一風変わったお客様。
リビングでチャイムが鳴る。
「誰だろう?」みどりはそれに気がつくと玄関ドアへと向かった。
「はいはい。ちょっと待ってくださいね。」
ドアを開けると小柄な女性がそこにいた。見慣れない服装。そして、青い瞳。
「梅子さんの家はここだと聞いて来たんだけど。」
「ええ、梅子は私の姉だけど何でしょう?」
「引っ越したばかりだと聞いて、もしお仕事が決まってない様ならお願いしたい事があって。」
「仕事?」
「ええ。もし決まっていなければ。」
「お姉ちゃん、お客さん。何か手伝って欲しい仕事があるって。」
私は薄い上着を羽織り玄関へと向かう。その女性はハーフなのだろう。目鼻立ちの整った顔立ちに華奢な姿。声は大人だが、おおよそ年齢は十四、五才といった感じだった。
「えっと、アルバイトとか。そんな話でしょうか?」
「まぁ、最初はそんな感じです。適正があるでしょうから。」
「まあ、立ち話も何ですので、部屋に上がってもらえるかしら。」
風変わりな容赦とは違い、自然で怪しさは感じられない。一応話しだけでも聞いてみるか。そう思い、私達は彼女を家に上げることにした。
みどりがお茶を準備している間、私は彼女に仕事内容を尋ねてみる。
「寮の管理人のお話しなの。」
「寮って、学生か何か?ここから、大学までは随分遠い気がするんだけど。」
「企業が管理している女子寮。急に空きができちゃって困ってるの。」
「私、事務しか経験ないけど。」
「それで、十分なのよ。ちょっとした備品や、寮にいる人たちの話し相手になってくれれば。ほら、この辺り年配の人多いでしょ。ちょっと年上の女性で姉さん感覚で面倒見がいい人。」
なるほど、わかる話だ。男性が問題を起こしてもいけないし、年下の面倒見が良い人。その条件で私を見つけた訳だ。
「興味あります。もっと詳しくお話しを伺います。」
しばらくニート暮らしもいいかなって思っていたが、親戚連中に心配かけてもいけない。何より、その話は楽しそうでとても魅力的に感じた。
お茶を出すみどりも何か興味津々で、細かい内容を伺い、話を進めることにした。どうやら最近出来たばかりの小さなアパートタイプのようだ。




