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「まあ!」

「全員の本気を、本当の気持ちをあいつに示して理解してもらうには一度神経を逆なでにする必要があったんです。正面から打ち明けても彼はどこかで自分を駄目だと諦めていたことは見ていて窺えました」


 一体いつ、お前みたいなのが心理学を極めたんだよ。誰の心の代弁をしてる?

 そもそもお前らからそんな熱視線を浴びた覚えなどないぞ。

 うん? 熱視線……。



『「そうです!! 先生、これはクラスメイトとそして男にしか解らない領域でもあるんです!!!」』


 え、こいつらになにが起きているんだよ? 

 その他大勢、声をそろえてどうした?


 それも裏稽古で励んだ賜物か? 秋の学芸会にはまだ少し早いぞ。

 僕も男だが何にも見えて来ないぞ。

 お前らの話の意図がまったく見えん。


 また河東が挙手をした。


「いま、きっと自記(うぬき)は混乱して、理解不能に陥って俺たちの言葉を疑っていると思います。だからどうか先生が聞いてやってください!」


 河東にそう促された先生の熱い視線を受けた。

 僕に胸の内を尋ねているのはわかる。


「翔太くん? 正直に答えて。河東くんの指摘は的を得ているの?」

「え……混乱は、かなりしています……」

「彼らの主張にいくらかの疑いや不信感はあるの?」


 これって拒否権はない感じですか?


「あ、あります……」


 相手が蜜柑子先生だから、否応なしに答えてしまった。


 そりゃあるに決まってるだろ。これまでがこれまでなんだから。

 ──ッと!


「俺たちがどれだけ自記(うぬき)を心配して見守ってきたのか信じて欲しいんです!」


 いや挙手をしてから発言をしろ、舟木。

 先生の熱い視線を再び浴びてしまっただろが。


 こいつら先生に情熱をぶつけては、先生の目と口が僕にそのまま跳ね返る様に仕向けているんじゃないだろうな。


 いやそれは絶対におかしい! 

 そんな美味しい思いまでさせてくれるはずがない。


 学び舎の女神の母性本能を利用して壁打ちトークみたいな真似をするな。

 だからそれが嬉しすぎる行為だと気づかぬお前らではないだろ。


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