王女様に会いました
なんで――。
「あぁ、ミーナ。あなたをずっと待っていたのですよ」
「タウ、ミーナにくっつきすぎ」
なんで俺は――。
「いいじゃないのですか。私は偉いのですから」
「ミーナは私の、あなたのじゃないわ」
なんで俺は、タウ王女に抱きしめられているんだ……!!
――時は数分前に遡る。
奈々葉ではなく、俺を出迎えに来たと言うカラットさん。
『タウ様の部屋まで案内いたします』と言われ、大人しくついて行くと、金髪に白いメッシュが入っている少女が居る部屋に通された。
あぁ、きっと彼女がタウ様なんだろう。そう思い、失礼とは思いながらもできるだけ顔を合わせないようにしていたら、タウ様が近づいてきた。
(えっ、何!? なんで近づいてくるの!? やめてください王女様、わたくしめは汚らしい奴隷です。指名手配犯とは何の関わりもないのです。だから近づかないで、顔を覗き込まないで。あ、いい匂い)
「か、可愛いのです~~~!!!」
「うぶっ!?」
俺はタウ様と思わしき人物に抱きしめられた。
(ホワイッ!?)
驚きのあまり、前世でも殆ど使わなかった英単語を心の中で叫んでしまった。
そして、最初に戻る。
「タウ様とミーナさんは知り合いだったのですか?」
「あら、カナムラ久しぶりなのです。ついでにナナも久しぶりなのです居たのですね」
「私達、さっきまで喋ってたわよね?」
「ごめんなさいなのです。私、ミーナしか見えて無くて。あ、カナムラの質問に答えるのです。私とミーナは知り合いじゃないのですよ。私が一方的に知ってただけなのです」
え、俺ってもしかして有名人? ってそんな訳ないか。も、もしかしてあれか。
お母さんと父さん経由で俺の事を知っているとか!? 俺、もう指名手配犯の娘だってバレてる!?
このお母さんのように優しい包容も俺を捕らえる為の罠!?
「昔、ミーナのお母様とお父様にはとても優しくもらったのです。最近やっと居場所を特定して会いに行ったら……」
……。見たのか。俺の家だった場所を。
きっと、父さんやお母さんの事も……。
「でも、ミーナの死体だけは見つからなかったのです。それで血眼になって探すと、奴隷商に売られてナナに買われたという情報を手に入れたのです」
「ナナ様がミーナさんを買ったのは昨日なのに、早いですね」
というか俺の家にあのクソ共が来たのが、五日ほど前の事だ。
そんな短時間で俺を見つけるなんて、この世界の諜報機関は前世よりもいいんじゃないか?
「それはもう、他の仕事をほっぽり……先送りにして探しましたのですから。できれば、ナナに買われる前に見つけたかったのですが」
おい! 今ほっぽりって言ったぞ! この国王やっぱり暴君だ!!
カラットさんが困った顔をしてるぞ!
すみません俺のせいでって謝って頭を下げたい気分なんだが。
「という訳で、ナナ」
「何? ミーナに会いたかっただけなんでしょ。だったら私達、もう帰りたいんだけど」
「――ミーナを私にくださいなのです」




