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遠足

 「雪葉ちゃん、遠足楽しみだね。」



初めてだから楽しみだけど・・・不安が凄い。

イギリスにいた時も実父が社長をしてたりして、金銭目的で誘拐されたり、

伯爵の孫で誘拐されたり、後セントマリアの生徒で誘拐されたり・・・誘拐率高いな。


そう言えば私の心が壊れる様な事があるかもしれないって・・・兄さんが・・・。

あれ・・・それ考えれば・・・私って居ない方がいいんじゃないのかな。



 「と言うか、今から遠足始まってるよ。」


 「そうだね、遠藤君。」



考えていることを感づかせないようにするために適当に相槌をうつ。

でも、兄とか・・・勘のいい人が居なさそうだし平気か・・・



 「顔色が良くないが大丈夫か?」



平気じゃなかった。

やっぱり・・・どこでも勘の良い人はいるのか。



 「最近、夜遅くまで勉強してて寝不足気味だから。」



嘘ではない。

生きるために夜遅くに時差のあるイギリスに電話をかけて(人生)勉強をしている。

もしくは英語で話しているから英語の勉強だ。



 「頭いいのに・・・凄いね。

  私なんて全然してないよ。」


 「私なんてまだまだだよ。

  (生きるために)勉強しなくちゃいけないことがあるから。」


 「・・・・・。」


 「さすがやなぁ。」


 「岡地くんがやらないだけなんじゃないの?」


 「厳しいこと言わんといてぇな、小野寺ちゃん。」



多分この気持ちは伝わっていないだろうなぁ。

その方がいいだろうけど。



 「てか、先生たちずるい。

  自分たちは車で頂上で悠々と待ってるなんて・・・・」


 「しかたがないよ。先生も若くないんだからね。」


 「「「・・・・。」」」



全員が黙った。

いや、同小の小野寺さん以外だ。



 「あれ・・・?

  みんなどうしたの?」


 「なんでもない、遠藤。」


 「そ、そうやなぁ。

  意外と毒舌やったんか。」


 「相変わらずね。」



無意識で毒を吐いているの?

歩きながら話しているが、意外と面白い。


私は自分から話していない。



 「佐々城さん?」


 「?・・・どうかした?」


 「いや、さっきから自分から何も話さないから。」



女子っておしゃべり好きでしょと言われても・・・。



 「此処何年も・・・肉親以外の同年代の男の人と喋らないから

  ・・・話題が思いつかないだけ。」


 「あ・・・そっか。セントマリアは男子禁制だっけ。」


 「去年共学の学校と交友があったけど・・・

  その時も事務的なようしか話してないし・・・。」


 「気になってたんやけど、お嬢様学校って何するんや?」


 「んー・・・・やっぱり、ピアノとかバイオリンの演奏会。

  社交ダンスの授業とか・・・生け花とか茶道の授業は珍しいと思うよ?」



多分無いであろう授業を出した。



 「・・・・よくそこに入れたね。」


 「全部無償だから・・・マナー講座で実際に試す授業でもお金を取られなかったり、

  冷暖房代とか小学校の修学旅行、お金取られなかった。」


 「なんか、入ってみたい気がしてきた。」


 「確かにそれだけ聞けばいいことずくめだろうけど、

  常に気を使わないとお嬢様とかと喧嘩になるしね。

  2つ上の人に前親の働いている会社に圧力かけられてリストラにされた人もいるから

  ・・・それなりの覚悟が必要だよ。」


 「やっぱり入りたくない。」



それが懸命だ。



 「!?」



今の・・・誰か見ていた?



 「どーしたんや?」


 「体調悪い?」



違う・・・ああいうのは、祖母の家の関係で誘拐された時と似てる視線。

確信が持てない。・・・・。



 「雪葉ちゃん?」


 「ごめん。どうかしたの?」


 「・・・・さっきから声かけてたんだよ?」


 「ごめん。」


 「やっぱり体調悪いなら・・・・。」


 「本当に大丈夫だからね?」



穏やかに微笑んで言うと黙りこむ。

これ・・・柊也兄さんに教わったけどやめたほうがいいかな



 「遠藤に紗希りん。」



紗希りん?



 「その呼び方やめて。」


 「あ、鈴木。久しぶり。」


 「遠藤・・・同じクラスなのに酷い。」


 「走ってどうしたんや?」



確かに同じ班らしい人も走っていた。



 「いや・・・なんかさ外人がキョロキョロしてんの。

  物凄い殺気を含まれて睨まれたからさ逃げてきた。」


 「何かしたんじゃないの?」


 「確かに、遠藤の言うとおりね。」


 「何もしてねぇよ。

  その前から殺気出してて親父見てぇで・・・ヤバい感じしたから。」


 「「!」」



御父様が何かしていたのかしら?



 「そう・・・じゃ・・・。」



別れて行こうとしたらその噂の外国人がいた。

・・・外人って言ってたけど・・・イギリス人ね。


 「アー・・・チョイノル」



ちょいのる?

どうしても日本語を頑張って話しているようにしか見えない。



 「ちょいのる・・・ですか?」



ポカーンとしている小野寺さん。



 「アーウン・・・チョイノル」



意味がわかっていないみたいだけど・・・

指先がトラックの方を指しているのに気がついてないのか悩んでる。



 「小野寺さん・・・!」


 「どうした・・・」


 「「「!?」」」


 「え・・・・。」



小野寺さんを腕の中に抑えて、ナイフを首元に当てている。

乗れという意味だろう。


今日は携帯OKなので持ってきている。

こっそり服に隠して言うことを聞くことにする。




 「オマエラ ノル」



あの瞳は知ってる。

本当に人質を刺す瞳だ。



 「分かりました。」



そう言って乗る。

確か・・・セントマリアの方で誘拐された時の授業やったよね。


一先ず、敵に逆らわない。



 「オメアモダ」



おめらってなんですか。

お前らでしょう。


そう思いながら全員が乗っているのに気づいた。



 「・・・・。」


顔が真っ青と言うのはこういうことか。

経験が無いだろうし・・・こうなるのも無理がない。


そう思っていると・・・佐久間君が平気なことに気がついた。



 「オメラ。」


深呼吸をして自分にある恐怖を落ち着かせる、

大丈夫・・・大丈夫。 よし。



 「・・・・なんですか?」


 「エート ケタイだせ・・・。」



けたい?

・・・なんだろう。



 「アー フォン?だせ。」



フォン・・・ケタイって携帯の事か。



 「ダセ・・・」


 「ケタイって・・・これか?」



佐久間君にはわかったようだ。



 「ソダ。」



そう言われたのでかばんの中に入っていた物を出す。



 「ヨシ デネと コロス」



出さない岡地君と小野寺さんに言う。

そちらもだしたようだ。



 「ヨシ ウスロムケ」


そういうとジェスチャーで反対側を向くように言っている。

成る程・・・縛られたということか。



 「ソノママイロ」



そう言って運転席の方に行った

誘拐・・・みたいだよね?


誘拐されてしましました。

この後は・・・・?

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