その6
「雪暫!」
手裏剣が起爆しようとした瞬間に一突きをすれば雪のような霜が付着し氷つき無力と化す原理に意味が分からない。
ただし、触れてるようなので塵になり消滅した手裏剣の役目は果たした。
「烈波!」
「はっや! 十!」
ポケットに手を伸ばすには間に合わない高速ウェーブに右小指に仕込んだ守りの盾をよびだす。
前後を阻む透明のバリアにより衝撃波を防いだがシルアが進撃してきた。
接近を絶対に許してはいけないと頭で分かっているため更に指輪の起動をする。
「二!」
左薬指の宝石を破壊して地中からアイアンメイデンを召喚する。
挟み込みのトゲ地獄をバックステップでなんなくかわし突きの体勢に入ると、砂ぼこりを巻き付かせながらアイアンメイデンを砕き守護の盾まで近接ししてきた。
急いで放り投げた光線銃を拾い上げ分解し新たな武器を再構築する。
連射力に優れた機関銃に変換。 あとは弾を装填するだけ……。
「迅突。 心臓頂いたわ!」
バリアを砕き音速を越える一撃の突きを避ける手段はないと思ったら大間違いだ。
間近に来るのを想定は常にしている。
どんなピンチな時でも逃亡可能な指輪も装備しているんだよ!
「五!」
「ぎいっ!」
ほんの数ミリ遅ければ心臓に風穴が出来るとこだった。
発動した左親指はもちろんぶっ壊れ効力は相手の影に移動する物。
姿を忽然と消し絶好の背後からの奇襲チャンスだ。
一気に二十種類のブロックを弾丸に変えてセッティングをする。
機関銃の回転する物音に即座に反応するが身体が密着するほどの至近距離からでは連射を避ける方法はない。
このままくたばれ!
「華吹雪!」
色とりどり弾丸が銃口から放たれたが正確に弾一発を斬り散らしてくる。
高速の弾を常人を超越した神速で次々と捌いている光景には眉を引くつかせてしまう。
魔法弾は底をつき無くなると機関銃に亀裂が一線に入り、パッと手を離し後方によろめきながら下がる。
「逃がさないわ。 そこを動くな!」
まさか弾丸を斬っている最中で機関銃に一撃を入れる余裕があるとは化物め。
斬撃は見えなかったが直感で離れて正解だった。
でなければゲームオーバだ。
「七、八!」
七の効力は暴風形勢する魔法でその荒風を身に纏わせ垂直で上空に逃避する。
八は生身だと風圧に耐えれないので力の方向を変え身体の負担をゼロにする魔法だ。
本来は攻める手段に使用する魔法を逃亡に起用するので、やっている行動は無茶苦茶だがシルアから離れることは成功。
加減をしてる暇がないがために高く飛びすぎた。
地上を見下ろすと放出しようとするシルアを目撃した俺はすかさず右手を翳す。
「一!」
辺り一面を焼け野原にする導火線を引くとすざましい爆発が巻き起こる。
足元からの奇襲爆破は巻き添え前提の最終手段だ。
これで倒れてくれたら嬉しいが……。
「味なマネをするじゃない!」
爆風を利用して空から落ちる俺に向かって一跳びで迫ってくる。
衣装が所々焼けてるとなると爆発は受けたらしい。
それでも無傷。 なんて奴だよ全く。
「9(ナイン)!」
空中戦も想定した布石を使う時が来たようだ。
透明化を施し元から配置してあった無数の剣を解放する。
地表とは違い足場がない状態で避けることは叶わないだろ!
「全剣一斉発射!」
「烏山」
一回転に届きもしない漆黒の剣を振るうと遠距離で配置した無数の剣は撃破される。
衝撃波を放った感じもしない静かな剣技に魅了すらする。
仕掛けは無駄になったが隙は生まれた。
翼のない俺は落ちるだけでシルアに接近していくのみ。
重力を駆使して巨大な金槌を創造し重さでシルア押し切る。
「重量のあるハンマーで落ちろ!」
「お、もっ……い!」
かち合った異種の金槌とハンマーを擦りながら地上に激突。
背中から激しく打たれたとゆうのにシルアに表情の変化ない。
頑丈な肉体ものだ。
此方は腕が痺れたんだがな。
「固まれ!」
吸収され脆くなったハンマーを手離しポーチからセメントに似た魔法をシルアに流し込む。
空気に触れたら固まる仕組みの魔法。
ただの時間稼ぎだ。
「幻霊」
液体が流れ込む前に霧となり姿を消し目標を失った俺は躊躇うことなく現存する指輪を起動させる。
定石なら必ず背後に回り込んでいる筈だ!
「三、四!」
三の効力は傘のように展開する最高硬度を誇る六星の壁。
四の効力は指定した場所に隕石を落下させる地上破壊兵器だ。
これは賭けだ。
居場所を間違っていればジエンドの危ない橋渡り。
――結果はどうだ?




