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崩壊した異世界――レクシリア  作者: バル33
第三章:霊谷の森の姫

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その20


 体勢を崩しても俺を掴みかかろうとするが進行は止められない。

 槍を足元に突き刺し軸にして華麗に大きく飛び越える。


「おせーよ。 霊闢(フローレ)君よ」


 棒高飛びをしたのち階段上の霊闢(フローレ)に憎たらしい言葉をかけて去っていく。

 二階は開けた一本通路で敵の姿はないが左右にはドアが幾つも設置されている。

 もし奇襲するならこのドア飛び出して仕掛けてくるだろう。

 だったら最適な魔法ブロックをこの場で使用するまでだ。

 踏むところさえ残存すれば歩行可能な重力を無視しな魔法ブロックを加速した足に再び付与する。

 効力が発揮したところで壁を伝って地上を足を着けず天井を走っていく。

 世界が反転したように不思議な光景だ。

 重力は無効化してないのでマントに髪の毛はだらしなく落ちている。


「「曲者が塵となれ!!」」


 階段を上がって四番目の向かい合わせにある両ドアから闇を()き消す虹色の熱線……いや、障壁が突如展開される。

 正規ルートで突撃していれば消し炭にされていたが生憎に不正ルートの天井を張り付いているので当たらないが……マントの半分が焦げた。

 新調してすぐに廃品になるなんてショックだ。


「「侵入者撃………バカなぁ!?」」


 双子なのか容姿が似たオカッパ髪の霊闢(フローレ)が唖然として俺を見上げていた。

 例え反応してジャンプしても障壁の防御範囲は天井に近いとこまで展開される。

 どれだけ反射神経が良かろうと障壁の展開速度に殺られる寸法だが元々天井を疾走していた俺には効かない戦法だ。


「……どっちだ?」


 オカッパ霊闢(フローレ)が守護する二階エリアを突破し三階へと上がる階段の道が二つある。

 一つが正解でもう一つが不正解……迷ってる暇はない。

 行き道を選んでいる間もトルカとリーネの命を減らし続けている。

 早めに大将を討ち取らなければ二人が危険だ。

 運任せの右階段を選択したとこで加速魔法に壁走り可能魔法の効力が途絶えた。

 あれだけ買い占めた魔法瓶はまだあるがラスボス戦に出来るだけ残して置きたい。

 温存する傾向に決める。


「……なんだ左階段上がっても行き着く先は同じだったのか」


 三階に上がると向こう岸に降りる場所が確認できる。

 悩んで損をしたが……それより三階フロアを守護する霊闢(フローレ)の数がやばい。

 通路にぎっしりと詰め込まれた大群が目に映る。

 前言撤回。 温存をしている余裕などない。


「いかにも囚われのお姫様が居そうな部屋だな」


 色彩目立つ水色の扉に兵隊の数といい間違いなくカルラがいる。

 ……待ってろよ。 すぐ扉の向こうに行くから。


「目眩ましと」


 霧を詰め込めた魔法ブロックを通路中央に散布させ目眩ましをする。

 この間に幻影魔法ブロックを身体に施し、眩ました状態で霧に乗じて突撃。

 視界が悪く姿も目視しにくいなら反撃は難しいだろ。


「一斉放射せよ!」


 指揮官らしき霊闢(フローレ)が指示すると弾幕が無数に一通路に飛び交う。

 槍の効力を発揮しバリアを先端に展開。

 質の良い素材ではないため能力無しで弾を斬り裂けば破壊される。

 防御壁を発動させ避けれない圧縮のボールはバリアを纏った槍で凪ぎ払っていく。

 着実に魔法光線を弾きながら前へと進んでくと霊闢(フローレ)軍団の影が見えた。

 ここで槍のもう一つの能力、地震を発生させる。

 武器が壊れるほど揺れを増幅し体勢を確実に崩していく。

 上手く奴等は転けたが槍に限界が訪れヒビが生じる。


「全力防御へ!」


 能力持続効果の魔法ブロックをバリアと混同して使用し、防御を張った槍は役目を終え破片になる。

 更に五大元素の魔法ブロックで属性耐性を、暴風を発生させる魔法ブロックで敵を退けを、状態異常を防ぐ魔法ブロックで総動員に防御に回す。

 無防備の特効だが時間がないんだ。


「どけけけけえ!」


 体勢を崩しいくら防御を展開しても数多な魔法弾に剣が降り下ろされ、金槌で叩かれてはバリアは持たない。

 だが無理しても突破しなければカルラを救うことは叶わない。

 回避をする時間が勿体ない。

 爆走する以外に時間は費やせない。

 ただ突き進むだけのごり押しで先へと走る。


「がああいいいっ!」


 属性耐性は無くなり片足は炎で焼かれ、風撃で耳は切断された。


 ――それでも前へ。


 状態異常は無くなり毒霧で肺はやられ、右腕に麻痺針を打たれ感覚を失った。


 ――それでも前へと。


 頼みのバリアも無くなり腹部にナイフで刺され、槍で左目を持っていかれる。


 ――やっと扉に触れれた。


「突破……完了だ……」


 瀕死ながらも水色の扉をブロックにし中に侵入。

 その後出口のない障壁を形成させ応援を呼べなくする。

 視界が霞みよつんばに倒れ込む。 

 立つのは……限界だ。

 傷を負いすぎて痛みが激しい……な。


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