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まずいと言われキレ始めた女性達

その後の数日間ヒミコの元には連日大量の病人や老人が送られてきた。ただ、ヒミコにとっては大した問題にもならない。病人やけが人はいったん治療して健康体に戻してから餌にすればいいだけの話。

老人は精力は少ないがその分、量を食べるのでこちらも問題はない。

伯遠平国家主席もこれには驚いていた。まさかこんなにも早く解決できるとは思わなかったのだ。それに李玲玉秘書の有能ぶりにも感嘆せざるを得なかった。

そしてついにこの時がやってきた……。

「皆さん!これから重大な発表があります!」とテレビではアナウンサーが原稿を読み上げていた。この内容に衝撃を受けた人も多かったようである。なぜならその内容が衝撃的だったからだ。

なんと死刑制度を廃止するというニュースが流れたのだった。今まで幾度となく死刑廃止を訴えてきた活動家たちにとっては喜ばしいニュースである。もちろん廃止の裏側にはヒミカの影があることは間違いなかったしみんな周知の事実だ。解っているからこそ犯罪は激減してるのだから。しかし建前上の廃止とはいえ歓迎ムードとなっていたのだ。


それも当然のことだろう。死刑の代わりにヒミコが餌を貰っていくというシステムは犯罪者及び罪人にとっては恐ろしいシステムである。罪人にとっては死刑よりも恐ろしい処分といってもいいのではないだろうか?それゆえに死刑よりも厳しい制裁を受けることになるだろう。さらにこのヒミコという存在は死神のようなイメージで捉えられているため恐怖の対象になっているのだ。

それに人間と言う生き物はと言うよりも普通生き物は寿命があるので食料になる前に寿命や病気などで死亡するケースもあるのでその分の生贄が減ってしまうという懸念から犯罪者や動けない者など人間側からの提案で片っ端から生きながら餌になるためだけの冷凍保存(もちろんヒミコの急速冷凍による)されていくという恐ろしい体制も出来上がっていった。そのため百数十年は餌に困る事はない状態が整ってきた。


これに関しては李玲玉秘書が提案したことであった。

ヒミコとしてもありがたいことこの上ないシステムであり、万が一に備えてストックしておいた方が安全だと判断したからだった。それ以来死刑を廃止すると宣言した日から犯罪率が劇的に低下していった。

それに伴い収監される人数も減少の一途を辿っていき次第に監獄内は閑散とし始めたのだが、それでも減ったとはいえなくなる事はないのでストックと合わせたら十分すぎるほどの量だった。

それでも犯罪が起こる場合もあるので新たに人員を補充する必要も出てくる。そのため一定の生贄を確保することに成功した。

それと犯罪に関しては更に徹底的に厳しくしていき、そのため今まで以上に監視されるようになり、どんな些細なミスであっても厳しい罰を与えられるようになったのである。これはかなり効果的だったと言えるだろう。殺人罪などが主な対象ではあるが、窃盗罪や痴漢行為程度の軽微な犯罪でも容赦なく取り調べを行い処罰するようになったからだ。これにより犯罪件数は激減することになった。

また、違法薬物や反社会的勢力などが絡む事件に対しても厳しくなっていき取り締まりが強化された結果、治安が安定していったのも功績といえるかもしれない。

犯罪者や凶悪犯、さらには政治犯などを隔離するための施設を建設することに決めた。さらにその施設が完成してからはそれらの人々をそこに収容することになったのだ。そしてそこにヒミコが訪れた時、彼女はこう言ったという……。そのかいもあってか入院患者や高齢者らの生贄はひとまずされないことになった。が、逆に将来餌になる事と引き換えに末期患者や重傷者などが健康を与えてもらうという皮肉な取引まで存在し始めた。さすがにこれには批判的な声も上がり問題視されたが、それが患者本人の希望でもあり、ベッドの上で寝たきり状態で苦しむ位なら例え一時でも元気を取り戻し最後の人生を謳歌したいと思う患者が大勢いたからだった。ヒミコにとっては食料確保の目的だったとはいえそれで感謝されまくるのは皮肉なことだ。何をしても恨まれることが多い存在が感謝される存在になるなんて……それどころか女性達からも病気や怪我の治療をお願いされる程だったが女性には興味がないので放っておいた。なので病院も女性の入院患者ばかりが増えていくこととなる。そしてヒミコへの信仰心を持つ者も増え続け、ヒミコ教が生まれていくことになる。が、もちろん公式的に認められてはいない宗教なので地下組織に近い形ではあった。活動内容はと言うとすぐに生死にかかわるような状態ではないが長年怪我や病気で苦しんでるような人達を救済しようとすることだ。これにも大きな反響がおこる事になる。例えば生まれつき心臓病などで激しい運動ができない体だが食料になる事を条件に健康体にしてもらうといった具合にだ。しかも餌にされるまでは30年程度は元気に過ごせるし、例え事故や病気になっても即治療してもらえるというなど至れり尽くせりなのだ。

これらの事柄が国民に伝わっていったことで国民の意識が大きく変化し始めていった。餌になるなら怪我や病気も怖くないと考える者が増えていったため病院での待ち時間も大幅に短縮されることになり、手術も簡単なものばかりになったため成功率も上がり、死亡率が下がるという嬉しい誤算となったのだ。これには医師たちも大喜びしたという。

どうやらヒミコ教の信者達の働きかけも大きかったようである。こうして徐々に広まっていった結果、餌になる覚悟があれば死ななくて済むという考え方になってしまったのだ。

そしてヒミコ教はどんどん拡大していくことになる。それに反比例するかのように女性達の不満も高まっていくこととなるが‥……。

「なんで男だけおいしい思いするのよ~!ずるい!!」

「そうよ!不公平だわ!あたしたちも助けて欲しいわ!」

「ヒミコさんったら冷たいんだから。冷たくて当たり前か」と女性陣たちがヒミコに詰め寄っていた。ヒミコ教の教えによるとヒミコは男性を養分にする存在であるためヒミコ教の信者である。それゆえ男性はヒミコ教に入れば病気や怪我をしてもヒミコによって治癒されて健康体になるので羨ましがられる。その一方で女性は治してくれないので不公平だと感じている女性達が多いのだ。

「だから言ってるでしょう?私の食事は人間の男の精力なのよ。女なんて食べたって美味しくもなんともないんだから。それに男を差し出せば女は助けてやるって条件だっているのよ」とヒミコは溜息混じりに答えた。

「でもさぁ~あたしたちだって怪我したり病気になったりしたら苦しい思いしてるのよ!不公平よ!」と女性陣達がヒミコに抗議していた。

「いやいや、おかしいでしょ。食べるために治療してるのよ。あんた達食べられたいの?まずいと思われてるって事は殺されないって事なのよ」とヒミコは不思議そうな表情だ。

ヒミコはもう何百年と生きているが食べないから抗議されるなんて初めての経験だからだ。それゆえ困惑しているのが現状だった。

「だって仕方がないじゃない!死ぬほど苦しい思いしてるのに見てるだけで助けてくれないんでしょ?」

「そんなのありえないわよ!」と女性陣の抗議はエスカレートしていくばかりだった。

ヒミコとしても困った状況だった。かと言って自分が折れてしまっては元も子もないわけで……

「はぁ~面倒臭いわねぇ……どうせ食事にしないんだからあんた達で解決しなさいよ」

「ええ~?できるわけないじゃ~ん。だってさぁ……」と女性陣の抗議は続く。

「うるさい!とにかく私はもう関わらないから!」

とヒミコは怒って飛び去ってしまった。残された女性達は「もうどうすればいいのよ!」

「こうなったら誰か医療に詳しい人に頼るしかないんじゃない?」

「あ!そうだ!確か中国に李玲玉さんっていたよね!」

「ああ、そうだった!ヒミコ様と一番仲良しなのよね!」

「そうそう!それにあの娘美人だしスタイルもいいしあたしたちと同じ女だしね♪」と盛り上がり出した。

「よし!決まり!早速行くわよ!」「おおっーー!!」


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