【第3話】静かなる復讐の始まり
ジンはイシハルを見下ろすと、妻の方を振り返って鼻で笑った。
「どうやら、今すぐあの母親と同じにしてやる必要がありそうだな」
マヤは歪んだ笑みを浮かべながら答える。
「ええ、早く終わらせて部屋に戻りましょう」
ジンはベッドから起き上がるとクローゼットへ向かい、一本の頑丈な鉄パイプを取り出した。
その鉄パイプを強く握り締め、イシハルへと歩み寄ると、全身の力を込めて振り下ろした。
マヤは惨劇を見たくなくて、両手で目を覆った。
だが――次に彼女が目を開けた時、視界に入ったのは絶望の光景だった。
ジンが両脚を失って床に倒れ伏していたのだ。
手元にあった鉄パイプは、あり得ない形にぐんにゃりと曲がって転がっている。
マヤは悲鳴を上げようとしたが、声が出ない。
ベッドに目をやると、そこは大量の鮮血で染まっていた。
次の瞬間、マヤの口から彼女自身の舌がぽろりと床へ落ちた。
イシハルは微動だにせず、その場にたたずんでいる。
ジンの口からもまた、舌が落ちた。
二人は言葉にならない激痛に身をよじらせ、床をのたうち回る。
イシハルは静かに踏み出し、ジンへと一歩近づいた。
手を伸ばすと、ジンの眼球に指を突き立て、そのまま容赦なくくり抜いた。
摘出した眼球を手に、イシハルはすすり泣くマヤへと近づく。
彼女の髪を掴み上げると、その口の中へジンの眼球を無理やり押し込んだ。
続けて、イシハルはマヤの目もくり抜く。
屋敷全体を揺らすような悶絶の呻き声が響き渡る中、彼はその目をジンの口へと押し込んだ。
イシハルは地に座り込み、呪術のような不可解な言葉を呟き始めた。
すると突如、ジンの肉体が異形へと変貌を遂げた。
正気を失ったジンはマヤへと襲いかかり、苦悶の声を上げる彼女を貪り食い始めた。
やがてジンの体は急速に腐敗し、ベッドの上に崩れ落ちると、湧き出た蛆虫たちがその腐肉を喰らい尽くしていった……。
――つづく――
※第4話は4時間後に更新予定です。お楽しみに!




