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謎のアイドルグループ

いつも通りタイトルは適当です。

 チリンチリーーンチリンチリーーン


「ちょ、あかん!あかんって!」


「うおおおおぉぉぉぉおおっ!」


 アリの巣内を雄叫びと悲鳴を上げながら2人乗り自転車が爆走する。ひたすらひたすら…。

 セヴン達の自転車の後方からは[キラーアント]がどんどん自転車の鈴の音とセヴン達の声に釣られて追いかけて来る。その数は10、20、30と次々に増えて行く。最初に探索した時よりも増えている事から、討伐隊の進んだ方向からもかなりの数が上がってきている様だ。


『キシャシャシャシャシャシャシャーー!』


 カサカサカサカサカサカサカサカサッ


「後ろヤバイ!ほんまヤバイって!ラーメン屋の行列なんて比やないで!」


 時々正面や側面から不意打ちで襲い掛かって来る個体もいて、少なからずダメージを負う。


「玄ちゃん!」


【シールド!】【ウィンドウォーク!】【グループヒール!】


「こ、これでええんやろ!?」


 防御力向上、速度向上、全体回復と魔法を唱えて行く玄界。


 セヴンが自転車を運転し、玄界が後ろの座席から補助や回復に専念する。それでもダメージは受け続け玄界の魔力も尽きかけて来た頃、後方を確認すると、追いかけて来る[キラーアント]の数は優に100を超えていた。

 侵入者を絶対に生きて返すまいと、巣の中に居る[キラーアント]が全力でセヴン達に襲い掛かろうと追いかけて来るその様は、まるで…。


「ワシ等は握手会するアイドルグループとちゃうでっ!!」


「なんだよそのアイドルグループって!?」


「ワシも知らん!なんかピンと来ただけやっ!」


 ともかくこの[キラーアント]の集団に飲み込まれてしまうと、間違いなく天国への階段を駆け足で登る事になる事間違い無しである。最後の力を振り絞り足の回転を速める。


「おっしゃ!広場が見えて来たぞ!」


「ワシもうあかん!」


 最後の通路を抜け、広場へと戻って来るセヴン達。後ろには数えるのもおっくうな程のおびただしい程の数の赤黒い体と発達した顎を持つ[キラーアント]の群れ。

 広場の中央にはバニアを抱え浮いているヘラルーの姿。そのまま自転車の2人は奥に準備段階で作った鋼鉄で出来た即席の箱部屋へと突っ込む。かなり広い広場の部屋が、溢れ出さんばかりのアリ達で覆いつくされ赤黒く染まる。


「よしっ!今だヘラルー!!」


「お帰りなさ~い旦那様」


【ダークプリズン】【ポイズンミスト】


 ヘラルーが魔法を唱えると、広場の中に黒いドームが出現し、広場全体を覆い尽くす。そしてそのドーム内に毒の霧が散布された。


「バニーちゃん、おまけをあげちゃいなさ~い」


「はい!」


【アローレイン!】


 ヘラルーに抱きかかえられたまま、バニアが上空に向かって放った矢は雨の様に黒いドームに降り注ぐ。


『ギチチチチチチッ!キシャーッ!』


 ドームを突き抜け中に居るアリ達に無数の矢が刺さり、断末魔を上げるアリ達。そして毒の効果によって次々と倒れ動かなくなるアリ達。


「さぁて~、これで最後の仕上げよぉ」


【ダークボルテックス】


 毒の霧や矢の雨を免れた個体や、先の攻撃でも倒れる事の無かった個体が黒い炎の渦に包まれ消滅する。パチーンッという音と共にダークプリズンは解除され、数百は居たであろうアリ達は広場から綺麗に消え去っていた。それと同時に全員の体にレベルアップの祝福が訪れる。


 ギィィーーーッ


「終わったか、結構面白かったな」


「どこが面白いねん!どう考えてもおかしいでこんな狩り方!」


「え?でも普通・・に殲滅できたぞ?」


 そう会話しながらエスケープゾーンから出て来る2人。


「なかなか面白い狩りだったわねぇ旦那様」


「そうだろ?やっぱ楽しまなきゃなっ!」


「それよりもセヴン君、これで終わりなのかな?討伐隊の人達の後追ってみる?」


 まぁ先に進めるんなら進んでみるかと言う事で、討伐隊たちが進んだであろうスロープの先を目指す事にしたセヴン達。全員で広場一面に落ちているドロップアイテムとアデナを拾い集め、先へと進んだ。






 一方討伐隊一行はというと…。


「ヘクター!右から回り込め!ヨシュアは左からだ!パーソン!前へ出るぞ!!」


「バチュラ!もう駄目だ!ここは引くしか無い!」


「馬鹿を言うなパーソン!エリンやシルクも捕まったんだぞ!」


「バチュラ!私達の魔力ももう少ししか無いわよ!」


「ランク5の俺様がこんなヤツ相手に負けてたまるかよぉ!!」


 討伐隊パーティに遅い来る巨大な影!次号乞う御期待!!







 とはしないので、話は続けて行く。

 スロープを降り下の階層へと移動したセヴン達の目の前には、上の広場よりも更に広い広場があり、そこにはおびただしい数のまゆが地面に置かれており、中央部には巨大な影が鎮座していた。


 どうやら巨大な影の正体は女王アリであろう。セヴン達の身長を優に超える大きさ、そしてアリのソレと解る頭部に巨大な顎、カマの様に発達した前足。なによりも他の[キラーアント]達と違い巨大で長い腹部を持っていた。頭上にも[クィーンアント]って書いてあるしね!もちろん表示されている色は真っ赤である。


「アレがキラーアント達の親玉で間違いないな」


「アレはあかんでセヴン、アレはあかん!真っ赤やないか!」


「討伐パーティの皆さんが居ないと言う事は…」


「あっさりと全滅させられたみたいねぇ♪」


 巨大な[クィーンアント]は自らの大きさの故に自分で動く事が出来ない様で、その場から動こうともしない。だがしかし、その大顎をガチガチと動かし、耳障りな音を発生させる。


『ギチチチチチチチチチチッ!』


 その言葉と言うにはあまりにも単純で耳障りな音を聞いて、[クィーンアント]の背後から通常の[キラーアント]よりも数段大きいアリ達が3体出て来る。頭上には[ガーディアンアント]の文字だ。


「親衛隊ってヤツか、雑魚は全部やっつけたと思ったが、女王から離れなかったんだな」


 そう言って戦闘態勢を取り、各々武器を構えたり拳を構えるセヴンとヘラルーとバニア。


「だから何戦おうとしてんのや!こないなん逃げるしかあらへんやろ!」


「でも相手はやる気みたいですよ?」


 [クィーンアント]から放たれた[ガーディアンアント]は繭の森を抜けてセヴン達目がけて一直線に進んで来る。

  

【ウィンドカッター!】


【ピアシングショット!】


 風の刃と高速の矢が放たれて[ガーディアンアント]に直撃する。しかし動きを止める事も出来ずに眼前へと1匹が迫って来た時、セヴン達とアリの前にヘラルーがスルリと割って入る。


『ギシャシャシャシャッ!』


「あら元気な子ねぇ、でも大人しくしてもらうわよぉ?」


 ズドーーーーーンッ!!


 ヘラルーの裏拳が[ガーディアンアント]に当たり吹き飛び、繭を破壊しながら転がって行き、まだ生物として形を成して無い何かが飛び散る。しかし直ぐに体勢を立て直し再びセヴン達目がけて走り出す。


「硬いな。通常攻撃ではまだ火力が足りないか」


【クリエイトサモン!】


 セヴンが呼び出したのは攻城兵器の弓であるバリスタだ。大きさは約3メートル級。


「バニー手伝ってくれ!玄ちゃんはヘラルーの強化を!」


【バーニング!】【シールド!】【ウィンドウォーク!】


 玄界の補助魔法によって攻撃力、守備力、素早さを底上げされたヘラルーは、次に襲い掛かって来た1匹と対峙する。

 [ガーディアンアント]の大顎の一撃を華麗に上にジャンプして避け、今度は両手を握りこみそのまま頭部に向かってハンマーの様に打ち付ける。地面に頭部をめり込まし脳震盪を起こしたのかピクピクと痙攣を起こしてるアリの頭部を手刀で切断し、緑色の体液を頭部のあった場所から噴き出す。


「まずは1匹よぉ」


「次はコッチだぁ!」


 大きな弓であるバリスタの弦を巻き上げ2メートルはある矢を2本セットするセヴンとバニア。そして発射装置の前のバニアがスキルを発動する。


【ダブルショット!】


 シュバッ!!ゴオオオオオォォォッ!


 バリスタから放たれた2メートルの矢は激しい光を帯びて轟音と共に飛んで行く。そして残りの2体の正面に来た時に綺麗に二股に別れてそれぞれの大顎を避け口腔内を撃ち抜く。そのまま矢は突き抜け遠く離れた地面へと突き刺さった。


「さぁ~て後は大物1匹だけだな!さぁクライマックスと行こうか!」


 親衛隊達をあっと言う間に殲滅し、セヴン達は動かずに悠然とそびえる[クィーンアント]に向かって歩を進めだした。


「だからアレはあかんって!!」


 玄界の話を聴く者はこの場には居なかった…。


基本的に普通な戦闘はありません!

そしてなんだかんだで30話まで来ました!でもまだまだ続きます!


後累計ユニーク数が1,000を超えました!見てくれている方感謝です!

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