乙女ゲームについて
『取り敢えず、ゲームの話を聞いてもいいかしら?』
『ああ・・・あのゲームは・・・・』
長々しく話をしてくれた。
つまり・・・・
『まとめると・・・・心を閉ざした主人公が攻略キャラに口説かれて、
心を開いていって、そこから恋に発展するってこと?』
『・・・口説かれるという言葉が出てくるとは僕も思わなかったよ。』
『だって・・・聞いている限りじゃそう言ってるものでしょう?』
甘ったるい台詞は・・・口説き文句と同じじゃないのかな?
『まぁ・・・大体そういう感じだ。』
『で、攻略キャラは・・・・?』
『遠藤歩、何時も笑顔で爽やか系の男子。だけど、軽く腹黒い所がある。』
当たってる・・・爽やか系かは知らないけど。
後半は・・・腹黒いというより・・・素直というか・・。
『佐久間透、物静かだけど・・・・気遣いが凄い。で、何気に頭がいい・・・クール系の男子。
後出てきてないのは生徒会長の石田啓、
金持ちの環境に育って近寄ってくるのはそっち目的が多くて人を信じていない男子。
副会長の二之宮麗生、イタリア人のハーフで敬語キャラで優男かな?
宮野真一、簡単に言えば不良。
で、ウィルは・・・表は王子様みたいに甘いけど・・・裏では鬼畜。』
『鬼畜って?』
どういう意味なんだろう・・・?
そう思っていると・・・先程まで黙っていたウィルが口に出した。
『妹に余計なことを教えないんじゃなかったのか?』
『あ・・・まぁ気にしなくていいよ。
転生者だから違うしね。』
『そう・・。』
『そろそろ帰ろうか?』
確かに暗くなってきた。
早く帰ったほうが懸命だろう。
『うん・・・でもちょっと待って・・・ウィル、ちょっとお手洗い借りていい?』
『ああ。』
断りをとって席を外した。
運が悪かった。
お手洗いから出たら・・・先程来ていたご令嬢がいた。
『・・・貴方、誰ですの?』
面倒くさい事になった。
何も言わないわけにはいかないので名前ぐらい名乗っておこう。
『リディアと申しますわ。』
『そう・・・わたくしも知らない下級貴族なのですからウィルフリッド様に近づかないで頂戴!』
そう言って何かを投げつけて・・・走って逃げていった。
これは・・・香水瓶かな?
臭い。
『リ、リディア様・・・大丈夫ですか?』
『大丈夫です、デリックさん。』
代々ラドフォード家に仕えている老執事さんだ。
私の事を一応知っている。
『リディア・・・・遅いけど、どうか・・・』
どうかしたのと言いたかったのだろうけど・・・怖い。
ニコニコしてるけど、目が笑ってないよ
『あのブラウンズバーク家のご令嬢・・・か?』
『・・・・・・』
これ言ったらそのご令嬢が危ない、と本能的に分かった・
『無言は肯定とみなすよ?』
私が嘘つけない質だと知って言ってるの?
そう思いながらも都合の悪い事は無言だ。
『まぁいいや。ウィル・・・服ってある?』
『いや・・・女物はないな。』
『だよね・・・・デリックさん、近くで服買ってきてもらえませんか?
代金はお支払いするので・・・。』
『かしこまりました。失礼致します。』
『さてと・・・今度のパーティーにあのご令嬢、来るんだよね?』
『・・・そうだが・・・・何かするのか?』
『目には目を歯には歯をっていうからね。』
『・・・下手したら倍返しじゃすまないだろう。』
『何か言った?』
お~い、元大人。
大人げないよー・・・
『お前は・・・相変わらずシスコンだな。』
確かに・・・前言ったら冬也兄さんだよって言ってたけど・・・・
この人もそうだろう。
『そうかな? ・・・そのパーティーって他に誰か来るのかい?』
『そうだな・・・後は、あの事件の件での人を招待するつもりだが……。』
『そう・・・』
ニヤリと笑わないで!
ウィルでさえ・・・引きつった顔をしてるから!
そんな事を思っていると良いタイミング(?)でデリックさんが来た。
勿論伯爵令嬢だとはいえドレスではない・・・タダのワンピースだ。
『客間を貸すから、着替えてきたらどうだ?』
香水臭くてたまらないといった表情で言われた。
我慢していたけど臭いものは臭いよね。
そう思い、着替えに行った。
『・・・何故、もう一人転生者がいると言わなかったんだ?』
『別に・・・ストーリーも知らないやつだからね。』
『・・・元弟なんだろ?
それに、』
『従弟だよ。』
何かを言う前に間違えを正したリュシアン元いい柊也。
もう一人の転生者とは・・・・?




