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47話 ストア イエローファイヤーカッターに挑戦する  冒険者養成所 54日目


 今日の魔法の時間はイエローファイヤーカッターに挑戦しようと考えていたストアは自由行動の合図で鉄板と木の板を持ちだして、いつもの場所へハリーとベルトラムと一緒に向かった。


「昨日 何話してたんだ」とゲスイ顔をするハリー。


「ゴブリンの話だったよ」


「やっぱりそうか 俺もそう思ってたぜ」とハリー。


「ポーション その持ち物は何?」とベルトラム。


「木の板と金属板だよ 今日はイエローファイヤーの仕上げとイエローファイヤーカッターに挑戦しようと思ってるんだ」


「クソ 早すぎるぞ ポーション」


「おかしいよ ポーション」


「練習方法教えたんだから できるようになるよ」


「あーあ 結局練習あるのみか」


「だね」



 そんなことをしゃべっている間にいつもの場所に来た三人、ハリーとベルトラムは今日も集中化の訓練だ。


 二人は並んでお互い邪魔をしないようにライトの魔法の集中に取り組み始めた、ハリーはいつものボヤキも訓練の時には出ないようだ。


 ストアは自分も頑張らないとと思い、板を設置して3メートル離れた場所に立つ、イエローファイヤーカッターもしたいので完璧に仕上げたい、そう思いながら魔力の溜めに入る、大きく素早く魔力は見えなくても動きそのものはなんとなくではあるがわかり始めている、いい感じになってきたと思ったその時に呪文を唱え始める。



「熱き魂よ 更に集まり 更に交わり 解き放て イエローファイヤー」



 ゴゥーーーーーーーーーーーーーーーー黄色から薄黄色になってる炎が板に向かって行く、板に炎がふれると魔法を止めて、板を確認しに行くストア。


 板を見るとしっかり焦げ目が確認できた、納得したストアは新たに板を設置して4メーター離れた場所に立った。


(仕上げだ 決める)


 魔力の溜めに入る、ここに来てから何度も同じことをしてきた大きく素早く手の平に集めていく慣れれば効率化していけばいい、身体強化と同じように必要な時に必要な量だけ今回はさっきよりちょっとだけ大きい魔力を集めていいタイミングだと思ったストアは呪文を唱えた。



「熱き魂よ 更に集まり 更に交わり 解き放て イエローファイヤー」



 手の平の少し先からうす黄色の炎が勢いよく飛び出していく、今までより速いスピードで4メートル先の板に到達した、ストアは魔法を止めて確認に行く、板を眺めると今までで一番焦げ目がついていた。



「よしっ」と思わず声をあげるストア。



 次のイエローファイヤーカッターへの弾みがつく出来だった、ストアは張り切って次の準備にかかる。


 まずは鉄板はファイヤーカッター2倍の太さはある、ファイヤーカッターの倍の魔力を集めれば切れると思い、魔力を集めていく、目には見えなくても魔力がそこにあるように感じる、そして集中化させていく、いい感じだと思ったストアは呪文を唱え始める。



「集まりし黄色き炎よ 指先に集まり すべてを貫け イエローファイヤーカッター」



 鉄板に近づけた指先から細くするどい薄す黄色い炎が噴き出し、シューーーという音が鳴り続ける、鉄板は炎をあてた部分が真っ赤になり突き抜けた瞬間に火花が噴き出す、ストアはまぶしさと鉄から跳ね返る熱さを感じながら鉄板を切っていく、そして完全に切断した時に出る今までで一番重いゴトッという音で切ったのを実感するのだった。



「ハリー ベルトラム イエローファイヤーカッターに成功したんだ」


「本当かよ ここに来て、そんなに時間が経ってないぞ」


「ポーション はやすぎる」


「ウォーターカッターの火の魔法バージョンだからね クリストファーと競争で試験の板の厚さより厚い板を切りまくってたからね」


「ああ 凄い凄い」


「ポーション 僕は間近でみたい」


「それなら俺も見たい 見せてくれ」


「わかったよ 今度も切れれば それは実力として身に着いたことになるから 頑張るよ」



 そういうとストアは切断された鉄板を横に移動させ新しい鉄板を設置する、切断された鉄板をハリーとベルトラムがさわりながら確かめている。



「なんだよ 分厚いじゃねいか」


「これ本当に切ったの」


「それイエローファイヤーカッター用の鉄板なんだ」


「俺達も切れるようになるのか?」


「原理的にはファイヤカッターで鉄板が切れたらあとは魔力を集める量を増やすだけだよ」


「最初の練習用の鉄板が切れればあとは練習だね」


「そうだよ 俺も水魔法の時は徐々に厚くしていったんだ」



 おしゃべりは止めにして魔力を集めるストア、真剣にみつめるハリーとベルトラム、集中化もスムーズになってきて呪文を唱えるまでの時間が少なくなってる気がする、指先を板に近づけて呪文を唱えた。



「集まりし黄色き炎よ 指先に集まり すべてを貫け イエローファイヤーカッター」


「シューーーーーーーーーーーーーーーーー」


「こんな音がするんだな」


「色もしろっぽくて細くてするどい」



 鉄板にあたった場所が赤くなり、穴をあけると火花が散り始める。



 「炎もまぶしいが火花も出てきやがった」


 「うわ~ チカチカする」



 うるさい外野を無視して切ることに集中するストア、みるみる鉄板が切れていき。



「ゴトッ」


「うわー きりやがった」


「分厚いのにはやいよ」


「ふぅ~~~」


「やったね ポーション」


「まいったぜ ポーション」


「ちゃんと切れてよかったよ」


「ポーション これからどうするんだ ホワイトファイヤーにも挑戦するのか?」


「ホワイトファイヤーは魔力の消費が心配だから 挑戦しないよ」


「もったいないよ ポーション こんなにはやくクリアしたのに」


「ウォーターウエイブという大技もパスしてきたんだよ クリストファーは使えるけどね」


「クリストファーはそんなに魔力が多いのか?」


「クリストファーの大技を一回でもみたら こんなマネはできないって思うよ」


「ポーションでもか」


「クリストファーって凄いんだね」


「いつも笑ってばかりだけど 怒らせるととんでもないことになるよ」


「ふえ~ やばいぜ 気を付けないとな」


「ハリーは口が悪いから 気を付けないと」


「よし 決めた 今から試験を受けてくる」


「試験受けるのか?」とハリー


「合格したら 次に行くの?」とベルトラム


「時間がないからね 一度も教官の実演をみてない魔法があるからね」


「さみしくなるね」


「稽古では一緒だよ それに質問されたら答えるしね」


「まぁ そういうこったな」



 ということで三人一緒に教室に戻る、ストア達、色んな子が教官に質問したり、試験を受けていた。



 「ほとんど レッドファイヤーだな」とハリー


 「やっぱり これが普通だよね」とベルトラム


 「ポーションがはやすぎるんだ」とハリー



 そんなことを話ていると後ろで待っていたストア達の番が来た。



 「何か質問かね?」


 「いえ 試験を受けに来ました」


 「昨日試験を受けたばかりだったよな」


 「はい 練習したら手応えを感じて」


 「ほう では イエローファイヤーの試験を受けに来たんだな」


 「はい それと イエローファイヤーカッターもです」


 「ハッハッハ 面白い冗談だ」


 「いえ 本当です」


 「本当か じゃ イエローファイヤーをみせてもらおうか」


 「わかりました」



 そういうと板を持って設置台まで持っていき、3メートルの線の所まで下がって、呪文の溜めに入る、何回も繰り返した魔力集め、何も考えなくても、いつもの動作をすれば魔力が集まってくるように感じるストア、そして何回も繰り返した、魔力の集中、もうそれは武術の型のように自然に身に着いた行為のように感じる、そして呪文を唱えた。



「熱き魂よ 更に集まり 更に交わり 解き放て イエローファイヤー」



 ゴゥーーーーーーーーーーーという音と共に板に向かって行く白みがかった黄色に炎が板まで飛んでいき、魔法を止める。


 教官が板のある場所まで行き確認をする。



 「うむ 見事な焦げ目だ 合格だ」


 「すげー ポーション」


 「やったね ポーション」


 「みんな ありがとう」

 


  教官が笑顔になりながら歩いてきて。



 「次はイエローファイヤーカッターをみせてもらおう」

 

 「わかりました」



 鉄板を持って設置する場所まで行くストア、設置しているとワイワイと人が集まってくる。



 「あいつ イエローファイヤーカッターの試験を受けるつもりらしい」


 「あんな奴 みたことないぜ」


 

 ハリーとベルトラムはお互いの顔を見て笑いあう。


 ストアは鉄板を設置して魔力の溜めに入った、周りも静かになり見入っている。


 魔力を溜めて集中化していき、指先を鉄板の場所まで持っていくと呪文を唱えた。



「集まりし黄色き炎よ 指先に集まり すべてを貫け イエローファイヤーカッター」



「シューーーーーーーーーーーーーーーーー」



 炎の音だけが聞こえる、鉄板が赤くなり、突き抜けると火花が散る。



「おおっ」という声がする。



 眩い光の中火花をまき散らし鉄板を切っていく、そして。



「ゴトッ」という鈍い音が聞こえると。


「わー すげえ 切ったぞ」などとそれぞれがつぶやいた。


「うむ 合格だ 見事に切ったな 昨日の今日でこれだけのイエローファイヤーカッターができるようになるとは驚きだよ」


「この間まで水魔法のウォーターカッターの訓練をしてました」


「なるほど それでか う~ん それでも凄いことだよ」


「ありがとう ございます」


「今度はホワイトファイヤーに挑戦するのかな?」


「魔力が少ないと言われたのでしないことに決めました」


「う~ん そうか 出すだけなら可能だと思うが」


「魔力の多い人の魔法を見て、パワー勝負は無理だと気付いたんです」


「残念だな まだまだ時間はある 気が変わったら挑戦してほしい」


「わかりました」



 そういうとストアはその場を離れた、後ろからなぜか自分の手柄のように誇るハリーとベルトラムがついてくる。



「やったな ポーション 教官もベタほめだったな」


「おめでとう ポーション 凄かったよ」


「ありがとう 褒められると恥ずかしいよ」


「何いってんだ ポーション 周りの奴の驚いた顔をみなかったのか」


「みんな 驚いてたよ」


「魔法を使ってる時は必死だったからなぁ」


「俺もみんなを驚かしたいぜ」


「僕も練習頑張ろう」



 ストアよりもテンションが高くなったハリートベルトラムはより熱心に練習に励むようになったらしい。


 たった4日でストアはホワイトファイヤーを除く火魔法のクリアをした。



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