくれ」とリック。


「わかりました」と従業員達。



 リックとストアはそのまま応接間に行き、茶を楽しんだ。


 しばらくするとノックの音がして従業員が知らせてきたので2階に行くリック達、ドアが開くと中が見える場所に従業員を並べさせドアを開くリック、そこには今まで見たことがない美女がいた。



「おおっ」と思わず声を上げる従業員。



 リックやストアも驚いた、純白のドレスはいつもイタズラ好きのカトリーヌも元気でかわいいソフィーも美しいレディーになったように見えた。



「いつも綺麗だけど やはりドレス姿は特別だな」


「こんな綺麗な子だったんだ」とストア。


「ありがとう うれしい」とカトリーヌ。



 ソフィーは頬が染まっていた。


 リックはいきなりカトリーヌの手を持ち上げて中央にエスコートする、そしてリックはストアにウインクをしてソフィーをみる、ストアは顔を真っ赤にしながらソフィーの手を持ち上げて同じようにエスコートしてリック達の横に並んだ。



「最初にしてはうまかったぞストア」


「恥ずかしい」とストア


「そうそう」と同意するソフィー



 周りのみんなはうっとりしながらリック達を眺めるのであった。



「少し踊ってみようか?」


「そんな気分になったの?」


「ああ 蝶が舞ってる姿がみたくなったよ」



 リックは左手でカトリーヌの右手をからめ、右手でカトリーヌの肩を抱き、ステップを踏んだ、カトリーヌも同じ動きをして初めてとは思えない踊りを披露した、そして手を上にあげてその下で回転するカトリーヌ、美女軍団たちもため息が漏れるばかりだった、それは直立している従業員も同じだった。



「カトリーヌ 上手だね」


「リック君のエスコートがよかったからじゃない」



 両手をつないで語り合う二人。



「盛り上がっているところ悪いんだけど私もドレスを試着してみたいんだけど」とニーナ


「それは賛成よ」とペギー


「カトリーヌとソフィーだけズルイ」とダコタ


「ドレスを着てエスコートだけでもされてみたい」とカミラ


「実は私も着てみたかったの」とリリー


「私からもお願い だってみんなはドレスを着る機会がないでしょ」



 ストアとソフィーはストアがソフィーの手を持ち上げたまま、ずっと固まっていた。



「う~ん ヘルマさん 頼めますか?」とリック


「いいですよ こんな綺麗な姿を見たら私も着たくなりますもの」


「ワーイ」リックの周りに集まる美女軍団


「ごめん リック ここからどーしたらいいの?」とストア。


「はっはっは 疲れたら手をはなせばいいさ」



 ホッとしてソフィーの手をはなした。



「疲れなかった」とストア


「大丈夫」とソフィー


「リック君 ストア君 はやく出て行って」とダコタ



 ストア達は追い出されるようにまた応接間に退避した。



「女の子をあんな風に扱うんだ」とストア


「いい機会だから 女性の扱い方を覚えるんだ これも愛の女神のお導きさ」


「俺にまで愛の女神は慈悲深いよね」


「フフフ はっはっは」と二人同時に笑うのだった。



 しばらくして、従業員のノック音が聞こえたので2階へ上がるリック達、さっきより従業員が増えていた。


 ドアから位置に並べても見れない従業員が出たのでリック達が入ると部屋の壁沿いに並ぶように配慮するリック、従業員にまで気配りのできる男だったのだ。


 そしてドアを開き中に入るリック達、そこは殺風景な部屋とは思えないほど輝いて見えた、まるで舞踏会の会場にのように。


 横一列に並びドレスを裾を持ち上げ挨拶する美女軍団。


 後ろにいる従業員はデレデレになっていた。


 

「ストア 僕の真似をして彼女達をエスコートするんだ」



 まずカトリーヌの目の前に立ち礼をして手を取りカトリーヌを誘い歩調を合わせて歩き、最後に手をあげて回転して体を寄せ、また手を取り誘導して元の場所に行き礼をして手をはなした。


 ストアとソフィーも見様見真似でギクシャクしながらもエスコートした。


 そしてリックとストアは全員をエスコートするのだった。


 従業員にはカミラへの視線が熱かった、不慣れな場面でも堂々としている姿はやはりハンブイヒの太陽だった。


 ニーナはやはり甘えモードになっていた、ストアの時にはそんなことはもちろんなかった。


 リリーは高揚しているがいつもと同じように振る舞った、流石はリリー、いつも天使、今日は麗しい天使だった。


 やはりペギーは感激のあまり泣きまくった、会った時はあんなに強気な子だったのに人は変わるものだとストアは思った。


 ダコタは冷静なふりして感激を隠し切れなかった、リックを見つめる目は恋してる目そのものだった。


 ブロッサムをエスコートしている時は犬の散歩みたいな気分になったストアだった、


 みんな満足したと思いたいリックは帰る準備をするように言った。



「これ以上 遅いと帰りが大変だから早く着替えて帰ろう」とリック


「まだ着ていたいのに」とニーナ


「でも帰り道が危険になるから急いでほしい」


「わかったわ リック君 守ってね」



 リック達はまた応接間に戻る、従業員達も急いで職場に戻った。


 リックは支店長と打ち合わせをすると言って出ていき、ストアは最後においしいお菓子を口いっぱいに詰め込んで満足したので応接間を出て美女軍団を待っていると気分が高揚感に包まれた女神達が来たので最後にモリッツ支店長に挨拶をして店を出た、従業員達は一生懸命手を振っていた。


 リックとストアは夕方になった道を真顔モードで美女軍団を護衛して帰る、しかし人通りが少なくなった時に6人の男達に囲まれたのだった。



「かわいいね」


「ウヒョ 飛びっきりだぜ」



 ニタニタしながら近づいてくる、するといつの間にかに後ろにいたボスらしき男とストアは肩を組んでいた。



「兄弟 元気してた?」とストア



 その声に一斉に振り向く残り5人の男達。



「俺 この子たちの護衛してたんだ 用があるのは俺だけでしょ」


「何言ってやがる」 「ガキが」 「どーしたんです兄貴」と残り5人の男達。


「そうだよね兄弟」とストア


「ああ そうだよ お前だけだよ兄弟」


「ごめんだけど先に行ってて」とストア


「先に言ってるよ」とリック



 そうして美女軍団とリックは離れていった。



「兄貴 上玉 そのまま行かせていいんすか」


「うるせい 黙ってろ」とボスらしき男。


「こんなに五月蠅いと話もできないよね兄弟」


「ああ そうだな」


「また落ち着いたら連絡するから その時にはよろしく」



 そういうと肩を組んでいた手をはなしてストアは帰って行った。



「兄貴 どうしたんですか?」


「俺の肩をみろ」



 そこにはストアの手の形がはっきり残っていた。



「なんじゃこりゃ」


「こいつはひでえ」


「やり返しましょうぜ」


「お前らは馬鹿か あいつが俺の横に来たのを気付いたのか?」


「アッ」


「いつでも俺達を倒せたんだよ」



 そんな話をしているのを知らずストアは追ってくるかもしれない男達の気配を探りながらゆっくり冒険者養成所に帰ったのだった。



 帰り着くとみんなが待っていた。



「みんな まだ いたの?」


「ストア君 大丈夫?」とリリー


「あのまま兄弟と話して帰って来ただけだよ」


「本当の兄弟なの?」


「アッハッハッハ」と笑うリック。


「兄弟かもしれない」とストア。


「いい兄弟ね」とカトリーヌ


「知り合いがハートビートにいて羨ましいわ」とカミラ


「みんな もう 私はストア君の味方よ」とソフィー



 なんとか大騒ぎにならずに済み、ストアの平和な日は続いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
投票お願いします 小説家になろう 勝手にランキング  
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ