48話 リリーとペギーがやってきた 冒険者養成所 54日目
みんなで稽古を始めようとしていたらリリーとペギーがたまり場にやってきた。
劇場へ行く時ぐらいしか間近で見れない仲間たちのテンションが上がる。
ペギーはリックをみつけて声をかけてきた。
「リック君 それに ストア君 話があるの」
リックとストアはお互いを見て、ペギーの前へ行った。
「あそこの木陰まで行きましょう」
「いいよ」と4人は木陰まで歩いて行った。
仲間たちはゴブリンの事なんだろうなと思いつつ、リリーちゃんが去っていくのを残念がった。
木陰に着くとリック達に振り向くペギーとリリー。
「リック君 凄い魔物と戦ったの?」とペギー。
「ああ 狩りの帰り道に襲われてね」
「私達に襲われた話を聞いてくる人達がいて困ってるの」とリリー。
「ごめん 君たちに心配をかけたくなくて」
「俺もこんなに騒ぎが大きくなるなんて予想できなかったんだ」
「私たちに詳しい話をしてくれる」
「オリアンティがきれいな花をみつけて 取りに行ったら 急にゴブリンが出てきて襲われたんだ ケガをしたオリアンティをストアが治療している間にゴブリン達に周りを囲まれてしまったんだよ 女の子を守り切れないからストアの誘導で脱出を図ったんだ 僕は最後まで残って足留めをして しばらく一人で戦っていたんだけど ストアが戻ってきてくれて 僕と後退して 最後はストアは敵が逃げ出すまで戦ったんだ」
「リック君 一人で戦ったの?」
「ああ あの時はそうするしかなかったよ」
「リック君 どうして 全部 引き受けちゃうの」声が震えるペギー。
「そんなつもりはないよ」
「冒険者ギルドの時だって」シクシク泣き始めるペギー。
「ストアは僕にできないことをさせるつもりはないよ 僕がストアの代わりをできなかっただけさ」
「もう危険なことはしないで」
「できるだけ そうするよ」とペギーの肩を抱くリック
ストアの横で話を聞いてたリリーは清楚な可憐な顔でみつめる。
「ストア君は大丈夫だった?」
「うん 俺は大丈夫」
「そう よかった」というと一粒の涙が流れるリリーだった。
そして自然に肩を寄せ合うのだった。
一方、その頃、ストア達を見送ったハリーとベルトラムはボヤいていた。
「わざわざ リリーちゃんが会いに来るなんて」
「元々 あの二人が仲良くなったんだから 仕方ないよ」
「リックがモテるのはしょうがないけど リリーちゃんと仲がいいのはポーションの方だぜ」
「そういえば劇の帰り道 いつも一緒だよね」
「そうだろ だいたい ポーションが凄いのを知ってるのはココにいるヤツだけなのに」
「リリーちゃんも知ってるかも」
「俺はポーションが自慢してるところを見たことがない」
「全部 普通の事とみたいな かんじだよね」
「態度が変わらないヤツなんだよ」
「リリーちゃん そんな所が好きなのかも」
「ああ あり得るな 態度を変えず自然に振る舞うヤツ」
「ポーション 他の子にもモテてるのかな?」
「う~ん 知らないが嫌がってる感じの子はいないな」
「僕らも頑張らないと」
「自然に振る舞うとかできないぜ かわいい子がいたらウヒョウーだろ」
「僕はすぐ赤面しちゃう」
「ああ かわいい子にモテたいぜ」
「何 話しているの」とトーマス。
「おう トーマス 水魔法順調か?」
「成果は出てるよ」
「俺達も今 ライトの魔法で集中化の練習をしてるんだ」
「ああ ポーションに教えてもらったんだね」
「そうなんだ ファイヤーカッターとウォーターカッターが似てるらしくて 練習方法を教えてくれたんだよ」
「僕は集中化の練習をするようになってウォーターカッターが上達し始めたんだよ」
「本当にそうなんだな」
「やっぱり練習しなくちゃね」
「それはもういいよ 何を話してたの」
「ポーションがなぜモテるのか?ってな」
「ポーションがモテてるの?」
「リリーちゃんと仲いいだろ」
「そういえば あんなに男と仲が良さそうなリリーちゃんを知らない」
「だろ」
「それでね どんな相手にも態度を変えないからモテるのかなって」
「たぶん モテてても 気にしてないよ」
「気にしないのかよ 本当か?」
「ポーションは魔法を覚えるのに必死なんだよ」
「火魔法は今日でクリアしたぞ」
「必死には見えなかったよ」
「水魔法の時のポーションは凄かったよ」
「どんなかんじだったんだ」
「まず水が出てこなかったんだ」
「嘘だろ レッドファイヤーを一日で覚えてたぞ」
「本当なの?」
「3日ぐらいまではでなかったんだ」
「本当か イメージが違う」
「水がちゃんと出るようになったら すぐ使いこなせるようになったよ」
「でもはやいといえばはやいよな」
「次の氷の時はクリストファーと僕に氷をいっぱい出させて、その中に入って 俺は氷だと叫びながら氷魔法を覚えたんだよ」
「なんだよ それ」
「クスクス」
「あの時は笑ったよ」
「まじ必死じゃねーか」
「一番すごかったのは熱湯の魔法を覚える時だよ」
「どんな風だったんだ」
「クリストファーの激熱熱湯の入ってるバケツに手を入れてから魔法を唱えたんだよ」
「え~~~~~~~」驚く二人。
「みんな止めたんだけど ポーションがあるから大丈夫って言って」
「何がそうさせてるんだ」
「それからも 納得いく 熱湯が出せるまで 毎日、熱湯に手を入れ続けたんだよ」
「うわ~~~~」
「どうりで魔法が使えるようになるわけだ」
「だから火魔法を4日でできたとしても 必死だからだと思うよ」
「もっないよな リリーちゃんだぜ」
「それがポーションなんだね」
「妙に納得する言葉だな それがポーションか」
リリーちゃんにモテて口惜しいが最後は嫉妬心もなくなる結論を出す三人であった。




