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68話 ストア光魔法の試験と白魔法の説明を聞く 冒険者養成所 62日目(前編)

 初めて行く白魔法の教室へ急ぐストア、教室に着くとやはり女の子だらけだった。


 男は俺だけかと錯覚するほど教室は女の子で一杯過ぎた。



「いたいた ストア君」といつもの4人とリリー達やカミラ達までが近寄ってくる。



 ストアは美女軍団に囲まれてしまった。


 そしてストアを中心に女子同士スクラムを組んでヒソヒソ話を始める。



「ストア君の近くにいると魔法がすぐ覚えられちゃうって本当なの?」とニーナ


「凄いのよ 特にブロッサムは光系統なのにウォ-ターを一発で覚えちゃったのよ」とダコタ


「そうそう手と手を合わせて魔法を唱えるようになって みんなほぼ一日で覚えられるようになって」とソフィー


「凄いわね ストア君」とカミラ


「そんなこと知られたら 養成所中の女子達に追い掛け回されちゃうわね」とニーナ


「このことは私達だけの秘密にしましょう」とペギー


「私達でストア君を守りましょう」とリリー


「これは鉄の誓いよ」とカトリーヌ



 お互いの目をみつめあい誓い合う美女軍団、勝手に話を進められても何も言えないストア。


 愛の女神が活動してないので押し付けてきたのかと思ってしまうストアであった。


 美女軍団はキリッとした顔になり、初回の者はストアと一緒に前へ行きリリー達は教室の出口近くに移動したのだった。


 そうすると教官が部屋に入りいつもの話をし始めた。



「初めて来た人は前へ来て下さい、質問や試験を受けたい人以外は自由行動です」


 いつもの大移動が始まる。


 5人は教官が見える場所まで来て説明を受ける。



「男子の皆さん 恥ずかしいならココに集まって話を聞いてください」



 影に隠れていた10人ぐらいが出てきて一角を占めた、男同士顔を見合わせ安心したような雰囲気が漂う、ストアも行こうとしたらみんなに止められた。



「それでは 説明を始めます 一番最初は皆さんお馴染みのヒールです 卒業者の15%は覚える魔法です お母さんに傷をヒールで治してもらった人も多いはずです」



 そう言うと目の前にある植物の切れ目の入った葉っぱに手を合わせ魔法を唱え始める教官。



「命の源よ我が光に導かれ傷を癒さん ヒール」



 そう唱えると手と葉の間に白い光が溢れ出てしばらくして光が消えると切れ目の入った葉っぱは元通りになっていた。



「おお」期待を込めたみんなの声が漏れる。


「このようにヒールは傷ついた部分を元に戻す魔法です 効果は術者の能力と練度に比例しますのでヒールが使えるようになっても完全に治せる訳ではありません それと傷を治せても体力は回復しません むしろ体力を消耗するので食事もいつもより多く摂った方がいいでしょう」



 うなづく生徒達。



「それと 筋肉痛はよほどの重症でない限り使わないほうがいいです せっかく鍛えても筋肉が増えなくなるからです。 それから年をとればとるほどヒールが効かなくなります 病の重い者、瀕死の重傷で体力が無くなった人にも効果がなくなります だからこういう人たちに安易にヒールを使わないで下さい」



 重い雰囲気になる生徒達。



「ただ光魔法と併用して使うとヒールの効果は倍増します だからできるだけ光魔法も覚えて欲しいものです」


 

 うなづく生徒達。



「ヒールは切れた葉っぱが元通りになれば合格です」


「わかりました」と生徒達。


「続いて 次の魔法はヒールウォ-ターです ヒールを水にしたような魔法です」



 そういうとコップの前に立ち指先をコップに近づけて呪文を唱えた。



「命の源よ しずくとなって傷を癒さん ヒールウォ-ター」



 白く濁った水がポタポタと落ちて溜まっていく、そして教官は切れた葉っぱをその水に浸してしばらくすると切れた葉っぱは元通りになった。



「この魔法はポーションの原型となったと言われていますが保存はできません 特長は遅行性と飲むことにより体内の細かい傷を修復できることです 主に内蔵を治したい時に使います また患部を浸すことによって部分欠損も治すことができますがヒールウォ-ターを長期間にわたって質と量を確保するのが難しいのでほとんど欠損治療は行われていません」



 ストアはこれがヒールウォ-ターなのかと思った、本では知っていたのだが実際に見るのは初めてだった。



「この魔法も切れた葉っぱが元通りになれば合格です」



 うなづく生徒達。



「初級の最後はペインレスヒールです これは痛みを一時的に抑える魔法です」



 そういうと男子学生に声を掛けた。



「君はさっきから腕を掻いてるけど痒いのかな?」


「はい 虫に刺されたみたいで」


「ちょうどいいわ ここに来て腕を出してください」



男子生徒は恥ずかしそうな顔をしながら教官の前に立ち腕を差し出した。



「命の源よ 痛みをせき止め 痛みを柔らげ給え ペインレスヒール」


そういうと痒い部分に光をあてる教官、しばらくすると光は消えて言った。



「どうかな 痒みは?」


「今は痒くないです」


「半時は痒くないと思います」


「あっ はい ありがとうございました」


「こちらこそ協力してくれてありがとう 元にもどっていいわ」



 そう言われると頭を掻きながら体を低くして元の場所に戻っていった。



「ペインレスヒールは痛みで治療を受けられない場合や痛みの伴う治療の時に用いられます ただ術者の能力が低いとすぐに効果がなくなってしまうので重症の場合は医者にはやく見せたほうがいいでしょう」



 うなづく生徒達。



「次は中級のヒールオールです ヒールを体全体に掛ける魔法です」



 教官は新たな植木を机の上に乗せた。



「この植木は切り込みがたくさん入っています 確認してみてください」



 ぞろぞろ前に来て、植木をみつめる生徒達。



「確認しましたね」



 そういうと植木の上に両手で三角を作り呪文を唱え始めた。



「命の源よ我が光に導かれすべての傷を癒さん ヒールオール」



 植木を包み込むように淡い光が発光してしばらくするとゆっくり消えていった。



「みんな近づいてみてください たくさんあった切り込みがきれいに無くなってますよ」



 また生徒達が近づいてきて感想が漏れ聞こえる。



「基本的に全身が傷だらけの時に使います 魔法医は救急の患者にとりあえず最初にかける魔法です この魔法だけで傷を完治させる魔法ではありません すべての葉が元通りになれば合格です」



 うなづく生徒達。



「次は上級のエレメントホールドです この魔法は魔力を溜めておく魔法です」



 そういうと後ろに控えていた新人教官が教官の前に現れて腕を差し出した、そしてしばらく教官は集中してからその腕に指をあてながら呪文を唱える。



「根源の流れよ 我に留めし力を与えん エレメントホールド」



 指先の一点に閃光が輝く、刺すような光でみんな目を伏せる、そして光が消えると指先を当てた部分が小さなコブになっていた。



「これがエレメントホールドです 魔力が全開のときに少しづつ溜まっていきます 非常に便利な魔法なのですが長期間維持したり何度も同じ場所に魔法コブを作ると石化病にかかると言われています この魔法を使用するときは最初に目的を決めてから計画的に魔法コブを作るように推奨されています またドラゴンの鱗などの強い魔物が非常に硬いのは石化病との関連性があるのではないかと言われています」



 もう一人の新人教官に目配せすると新人教官が空のコップを見せ、腕捲りをするとコブを見せてから、ヒールウォ-ターの呪文を唱えた、そうすると少量しか出せないヒールウォ-ターがコップから溢れるぐらい出して見せ、腕を生徒達に見せるとコブが無くなっていた。


 

 「おお」と驚く声を出す生徒達。


 「普通は少ししか出せないヒールウォ-ターもコブの魔力まで注げばこれぐらい出せるようになります」



 うなづく生徒達。



「魔法コブは魔力切れ状態になって魔力コブにも魔力がないと自然と消えます 消す魔法もあるのですがここでは教えません 魔力コブができれば合格です」


 うなづく生徒達。


「初級はヒール ヒールウォ-ター ペインレスヒール のいずれかができれば合格です 中級はヒール ヒールウォ-ター ペインレスヒールの3つができるかヒールオールができれば合格です 上級はエレメントホールドができれば合格です それから必要であれば各自植木をもらってから行動するようにして下さい 質問や試験を受けたい人以外は自由行動です」



 また移動が始まった、ストア達もその場から離れ教室の外で待っていたリリー達のいる場所まで移動するのだった。

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