矛盾する二つの精神
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数人の警察官たちがパニックに陥り、制服を脱ぎ捨てながら叫んだ。
「辞めてやる! こんなの狂ってる!」
彼らは惨劇の現場から逃げ出していった。
刑事のアキラは静かにイシハルへ歩み寄り、その隣に腰を下ろすと問いかけた。
「……なぜ、こんな真似をした?」
イシハルは振り返り、散乱する死体を見つめた。そして震える声で、初めて明確な言葉を発した。
「僕……僕はやってない! 信じて……!」
イシハルは頭を抱え込み、激しくすすり泣き始めた。
一人の警官が指を指し、憤怒の声を上げる。
「見ろ、あの嘘つきめ! あいつは人間じゃない、化け物だ! 即刻処刑すべきだ!」
「黙れ!」
アキラの一声が室内に響き渡り、警官は気圧されて後退した。
アキラはイシハルに向き直し、静かに告げた。
「行くぞ、イシハル。定期身体検査の時間だ」
アキラはイシハルを医務課へ連れて行き、詳細な検査を開始させた。
すると突然、分析官が絶叫した。
「うあぁぁっ!? な、なんだこれは……!?」
アキラが駆け寄り、問いただす。
「どうした!? 何が分かった!?」
分析官は戦慄しながら答えた。
「ひ、人間じゃない……! ほんの1週間前までは間違いなく普通の人間だったのに、彼の体内を流れているのは……『黄金の血』だ!」
アキラは驚愕に目を見開いたが、すぐに表情を引き締め命じた。
「イシハルに殺された浸入者たちの身元を今すぐ洗え!」
それから間もなく、一人の警官が報告に駆け込んできた。
「襲撃者の身元が判明しました! あいつらは……あの『ローゼルト組』の構成員です!」
室内に衝撃が走る。警官は言葉を続けた。
「イシハルに頭部を粉砕されたリーダー格は、組内で『処刑人ロール』と呼ばれる5番手の実力者でした……!」
アキラは深いため息をつき、重々しく口を開いた。
「……やむを得ん。『魔法アカデミー』の連中に協力を仰ぐぞ。あんなものを信じているイカれた連中に設置を頼むしかない」
(※魔法アカデミー:魔法の存在を信じ、その奥秘を研究する局所的な組織。ただし、現在まで魔法の実在は証明されていない)
――つづく――
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