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Diabolic Sound  作者:
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2/12

木の後ろの女

これは私と、私の彼氏と、大学のサークルの友達と、友達の彼氏。その4人でとある心霊スポットに行った時の話。

夜は涼しくて快適な彼岸ら辺の時期に私たち4人は夜景が綺麗な場所を探してダブルデートとちょっとした肝試しがてら山奥にある廃墟に向かった。

これはその時に起きた出来事の話。

──────────────────────

●●県でまあまあ有名な心霊スポット、●●峠の上にある小屋で、すぐ近くには小さな広場があり、街を見下ろせて夜景自体は普通に綺麗なところ。

広場には小さなあずまやと某メーカーの赤い自販機。そしてひとつの滑り台。

小屋自体はよくある一般的な廃墟で、心霊スポット特有のじめじめとした空気感はなかった。

友達の彼氏が「普通にいいところじゃん。なんでこんな場所が心霊スポットなんだろうね。」と言っていたのを覚えている。

肝試しも兼ねてここに来た私たちだが、あまりにも心霊スポット要素がなく肝試しをしないことにした。

ただ4人で夜景を楽しむだけの行為。

のはずだった。

確かその廃墟に来てから30分ぐらい経過した頃、友達が変なことを言い出した。

「あの奥の木の後ろからなんか音がする。」

耳を澄ますとたしかにその木の後ろから物音がする。

ここら辺の地域は野良猫やら野生のハクビシンだとかタヌキだとかが多いため、私と彼は野良猫かほかの野生の動物でもいるのだろうと思ってあまり気にしなかった。

ただ、その友達の彼氏は「野生動物なんかが出すような音じゃない。」と言っていた。

その目には恐怖心はあったが、多少の好奇心が浮かんでるように見えた。

それから友達の彼氏が「俺少し見てくるから、3人は車戻ってていいよ」と言い残してその木に向かって歩いて行った。

私たち3人は大人しく車に戻り友達の彼氏の帰りを待つことにした。

数分後、慌てた様子で友達の彼氏が戻ってきた。

「変なもの見ちゃった、早く帰ろう。」と急かしてくる。

ここまで焦っている友達の彼氏を今まで見たことがなかったため私は少し急ぎ気味に車を出した。

山を降りながら友達の彼氏に何を見たのかと聞いてみた。

すると彼は「変な女が何かを話しながら木をすごい力で叩いてた。でも声は聞こえなかった。」と言った。

山奥だし変人もそりゃいるよなと思いつつ、法定速度を守りつつ山を降りていたその時、友達の彼氏が急に騒ぎ出した。

「後ろから追いかけてきてる。スピードあげて、早く!ずっと追いかけてきてる!四つん這いで!」

と、意味不明なことを言い出した。

私にも恐怖心はあったが、恐る恐るミラーを見た。

だがそこには何もいない。ただ森の景色が流れていくだけ。

私の彼氏もミラーを確認したが見えていない。

友達すらも見えていない。

ただ友達の彼氏だけが見えているせいでずっと騒いでいた。

落ち着かせるために友達にどうにかしてもらい、そのまま山を降りた。

みんなの家に着く頃には友達の彼氏も落ち着いていたが、少し目が虚ろだった。

そして、その日はそのまま解散となった。

──────────────────────

あれから数ヶ月、冬になって窓の外は銀世界なのだが、あの日から友達の彼氏は常に目が虚ろで、数週間前から大学に来なくなった。そしてつい最近自殺をしたらしい。

それから友達の姿も見なくなったが、彼氏の急死を脳で処理しきれなくなっただけで連絡は取れており、生存は確認された。

彼が見たものがなんだったのか、私たちは全員気になってはいたが、口には絶対出さなかった。

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