第十六話 共同作戦
ここは《ホロスカ遺跡》なる都築が初めて経験することになる《迷宮》である。
「んで? お前さー~~ポンコツみたく、魔術やら、魔法とか」
「『RPGじゃねェんだよ! んな、都合よく』」
迫り来る《百足鎧》に。
「おい! お前、早く言えよ!」
都築は入江を急かすように言う。
入江は腕を組み、ぼやく。
いまさらながらに。
「『アイツが止まらないと、話しにならないんだよなァ』」
そう、ぼやいた。
「!?」
都築の垂れ目が、大きく開かれ入江を見た。
そして、迫る来る怪物を、もう一度見た。
「--何をしたらいいの?」
「?! アデル、ちゃん??」
アデルが、入江の横につき、 入江の計画を確認する。
「おれは《呪術者》だから、あんなポンコツよりは、役に立てるわ」
唇を突き出すアデルに、都築は頭を撫ぜた。
「ほら! アデルが、手伝ってくれるってよ!」
「『よし。じゃあ、おっぱじめようぜェ♡』」
ガーナは少し離れた影から、今から、始まる戦いに備えた。
ミウは、依然として都築の背中の上にいる。
「おい! 危ないから降りろよ!」
「自分の身ぐらい、僕だって守れるさ! だから、大丈夫だ!」
「……そうじゃねぇんだよ。ポンコツ、お前は」
言っても、無駄そうなミウに。
もう話すことに、都築も諦めた。
「『じゃあ! アデル、あいつに束縛の術式を!』」
アデルは頷き、詠唱した。
澄み通った声に、都築も聞き入った。
「ツヅキ、あなたにお願いがあるの」
「? はぁ?? なんだよ、急に」
「上手くいったら、ご褒美が欲しいの」
「変なフラグ立てんじゃねぇよ。ご褒美ね、いいよ」
都築も快諾する。
「俺に出来ることなら、なんだってしてやる!」
「分かった。おれも、はりきっちゃうよ♪」
アデルが微笑すると、腕を大きく伸ばした。
「《通さず、捕捉せよ!》」
アデルの影から、暴風が吹き荒れた。
「《千重鎖》‼」
《百足鎧》の足元に魔法陣が浮かんだ。
そして、勢いよく鎖が伸び、怪物を捕捉した。
キシャアアアアアアアッッ‼‼
入江は、それを見逃さなかった。
「『よし! アデル、よくやったァあああ!』」
手首に手をやると、光りが掌に集中した。
徐々に、形成していく。
カチャ!
「『さァ! 行くぜェえええッッ‼ マサル‼』」
入江の手には弓が握られ、矢が光っていた。
勢いよく弦を引いた。
ひゅん!
「『力いっぱい、拳を叩きつけろ‼』」
入江の言葉に、都築も駆け出した。
背中にミウを背負いながら。
「ああ!」




