表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツヅキくんはかえりたい  作者: ちさここはる
                            プロローグ
14/85

第十四話 遺跡の分岐点

「ガーナ、この《ジョンズ》は、どんな《ディ》なの?」


 アデルが小走りにガーナの横につき、状況を確認した。

 金銀財宝も、目的だが。

 アデルの目的は、また、別にあったからだ。

「んふふぅ~~♥ アデルちゃんが、好きな《迷宮》探索に命かけているのよ~~あたしは♥」

 目元でピースをするガーナ。

「じゃあ。ツヅキの願いは叶うね」

「……--そぉだね」


 ぐし。


 都築は目元を指先で拭っていた。

(恥ずぃ)

 耳まで真っ赤の表情をしていた。

「何? 手前、俺のこと好きなのかァ?? キモめェ~~なァ~~!」

 吐き捨てるように入江が言えば、都築も。

「っそ、そんなんじゃねぇよ! 自惚れんな! 禿が‼」

 歯をむき出しに言い返した。

 

「「ぁ゛あ゛あ゛っっ?!」」

 

 いい歳した、男同士が睨み合う。


 その様子を、ミウは背中から見ていた。

 しっかりと、定位置のように都築の背中にミウは居た。

「みっともないとかさー~~思わないの~~君たちは~~」

 ため息交じりに言う彼女に、

「女が、口挟むんじゃねぇよ! はったおすぞ!」

 都築が強い口調で言うのを、入江も言葉を続けた。

「おい! 女の子に、その言い方はヒデェんじゃねェのかァ?!」

「あんたが言うとややこしくなるから! 黙ってろよ!」

「手前! やっぱり、一回ぶっ倒して、教育し直してやんなきゃダメかァ??」

 

 とうとう、走っていた足も止まってしまう。


「ねじ伏せてやるよ! おっさん!」

「誰がおっさんだ! 誰が‼ 俺ァ、手前よか若けェんだかんなァ!?」

「うっせぇなぁ~~!」

「っふ、っふ~~ん♪ ざまァ」

「禿のくせして!」


「だから! 禿じゃ、ねェ~~しィ!」

 顔を間近にして、いがみ合う男たち。

「少しも静かに出来ないの? ケダモノね」

 呆れたという声のアデルに、ガーナも微笑むように、

「男ってのは獣なんだよ。アデルちゃん♥」


 ここは《ホロスカ遺跡》

 

 都築マサルと、入江出口が初めて経験することになる《迷宮》


「しかし、困ったなァ」

 ガーナが分かれた道に、顔を左右に振る。

 映画や、小説なら分かれて行くだろうが。

 世の中、あんなに上手くいくはずがない。


 必ず、目的の場所で出会えるなんて、夢のまた夢でしかない。


「どっちに行けば、お宝ちゃんが在るのかな? かなかな??」


 左右に顔を振るガーナに、都築も。

「間違っても、二手に分かれて探そう!とかは止せよ?」

 苦言を申すも、


「‼」


 唇を突き出すガーナの表情が、目の前にあった。

(まじか、よ)

 都築は口許を、手で覆った。

 言ってはいけないNGワードを、自ら《案》として言ってしまったわけだ。


「それどァあああ‼」


 アデルも目を細め、都築を睨みつけた。

「--……馬鹿ね」

「っち!」

 ばつが悪そうに都築も、顔を俯けさせた。

 そんな彼を他所に、

「いや。そいつは危ねェよ。お嬢さんよォ」

 入江がガーナを制止した。

「っ、なんでだよ! 二手に分かれないと、分かんないじゃないでしょう!」

 ガーナも、入江に言い返す。

 

 入江は壁面に手を置き、見たことのない文字に指先を触れた瞬間、指先が光った。静電気が見えた。


「『それでも分かれるべきじゃねェんだよ。お嬢さん、俺は。俺にも、そんな過去があんだよ。あれは辛かったなァ……』」


 過去に浸る様子の入江。

 その様子の異変に、都築が気づいた。

 生唾を飲み込み、彼の名前を呼んだ。


「っで、出口サン?!」


 都築の問いかけに、入江がはにかんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ