67話 リック 反省会を開く 冒険者養成所 61日目
魔法の時間になりいつもの三人のメンバーが集まるが変な動きで歩いてくる美女がいた。
「リタ 大丈夫かい」とリック
「あいや わかってたけど 筋肉痛が痛い」
「ガッハッハ 俺と同じ目にあうくらい飛ばしてたんだな」
「女でもこれぐらいできると見せてやりたかったからね」
「気持ちはわかるぜ 昨日の負けはきつかったぜ」
「そうそう それなんだよ アレクシス」
「なんだいリック」
「僕達は自分の動きに自分でついてこれない それは身体強化で戦うことの経験不足が大きいと思うんだ」
「身体強化で戦ったら相手も自分もボロボロになるだろ」
「それでさ 剣を使わず防具の場所を当てる 殴り合いの稽古をしてみたいんだよ」
「俺は別に構わないがリックが耐えられるのか」
「多分 大丈夫さ 身体強化でおおっているし防具の上、限定なら耐えられるさ」
「私はリック達の様子を見て参加するかどうかを決めるよ 今は筋肉痛だからどちらにしてもできないけど」
「ああ それで構わない」
「早速 やろうぜ リック」
「そうだな アレクシス まずは僕の防具の上から殴ってくれ」
リックとアレクシスが向き合うとアレクシスがリックの腹を殴った。
「ボム」
「大丈夫だ 次は身体強化した状態で殴ってくれ」
「わかったぜ 死ぬなよリック」
そういうと気合いを入れて身体強化を発動するアレクシスそしてリックの腹にスピードとパワーが強化されたパンチが炸裂する。
「ボムン」
という低い音が響くとリックはパンチを腹にもらうと吹っ飛ばされゴロゴロと何回転もして止まった。
「リック 大丈夫か」とアレクシスが走ってくる、リタも不安そうだ。
「あはは 腹に集中して足を身体強化するのを忘れてた」
「それで大丈夫なのか?」
「ああ 大丈夫さ でもパワー重視よりスピードを重視してくれ そうじゃないと身体強化のスピード感に慣れる訓練にはならないからな」
「ああ それもそうだな ついつい力を入れちまった」
それからもう一度、リックの腹を殴ったが今度はリックは吹っ飛ばなかった。
そして次はお互い距離を取り構えて殴り合う稽古をすることにした、いつもの剣で戦う間合いだったがアレクシスが飛び込むとリックが避けるとリックの後ろまで飛んで行くのだった。
「飛びすぎた それに殴るタイミングがわからない」
「最初からはうまくいかないさ 続けよう」
「おう」
殴り合うどころか距離感や殴るタイミングに苦労する二人、魔力と筋肉の悲鳴を計算しながら、短い時間で訓練をやめるのだった。
「最初はこれぐらいにしよう 明日の筋肉の調子を見て時間を伸ばしていけばいいだろう」
「やってみると チェーン師匠に全力で戦いたいなんて言ってた自分が恥ずかしくなるぜ」
「僕もそう思ったよ 慣れない格闘系の訓練だけど この前に来た三人組は戦いに組み込んでるみたいだったし、そういう意味でもいい稽古になると思うよ」
「ああ いい稽古ができてる だけど あと1か月しかないなんて 俺達には時間がなさすぎる」
「私もこんなに楽しい稽古は初めてだったし もっと続けたいよ」
「そうだね そうだったね あと 一ヶ月なんだね」
体からあふれ出る充実感と少しセンチ気分が混ざった三人はその後もいつもの訓練やチェーンに習った訓練を試しながら授業を終えたのだった。
そして・・・
いつものたまり場でチェーンに習ったことで刺激を受けた仲間達は稽古に力が入る、しかし一人だけ不服そうな男がいた、その名はクリストファー。
せっかく稽古して力をつけてこれからだと思っていたのに身体強化のスピードとパワーを目にして稽古するのが馬鹿らしくなっていたのだった。
「どうしたのクリストファー 調子が悪いの」とストア
「ポーション どうせ訓練したって身体強化した相手には勝てないだろ」
「勝てないことはないけど クリストファーも身体強化の訓練をすれば使えるようになるよ」
「本当か」
「ただ系統が違うと魔力の消費が多くなるんだよ」
「そうなのか? それでどうすれば使えるようになるんだ」
「一番簡単なのはリック達と同じ授業に出ればいいんだよ リタもアレクシスもリックからコツを教えてもらったんだよ」
「おーい リック」と大声で叫ぶクリストファー
そういうとリックが近づいてくる
「なんだい クリストファー」
「俺に身体強化を教えてくれないか?」
「クリストファーは水系統じゃないのか?」
「系統というのは相性なんだ 系統以外だと魔力の消費が悪くなるだけなんだよ」
「そうなのか」
「女子はそれで光魔法と白魔法ばかりに集まってるんだよ」
「どうりで女子が少ないのかわかったよ」
「教えてくれるのか?」
「ああ 別に構わないさ」
「はっはっは よろしく頼むぜ」
リックはストアの顔を見てお互い苦笑した。
それからすぐ元気に稽古を始めたクリストファーの素振りの音が鳴り響くのだった。
そしてその夜から光の剣に悪戦苦闘するクリストファーの姿があった。




