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ドナドナ阻止

 天井に吊るされた光源の光りに照らされてキラリと光るシミター。

 そしてすかさずセヴンの前へと回り込み、主人を守る様に盗賊の前へと出るヘラルー。


「おおう?見ろよお前ら、このネーチャン顔は見えねえが、とんでもねえ体してやがるぜ?」


 はだけたマントの隙間から見えたヘラルーの暴力的な風体を目ざとく見つけ、仲間に情報を流す盗賊。そしてそれを聞き、ダークエルフの女性達に群がっていた内の3名が近寄って来る。


「ヘラルー、神殿送りにしても面白くないから適当に気絶させよう」


「えぇ~?下衆の視線に舐めまわされるのも気持ちが悪いしぃ、さっさとちゃいましょうよぉ?」


「まぁまぁ、頼むよヘラルー」


「もぉ~仕方無いわねぇ、今晩は旦那様からちゃんとご褒美頂戴ねぇ~」


そう言い終えると、ヘラルーはベールを手で捲し上げ、目を赤く光らせた。


「ヒュ~、顔の方も上玉じゃにゅぇかああああぅぅ」


 向かって来ていた3人の盗賊は目がトロ~ンとなり、そのままその場に膝から崩れ落ちた。


「テメェ!何しやがった!?」


 仲間の異常に気が付き、女性の上から降りる残り2名。ダークエルフの男は未だ様子を見ている様だ。花柄のトランクスと水玉のトランクスをはいた2名は、各々武器を手にこちらへと向かって来る。


「その女の目を見るな、魔眼の使い手だぞ」


 様子を見ていたダークエルフの男が盗賊2名に注意を促す。

 同じやり方は無理だと判断し、セヴンが一歩前に出て灰色の杖に魔力を込める。


「それじゃあこんなのはどうだ?」


【クリエイトサモン!】


 新たに覚えた魔法を唱えると、盗賊達の頭上に大きな金だらい・・・・が突如出現し、そのまま落ちて来てゴワーーーンッと頭部を強打する。そう、某異世界のド○フのアレである。

 向かって来た2名はその場で崩れ落ち、残りのダークエルフに視線を向けると、何やら杖を取り出し魔法の詠唱に入っている。どうやら魔法使いの様だ。そして呪文の詠唱が終わり、杖をセヴンへと向けて不敵な笑みを浮かべて口を開こうとした瞬間、セヴンの銀髪がフワッと後ろから煽られダークエルフの心臓部分に矢が刺さる。


「バニー?」


「この様な人達を許せません!」


 ダークエルフの男は魔法を放つ事も出来ずに、杖をコロンと落とし、胸を押さえながら倒れ、光りの粒子へと変わって行く。


「貴様達覚えておけよ、顔は覚えたからな」


「そんなお約束は要らねえからとっとと消えやがれ」


 セヴンを睨みながらダークエルフの男は消えて行った……。


「やっぱり冒険者か…。バニー、倒すのは簡単だけど、また直ぐ神殿で復活しちまうから生きたまま捕えるのが、こんな場合は有効だと思うぞ?」


「で、でもこんな!泣いているじゃないですか!」


 奥には服を着ているのが意味をなさないほどに引き裂かれたダークエルフの女性が2人、泣きながら突っ伏していた。そしてその状況を見て怒りを露わにしながらも目を背けるバニアの顔を、そっと大きな双丘で包み込むヘラルー。


「だから来ちゃダメだって言ったじゃないのぉ」


「だ、だって心配で…来てみたらこんな状況で…」


「世の中善人ばかりじゃないからなぁ、人の道を外れた外道や、弱い者を虐げる鬼畜もいやがる」


 このアズガルドにも犯罪者は沢山居る。他人の事などどうでも良い、自分だけが良ければ良いと思うのは勝手だが、人の道を踏み外すのは許す訳にはいかない。

 しかし一般的な犯罪者なら罪を償わせて重度の犯罪であれば国によれば死刑もあるのだが、冒険者システムが邪魔をする場合がある。

 最初は冒険者として生きていた者でも、食い詰めたり色々な理由で犯罪者へと身を落とす者も少なくは無い。こう言った者は一般人よりも性質たちが悪くその場で討伐されても神殿で生き返るし、殺さず追い詰めても自殺を図って逃げたり、冒険者として鍛え上げて覚えた転移魔法など使って逃げたりと、とにかく厄介なのである。

 こう言った冒険者崩れは冒険者ギルドへと突き出して、冒険者の登録を剥奪した上で、国々の法に照らし合わされるのが対処法となっている。


 渋い顔をしながら、気絶している盗賊から上着を剥ぎ取って行くセヴン。そして鞄の中から麻縄を取り出し、恍惚の表情を浮かべながら何やらブツブツと呟いてる3名も含めて後ろ手に縛りあげて行く。

 盗賊から剥ぎ取った服をとりあえず囚われていた女性に手渡す。


「ごめんな、臭いし汚いかもしれないが、今はコレだけしかないんだ」


 女性達は何も言わずにただ震えるだけで、服を受け取りその身を隠す。


「さて…1人逃げられちまったけど、コイツ等から状況を聞きださないとな」


「旦那様、私がやるわぁ。バニーちゃんは彼女達をお願いねぇ」


 そう言い、未だ恍惚の表情を浮かべている3名に近寄って行くヘラルー。そして自分の鞄の中から水筒を取り出し、女性達に飲ませて行くバニア。


「あ、あぁぁあぁう。ヘラルーさまうぁぁあ」


「ほらぁ、ココで何してたのぉ?貴方達は何者なのぉ?」


 自分の履いているピンヒールのヒール部分でグリグリと盗賊の1人を踏みつけながら尋問を開始する。そしてヘラルーの笑い声が徐々に不気味な物へと変わって行き、その行為はどんどんとエスカレートしていく。良い子にはお見せできない状況にまで発展した時、気絶していた2名が意識を取り戻し、その状況を見て絶叫する。


「う、う、うあああああぁああぁっ!何やってんだお前等っ!!」


「あらぁ?気が付いたのぉ?この子達はダメねぇ、コレじゃ逆にご褒美になっちゃってるわぁ」


「ば、ば、馬鹿野郎!そんな物そんな所に入るかっ!」


「馬鹿ですってぇ?貴方にはもっと大きな物を試させてもらおうかしらぁ?さぁどこまで行けるかしらねぇ?」


「ああああぁあぁああぁ、すみませんすみません!!何でも喋りますから!許してくださいっ!!」


 その後行われた出来事を見てセヴンがお尻を何故か必死に隠していたのは謎である。バニアは手で顔を覆いながらも指の隙間からチラチラと見て小さい悲鳴を上げていた。


 もう一度気絶をした盗賊が話した内容はこうだ。

 自分達は元冒険者で、人身売買を主に行っている盗賊団の一員であり、眉目秀麗、才色兼備のダークエルフとエルフを主に扱っており、村などを襲っては人を攫い、奴隷制度のあるヒューマン領にて高く売っているとの事である。

 そしてこの場所は盗賊団のアジトの1つで、主にダークエルフの国で捕まえて来た商品を一旦集める場所だと言う。本来であれば魔法で不可視になっている場所だとの事だが、色々規格外なヘラルーの感知によって、あっさりと場所が割れてしまった様だ。

 最後に先ほど神殿送りとなったダークエルフはダークエルフ方面の責任者であり、盗賊団の幹部の1人であるが、現在でも現役の冒険者であるとの事だった。


 聞き出せる情報を聞き出したセヴン達は、ヘラルーの魅了をかけていない者にも魅了をかけて服従させ、麻縄で各自連結させて盗賊列車を作り上げる。これで出口にあるヒューマン領との国境関所に突き出す事にした。


「お姉さん達、すまないけどこのまま関所まで付いて来てくれるかい?俺等は先を急ぐし、危険な道を今すぐ引き返すより、関所の冒険者ギルドでダークエルフの国まで連れて行ってもらうのが安全だと思う」


 そう伝えると女性達は一度バニアの顔を伺い、バニアが何も言わずコクンと頷くと、それに従い同じく頷いて了承の意思を見せる。

 なんとも後味の悪い旅の始まりとなったが、盗賊団に先頭を歩かせ、セヴンとヘラルーがそれを監視し、後方からバニアと女性達が付いて来る形でアジトを出て、洞窟の出口へと向かった。



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