夢か現か
前書き グロじゃないけど苦手な人もいるかな?
ってことで一応グロ注意です。
絡みつく蔦は、足を蝕みながら僕を底なし沼へ引きずり込む。
枷になったこの足を切り捨てれば這い上がれ・・・。
ああ、ダメだ。
首すらもたげられないや。
毒でも盛られたのかな。
蔦の苗床になった足なのに痛みがないや。
せめて声は、
「ぁ・・・」
出る。
「ぁ・・・た・・・」
でも、まるで首が絞められているみたいだ。
さっきまで出来ていたのに、空気がなくなってしまったんだろうか。
ああ、ダメだ。
諦めてしまおうか。
と、不意に力が抜けた。
同時に、僕が必死にかき集めたものたちは、一目散に逃げ出してしまった。
そんなに嫌がらなくてもいいと思うんだけどなあ。
ああ、ダメだ。
このままだと死んでしまう。
それは、嫌かな。
うん、嫌だ。
でも、逃げ出した彼らを集めるには苦労するわけで。
心なしかさっきより、いや、気のせいかな。
うーん、やっぱり苦しい。
諦めたほうが楽なんだろうけど、なんかちょっと悔しい。
嫌な顔が見えた気がする。
2つ。
ああ、頑張ろう。
「ぁす・・・ぇ・・・」
金縛りのときは声を出せば解けるって誰かが。
「ぁす・・・けぇ・・・」
なんだか泣けてきた。
うう、重いなあ。
「たすけ・・・て・・・」
苦節をしてかき集めても、もれている気がする。
ああ、蔦のせいなんだろうな。
「助けて・・・」
叫んでどうにかなるんだろうか。
無駄なことをするなって、あいつの口癖だったなあ。
無駄かなんて、やってみなきゃ分からないのに。
ああ、ダメだ、ダメだ。
気を抜くと、すぐこれだ。
ああ、誰か、誰か。
誰か!
「助けて!」
渾身の一声を放った瞬間、お腹を殴打されるような感覚とともに手足に自由を感じた。
気がした。
動きはするけれど、相変わらず拘束されているような、圧迫されているような。
何かの中にいるのかな。
ああ、あの蔦に。
と、現実感とともに悪寒が身をこわばらせる。
あれは、夢だった、かな。
全部が?
うーん、そういえば首が動かないのに足が見えてたっけ。
いや、でも草が。
圧力に加え、空気がほとんど入ってこないせいか息苦しい。
窒息はしないようだけれど、できることなら。
うん、包まれているようだけれど、違う。
ああ、動かせる。
重いけれど、カイト兄ちゃんに絞められているときより楽に抜け出せそう。
まあ、持ち上がらないのは同じことで、脱皮するように身をよじらせる。
息も絶え絶えにようやく顔が出る。
うう、顔の開放感で、いっそう重く、感じる。
そこには、広がっているはずの空はなく、代わりに、大木たちが、僕を見下ろしていた。
暗い、な。
いや、とにかく、出よう。
息、が。
地べたには柔らかい草が広がっていたけれど、肘を、膝を支えに無理に這い出たせいか、
風がしみる。
立ち上がる気力は少しもなくて、今は振り返ることが精一杯だった。
「これは、被せられたもの、だよね」
足元に広がる、切り抜かれた常闇に目を奪われる。
言い表せない違和感を持った、明らかな人工物。
この黒は、ここにある。
けれど、そこにあることを知らなければその存在に気付かない。
いや、分かっていても見失ってしまいそうな。
なんだろう、寒気がする。
えっ、裸?
「な・・・、んあっ」
視界がぶれると同時に襲い掛かる衝撃で、黒に叩きつけられたと気付く。
飛びかけた意識が、首に、足に、食い込む何かで、痛みが。
「が、あああ!」
背中に刺さっていた何かが、動いた。
一瞬。
そう、ほんの一瞬だけれど、すごく緩慢な時間。
背中に広がる熱と違和感。
ああ、生きていたんだ。
後書き 見てくださった方々、ありがとうございました。
更新が非常に遅いのでご注意ください。
読点で息苦しさとか表現しようって思ったんですが、伝わらないですよね。
文章って難しいです。




