139.ベイルが動いた結果
あの後、俺はアジトに残りカルガーが街から兵士を連れてきたんだ。そこからは、その場で色々聞かれたりしたんだが、街に戻ってからも兵舎で取り調べを受ける事になった。ここまで予想通りだ。そうして兵舎に入ったら隙を見て牢屋のカギを奪って立て籠もったって訳だ。牢屋の壁から伸びている手枷も嵌めたから、もう、そう簡単に俺をここから連れ出せねえぞ。
「隊長、このパターンは初めて見ました。どうすればいいでしょう?」
「私も分かる訳がないだろう!牢屋に立て籠もるなんて前代未聞だ!」
「まあ、そんなに興奮するなって。話なんてここでも出来るだろう」
「「お前が言うな!!!」」
興奮する兵士達を宥めたつもりだったんだが、怒られちまった。怒るんならこういう作戦考えたカルガーに言ってくれ。ここなら貴族は絶対来ないって教えてくれたカルガーにな。
■
「牢屋に立て籠もる?そんな事で貴族が来ないのか?」
「そうっす。貴族が牢屋に入れられるのは爵位取り上げられた後っす。だから平民落ちしたくなければ、牢屋周辺には近づくなって子供の頃から口うるさく教え込まれるっす」
「でも別に悪い事してないなら近づいても関係なくねえか?」
「『牢屋に近づいた』その事実だけでどうとでも噂が流されるっす」
うわー貴族面倒くせえ。俺が貴族だったらそれこそ何回噂流されるんだって話だ。
「でもよ、騎士とかは牢屋に罪人放り込んだりと近づかねえといけない事もあるだろ?」
「上級街に牢屋はないっす。騎士達は犯人を捕縛した後は、中級街の兵士に引き渡して、犯人は中級街の牢屋に入れられるっす。捕縛の時点で既に犯人の爵位は取り上げられて平民っすからね」
へえー。これなら元貴族の平民が捕まる事はあっても現貴族が捕まる事は無いのか。貴族は絶対に捕まらないって、なにかすげえ貴族っぽいやり方だな。
「そう言う事なら分かった。俺は牢屋に引き籠ってればいいんだな?」
「そうっす。その間に自分の方で対応するっすから大人しく待っているっす」
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って事で、カルガーを信じて牢屋に引き籠る事にしたんだ。
「うむ、お前の言い分も理解した。確かにあのアジトは恐らく貴族が絡んでいるから、見つけたお前たちは恨みを買っているはずだ。確かにここにいれば我々が常に見張っているから暗殺は難しいな」
兵士の方には貴族うんぬんって話じゃなくて、暗殺者から守ってくれって話にしておいた。カルガーが言うにはこっちの方が兵士は分かってくれるとの事だ。実際分かってもらえたみたいだしな。
「ただなあ、そう言う事なら前もって話をしろ。手枷の鍵を壊しやがって・・・修理が終わるまではここにいてもらうが、自業自得だからな」
へへへ、それも作戦のうちよ。これぐらい強引にいかねえと、牢屋に引き籠れなかったかもしれねえからな。鍵の修理も3日ぐらいはかかるはずだ。その間にカルガーが全部終わらせてくれるって約束したから、俺はここでのんびり待っているだけでいい。
「おおー。本当だ。ベイル何しているんだい?」
「お前マジで意味不明すぎるぞ」
「本当に何考えているんですか?」
そうして呆れた兵士さんから同じ事を聞かれ取り調べを受けていると、別の兵士に連れられて、コーバスの連中が姿を見せた。・・・・あれ?トレオンがいねえな。また馬行ってんのかよ。
「よお、お前らも一緒にどうだ?」
「流石に牢屋はちょっとなあー」
「ジェリー感覚で牢屋に誘うな!」
「何でこんなに普通なんですか?ここ牢屋ですよ!」
ああ、来ねえのか?なら何でここに来た?こっちは色々考えて牢屋に入ってんだ、見世物じゃねえんだぞ!
「ご飯とかどうするの?」
「あ、すみません。モレリアさん、出来ればお願いしていいっすか?何か自発的に入ったから飯出ないみたいなんすよー。後ウイスキーも欲しいなあー」
「しょうがないなあ。一つ貸しだからね」
嬉しそうに笑うモレリアを見て、俺は頼む奴を間違えたかもしれないと思った。シリトラは・・・多分ウイスキーの差し入れはしてくれねえだろうから無しだ。ゲレロは・・・こいつ娼館行って忘れそうなんだよなあ。そうなると消去法でモレリアになる。なるけど失敗したかもしれない。こんな時こそトレオンなんだけど、あいつ何でいねえんだ?使えねえなあ。
「やあ、ベイルさん。僕にも少し話を聞かせてもらっていいですか?カルガーが全然捕まらなくてね。少しは情報が入ってきているんですけど、詳しく状況を把握しておきたいんです」
ああ、そういや、カルガーからも仲間が来たら教えておくように頼まれてたな。
・・・・・
「そう言う事ですか」
説明したらアーリットは特に思う所はないのかすぐに納得してくれた。
「大体、全員殺したんなら逃げれば良かったんじゃねえか?黙ってればバレなかったと思うぞ」
「俺もそう言ったんだよ。でもカルガーが、これで逃げたら俺らも極刑だって脅すんだもん。しかも報告は義務だとか言って譲らねえし、全くお前らの教育がしっかりしてねえからだぞ」
「俺達のせいにするな!カルガーの性格だろ。俺もクワロもそういう時は逃げろって教えたし」
何だよ、しっかり教育してんのか。だったらゲレロのいう通りカルガーの性格って事か。ったく面倒くせえ性格してんな。
■
「何だと?・・・私の聞き間違いか?」
珍しく動揺を顔に出した執事から報告を受けたボートレットは、自分の耳を疑った。
「いえ、アジトの一つが見つかったのは確実なようです」
「ど、どういう事だ?誰が裏切った?」
アジトのある場所は滅多に人が立ち寄らない、もし近づいても絶対に見つからないように細工がしてあると報告を受けている。そしてその報告が正しい事は、数十年誰にも見つからず順調に取引を行ってきた実績からも、偶然見つかったとは欠片も思う事は無かった。
「信じられないかもしれませんが、裏切りではありません。偶然発見されたようです」
「それは尾行に気付かなかった間抜けがいたという事か?」
「そうではありません。本当に偶然発見されたようです」
「どういう事だ!そんな偶然発見される場所にアジトはあったのか!報告では絶対に見つからないと聞いているぞ!」
「流石に今回は相手が悪かった・・・というよりこの相手は想定していませんでした」
頭に血が上ったボートレットだったが、執事の言い方が気になったので少し落ち着きを取り戻し、大きく息を吐く。
「貴様が想定していなかった相手とは誰だ?」
隣に立つ執事はボートレット家に長年仕えており、ボートレット家の為に汚い仕事も今まで完璧にこなしてきた人物だ。その執事が想定していなかった相手に興味が湧き尋ねてみたが、答えを聞けば納得だった。
「フェドリ家の娘が飼っているタロウという巨大なレッドウルフです」
「ああ、アレか。そうか、あの魔物なら想定できんな」
「申し訳ございません。急ぎ他のアジトについても対応しなければいけません」
「そうだな。各アジトの商品は各々のルートを使い、急ぎディリングのアジトまで運ばせろ。運ぶ時の護衛は例の魔物が追ってきた時に対処できる連中を使え。追ってきた魔物に負けて商品を失くしたとか間抜けな報告は聞きたくないからな」
「承知致しました」
「それにそのタロウという魔物もさっさと殺さないと、商売が出来ないからそっちも対処・・・いや、また同じ事があっても困る。魔物を懐かせる方法を知っている連中も全員殺しておけ」
「・・・・・」
いつもなら指示を出すとすぐに返事をする執事が、何故か返事せず、静かに目を閉じている。
「返事はどうした?」
「ご当主様、情けない話ですが、同時進行はかなり厳しいかと、それにサファガリアの方も対応しなければ・・・」
チッ!そう言えばあいつも王都に向かっているんだったな。タイミングの悪い奴だ。今回王都に来るのはリエール派閥に所属した事を大々的アピールする為だと聞いている。
しかも噂ではクライムズ家と婚姻を結ぶという噂まで入ってきている。今話題の両家が婚姻を結んでリエール派閥に所属したら、他の連中も鞍替えしようと企むかもしれん。それだけは絶対に阻止しなければ!
うん?ちょっと待て。
「さっき出たフェドリ家はサファガリアの寄子では無かったか?」
「その通りです」
と言う事は今回の件、サファガリアの指示によるものか?まさか既に商売の事が知られていて、私を潰しに来たのか・・・いや、違うな。流石にサファガリア如きに知られるはずが無い。それにフェドリ家の娘は他に3匹飼っていると聞く、動くなら全てのアジトを同時に動くはずだ。
・・・・
分からん、連中の考えが全く読めん。サファガリアめ!何を考えている!いや、考えても分からないなら仕方ない。娘を殺して軽く脅すつもりだったが、仕方ない。不安要素はとっとと退場してもらおう。
「最優先はサファガリアだ。アレの排除を最優先で次が商品の移動だ。万が一の為に『影部隊』はサファガリアに使え!後は貴様に任せる!金はいくらでも使っていい!絶対に失敗するな!その他の事はその後考える」
「承知しました」
「分かっていると思うが、私が疑われるような事にはなるなよ」
「分かっております。あの新入りのケバールシ家までしか辿れないようになっていますのでご安心下さい」
■
「ジジイ!カルガーが見つけたってマジか!?」
『処刑人』だけが知る秘密の通路を通り、組合長室に飛び込んで来たトレオンは、頭を抱えている総組合長チェスターを見つけると大声で叫んだ。
その声を聞いてチェスターは慌てて防音の魔道具を作動させる。
「馬鹿が!誰が聞いているかもわからんのだ!注意しろ!」
「分かった。それよりもカルガーの件だ!アジトを見つけたって本当か?」
「本当だ。今は兵士たちが大慌てで動き回っている」
そう言うとチェスターは大きくため息を吐いて、また頭を抱えた。
「おい!どうした!ジジイ!大丈夫か!」
「大丈夫じゃない・・・ジークの奴が頭を抱えるのが分かった」
「組合長がどうした?マジでボケ始めたのか?」
「ボケとらんわ!こうなったのも貴様らのせいだ!まだ3日だ!3日でこれっておかしいだろー。コーバスの連中は今後王都を出禁だ!」
「よく分かんねえけど流石にそれは酷いだろ」
「酷くない!そもそも貴様もついていながら何でこう、トラブルばっかり起こす!こっちはまだ初日の投獄の報告の処理が終わったばかりだぞ!」
「何だよ、それなら昨日の喧嘩と今日ので後二つじゃねえか。そこまで怒らなくてもいいだろ?」
「はあー。そっちの方が大変なんだが・・・もういい。トレオンが来たのもアジトの件だろう。現状を詳しく教えてやるから黙っていろ」
・・・・・
「マジかよ。ベイル意味不明すぎるだろ」
「お前の言う通りだ!トレオン!!あのベイルとか言う奴は一体何なんだ!騒ぎばっかり起こしおって!しかも今日はお前らがずっと探していた人攫いのアジトだぞ!そして本人は牢屋に立て籠もるとか訳が分からん」
・・・・
「あー。悪いジジイ。俺もあいつの行動はマジで読めねえ。本人の言い分を聞けば、ただ目の前の美味しい餌に飛びついているだけらしいけど?」
「そんな訳あるか!それでアジトが見つかればこっちも人手を割いておらん!こっちはずっと追っていたんだ」
「取り合えずだ。ジジイ、ベイルの事はどうでもいい。それよりも人攫いだ!」
そう言ったトレオンから殺気が漏れる。
「分かっている。殺気を抑えろ。お前らとの約束だからな。コーバスには既に連絡を送っているが、この状況だ、間に合わなくても文句は言うなよ」
「それは仕方ねえ。文句は言わねえよ。ただ、人手が足りねえ。こっちに人を回せ!」
「言われなくてももうやっている。なんせ今回の件、組合員が絡んでいるかもしれんからな。王都の全ての『処刑人』は今の任務を中断させて、事に当たらせている」
「それならいい。だけど、俺を見張っている連中は何の真似だ?ジジイ、俺を疑っているなら冗談がきついぜ」
「違う。お前ら暴れすぎだ、コーバス組は狙われているぞ。お前の担当は『緑』だそうだ」
その言葉を聞いたトレオンは少し考え込んだ後、ニヤリと笑った。
「そう言う事か。ならコソコソしてねえで最初っから教えろ!」
「そう言うなら騒ぎを起こすな!説明している余裕もなかったわ!」
「それで?どうする?ベイルは牢屋に引き籠っているんだ。兵士に見張らせるぐらいはできるだろ?」
「既にベイルの見張りは引き上げさせて、そうしている。『ドルーフおじさん』はお前らの本来の任務じゃないからな。陛下には色々言われるだろうが、構わん。『処刑人』本来の任務を優先させる」
・・・・
翌日街をブラつきながら手掛かりを探しているトレオンの元に早速連絡が来た。
チッ!全てのクランが怪しい動きって・・・一体どうなってやがる。これもベイルが仕組んだ事なのか。あいつは国家転覆でも狙ってんのか?・・・いや、ここは人攫いの黒幕が動かしたと考えるべきか?けどなあ、全てのクランが黒幕と繋がっているとかあるのか?
考えても仕方ねえ、俺の担当は『緑』だったな。だったら、そいつらから当たってみるか。
隠れてついてきている連中にハンドサインで合図を出すと、トレオンはその場から姿を消した。
■
とある部屋の一角でゲレロが頭を抱えていた。
「なあ、これどうすんだよ?マジで理解不能だ。タロウに気付かれるから、かなり遠くからしか見張れなかったのは分かるが、何か情報はねえのか?」
「ありません。見張りからは流石にタロウ相手ではお手上げと言われました。でもまあ、単純に考えるなら陽動ですかね?ベイルの起こした騒ぎに注意が向いている内に、動くかと」
頭を抱えるゲレロの前に立つ部下が苦笑いしながら答えるが、内心では、このまま全ての責任をゲレロが負ってくれないかと思っている。流石にこの状況は意味が分からなさすぎて自分では手に負えないと思っているからだ。
「陽動にしては規模がデカすぎるだろ!王都が大騒ぎだぞ!しかもベイルの奴、怪しまれてるの分かっているのか、自分から牢屋に立て籠もりやがった。牢屋に立て籠もるとか聞いた事ねえ!あいつはマジで何考えているんだ!」
「それだけ自分に目を向けさせたいって事でしょうか?ですが、隊長たちの教え子のカルガーに、全ての手柄を譲ってる意味が分かりません。目立ちたいのならよく分からない行動です。今では街の連中はカルガーとタロウの噂で持ち切りで『ベイル』の存在が無かったことにされてます」
その部下の言葉を聞いてゲレロは頭をガンガン叩く。
「それも意味が分かんねえんだ。一応カルガーが仲間のセンも考えたが、カルガーに手柄を全部渡す意味が分からねえ。何でベイルじゃ駄目なんだって話だ。俺の予想じゃカルガーは陽動に利用されているな」
「それはカルガーがベイル達の仲間だと思われるように動いているという事でしょうか?」
「そうだ、カルガーと俺達は付き合い長いし、あいつの性格上隠し事はすぐボロを出す。それにあいつはコーバスにいた頃から怪しい行動は無かったから確実にシロと判断した」
「でもその隊長と先輩の判断を覆したのがベイルですよね?」
部下のその言葉に力が抜けたかのようにゲレロは机に突っ伏す。
「そう言われたら何も言い返せねえ。『ドルーフおじさん』関連はマジで予想外の事しか起きねえんだ。・・・なあ、ここからどう動けばいい?」
「そうですね。まずはベイルですが、牢屋にいるなら結構、どうせ外からしか見張れないのなら、その間は買収している兵士に見張らせましょう。何か動きがあれば連絡が来るようになっています。それで一人手が空くので2人で街を調べさせましょう」
流石に王都を2人は厳しくないか?と思った所で部下から手を出されて止められた。
「残り3人は先輩につけます」
「何でだよ?意味が分かんねえぞ?」
「先輩たちは暴れすぎです。全てのクランから全員狙われていますよ」
部下からの言葉に一瞬だけ黙ったゲレロだったが、すぐに理解してニヤリと笑う。
「へえー。モテモテじゃねえか」
「流石に組合にいた連中と喧嘩して、そのクランのトップに喧嘩売ったのはやり過ぎですよ。各クランが協議して今回は仲良く分ける事になったそうです」
「王都の連中は仲良しかよ。・・・俺の担当は?」
「『赤』です。クラン『紅蓮の盾』が先輩の担当です。リーダーの名前はネルギノ。先輩と殴り合い直前までいったあの大男です」
それを聞いてゲレロは楽しそうに笑う。
「ガハハハッ、中々生意気そうだったあいつか。しかも盾使いとは、俺が本当の盾の使い方を教えてやるか」
「そう言う訳で先輩はクランに狙われているのもあって3人付けます」
その部下の言葉にゲレロは、呆れたように手をあげて了承する。
「はいはい、分かったよ。流石にクラン相手じゃ俺も納得してやるよ」
「ちなみにですが、その『紅蓮の盾』が怪しい動きをしています」
「へえー。このタイミングでか?」
「先輩を狙っていると聞いて、私の判断でバトラーの見張りを打ち切らせて、『赤』を見張らせていたので、運が良かったです」
「って事はそいつらが怪しいって事か!分かった!『紅蓮の盾』を狙うぞ。それが終われば全員で街を見張る。情報屋にも金を握らせて、王都に怪しい動きが無いか調べさせておけ。そしてエフィルだ!あいつからは絶対に目を離すな!」
「バトラーはどうします?」
「流石に手が足りねえな。仕方ねえ、バトラーは誰か雇って見張らせてろ。 『紅蓮の盾』を片付けてから考える」
■
「そうですか。レインディもこの忙しい時に全く・・・と呆れるべきなのか、それとも更なるベイルの策なのか。策だとしたらあの組合の喧嘩も、いえ、遡れば王都に行くと決めた時点で全ては決められていたのかもしれません」
「考え過ぎでは?そもそも隊長を出し抜けるとは思えません。それこそアジトが見つかった黒幕がクランを使っているだけなのでは?」
「それなら別に構いません。ただそう思わせて実は・・・という事も十分考えられます。ですが、流石にこの動きは無視できません。怪しい動きのレインディを叩きます。丁度私達を狙ってるという話ですし都合がいい」
「ベイルはどうしましょう?モレリア先輩に見張らせておきます?」
「流石にそれはないです。レインディを叩くのに連れて行くので、ベイルは兵士を買収して見張らせます。どうせ牢屋にいるんです。大した動きはないでしょう」
「という事は久しぶりに隊長とモレリア先輩の連携が見られるんですね!」
「何でそんなに嬉しそうなんですか。ミーツラス」
目を輝かせるミーツラスに呆れた様子のシリトラ。
「お二人の連携は誰も真似できないですからよ。あのミルシーでさえついていけないんですよ!」
「ただ小さい頃からの訓練で慣れているだけなんですけどね・・・・」
そう言って乾いた笑いを浮かべたシリトラだったが、すぐに表情を引き締める。
「ミーツラス。後3人私達につけなさい。それでレインディを叩きます。一人はエフィルを継続して見張り、残りは王都を見張るように」
「分かりました」
「それと、各地の『ドルーフおじさん』の仲間だと思われる連中は?」
「たまに出没したとの話がありますが、この国ではまだ出たという話は聞いていません」
「見張りの者達には下だけじゃなくて空も気にするように言いなさい。『空を飛ぶ者』は『ドルーフおじさん』の仲間と判断して構いません。見つけたら緊急合図を使う事を許可します」
ベイル!王都で何を企んでいるか知りませんが、ここで絶対に証拠を掴んでみせます。
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その頃のベイル。
「うお!モレリア!その手は卑怯だろ!」
「フフフ、これで僕の5連勝だね」
「あああ!俺の130ジェリーがああああ」
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その頃のエフィル
「牢屋に篭るという卑怯技について聞きたかったんですけど、門前払いですか。これも先生の手ですね」
「いや、ただ面会時間過ぎたから断られただけでしょ」
「アーリットには会って私には会ってくれない。これは卑怯技『焦らし』ですね」
「はいはい、分かったから帰るわよ・・・ってザリアどうしたの?」
「いえ・・・・また何か複数から見られている感覚が・・・」
「またあ?最近ザリア気にし過ぎだって」
「先生の卑怯技です!プレッシャーを与え続ける先生の卑怯技です!」
「はいはい、もうハウスに帰るわよ」




