班
困った・・・今、教室にいるのだけど、周りの視線がやばい。
唯一向いていないのは事情を知っている先生と隣に座っている男子だけだ。
千夏とはクラスが別れてしまった。
注目を浴びるのは当たり前なのかもしれない。
瞳の色は眼鏡で誤魔化せているけど、髪の色が亜麻色なのはごまかせない。
母から受け継いだこの髪色は好きだけど・・・
今だけ兄達のように黒髪じゃなかったのは残念に思う。
「班になれー。
来月はその班で遠足のメンバーだからなー」
この先生・・・めんどくさがり屋何でしょうか。
やる気が見れません。
何故教師になったのか興味があります。
そう思いながら班にする。
班は5人で、男子3人女子2人だ。
・・・知らない人しかいない・・・。
よく考えれば、大学附属の小学校に通っていたから知らないだけか。
あの事が無ければそのまま通っていたんだろうけど・・・。
そう言えば、女子校だったし・・・血縁以外の男子と話すのも久しぶりだなぁ。
「取り敢えず、自己紹介せんか?
名前順だから出身校みんなバラバラっぽいしな。」
「そう言えば・・・じゃああたしから。
あたしは小野寺紗希、宜しくね。
隣の奴とは同じ小学校だったの。」
「僕は遠藤歩。女の子っぽい名前だけど男だから。」
見た目を見ればわかると思うけど・・・。
「見た目見ればわかるやろ。
俺は岡地健斗。今年こっちの方にきたんやけどなぁ。」
「大阪の方か?」
「おん。そやで。」
だから・・・関西弁かぁ。
「あんさんだれや?」
「俺は、佐久間透だ。」
「佐久間ってこの辺だったの?
見かけない気がするけど・・・・。」
「俺は前まで私立だったからな。」
「へぇ、頭いいんだ。
何処に通ってたの?」
佐久間君が言っていたのはこの近くで有名な私立の小学校だった。
そこは中等部がないから近くにあったこの学校にきたとか。
「あ、君も紹介してもらってええか?
おれ自己紹介の時寝っとたから・・・。」
凄い勇気があるね。
そう思いながら自己紹介をした。
「佐々城雪葉です。」
「佐々城さんも引っ越してきたの?」
「え?」
「あたし達の小学校はこの中学の7割を占めてるけど、
居なかったし・・・・。」
「違いますよ。私も私立です。」
「ほな、何処行ってたん?」
「えっと・・・セントマリア女学院大学付属小学校です。」
あ゛ー という顔をしている。
あそこは嫌な思い出しか無い。
お嬢様が多すぎる・・・学力特待で無償とはいえめんどくさかった。
私は祖母のお陰で慣れていたけれど、千夏には厳しかったらしくて
小学校卒業後公立の此処に来ることにした。
「もしかして・・・お嬢様なのかい?」
遠藤君がそう言った。
「違います。・・・学力特待生だったんですが、ちょっと・・・。」
そういうと大阪出身の岡地君以外納得したみたい。
「確かに・・・彼処の学力特待生は結構自主退学とか外部進学するよね。」
「私もその一部です。」
あれは怖かった。
学年トップを取ると頭が良い方のお嬢様とその取り巻きのお嬢様が
思いっきり嫌味を言ってきたり、嫌がらせをしてきたりするのは序の口。
最悪の場合学力特待生の両親の職場に圧力をかけたりするのだ。
上手くやっていたので気を使うけどその心配は無かった。
よく6年間我慢したと思うよ。
先生方からは外部進学するなと言われたけど・・・ね。
学力特待生が消えれば、学力がガクンと下がる。
そうすれば人が入らなくなり、学校が潰れるということだ。
無理して抜けたけど。
「彼処は・・・そうなるな。
だが、お前は生徒会に入ってなかったのか?」
確かに・・・上手くやっていたので生徒会に入ってくれと言われた。
それで歴代の中で初めて学力特待生の中から生徒会に入ったんだっけ。
「そこは・・・頑張って上手くやっていたんです。」
ん? 何故知っているんだ?
彼処は男子禁制の女子校なのに・・・・。
「ちょっと待って、なんで知っているの?
彼処、男子禁制の女子校だよ?」
「去年うちの私立と校友会みたいなのがあっただろ。」
「あ・・・そう言えばそうでした。」
あれも嫌な思い出だ。
男子が入るから大騒ぎ。生徒会メンバーが一番大変だったなぁ。
「まぁまぁ、話はそこまでにして、佐久間も佐々城さんもそろそろ遠足の方の話に入ろうか。」
「そうですね。」
遠足は山に向かうんだけど、そのハイキングコースで休憩休憩班で頂上を目指すらしい。
「昼食は頂上で食べるってすることないやろ。」
確かに話し合いをする必要はない。
これは先生のめんどくさがりなのだろう。
「まぁ・・・他のみんなはさ、話しているしさ。
おしゃべりでもしようよ。ね? 雪葉ちゃん。」
「そうですね。」
そう言って話すことにした。




